こんにちは。DX@母ちゃんです。
前回のコラムでも少し書きましたが、今年はオリジナルキッチンと洗面台の販売をやって行こうと計画中です。なぜ自分で企画したオリジナル設備品を販売しようと思ったのか、その経緯などを書いて行こうと思います。
参照:初めての新築RCマンションが竣工。スタートから完成まで
私が学生の頃なりたかった職業はマンガ家でした(笑)。子供の頃から絵を書く事が大好きで、大学入試はデッサン試験があり、絵を描いて合格しました。
基本的な色彩学などは学校で学びました。しかし、マンガ家になるにはストーリー作りの要素も必要になる為に断念し、デザイン系の会社に就職したくとも、私が卒業する頃は就職氷河期時代です。新卒学生のデザイン系就職口は非常に狭き門でした。
それから十数年後、これまでコラムを読んで下さっている方はご存知の話かと思いますが、元々不動産に参入したのは、亡き母の残した小さなアパートを相続した所から始まりました。不動産に関わる様になってから一番興味が湧いたのがリノベーションでした。
古い建物をリノベーションして建物に新しい付加価値を与え、再生していくのは自分の頭の中にしか無かったデザインをそのまま形にする作業で、楽し過ぎて寝食を忘れて没頭しました。
自分の物件で色々と実験し、挑戦を続けて答えを出して行く。
リノベーションした賃貸物件が、次々と周辺相場よりもはるかに高い賃料で決まって行く事が、私にとっての答え合わせとなり、自分がやって来た事が間違いではなかったのだと、少しずつ自信に繋がって行きました。
これまで手掛けて来たリノベーション物件は約40棟、部屋数だけでも約1,000室以上にもなります。この中には自社物件だけではなく、プランニング依頼でお仕事させて頂いた物件も含まれます。
お金をかければ幾らでも良い物件を作れてしまうのがリノベーションです。しかし、賃貸住宅には必ず予算上限があります。収支から逆算してどれくらいの予算組をしたら一番良いコストパフォーマンスで終わるのかを計算した上で計画を進めます。
その時に一番お金が掛かるのがキッチン、洗面、浴室、トイレなどの水回り設備です。
古い物件では水回り設備を更新しなければ、中々新しい入居者さんが決まり難いです。中古物件のリノベーションをする際は、最低でもキッチン、洗面台を交換、もしくはバリューアップしなければリノベーションとは言えません。
■ オリジナルの造作キッチンを開発するまで
どこにでもあるようなメーカーのキッチンや洗面台を買って入れ替えるのではなく、オリジナルを造作で作れないか?と考えて、大工さんに造作キッチンや洗面台を作ってもらうようになったのが5~6年前の事です。
初期の頃作った造作洗面
過去に作ったワンルームの造作キッチン
物件を作るたびに仕様を変えてみたり、色を変えてみたり、色々と試作を繰り返しました。ある時、アイアンフレームキッチンを使った物件の完成見学会を行いました。
この物件について書いたコラム(第76話)
見学会へ来られた皆様から、口々に「 このキッチンは販売されないんですか?」と言われました。その時、そうか!このキッチンを販売する事で、空室に困った皆様のお役に立てる可能性があるのだと気が付きました。
そこで、どうやったらこのキッチンを製造販売できるのかを考えるようになりました。
実際にキッチンを販売する事になると、その場で造作するのではなく、誰でも組立が出来る事、そして長期間使えるだけの耐久性、トラブルが少ない仕様にするなど、商品開発が必要になります。
フレームの部分の組立を可能にする製造図面の作成から、商品開発が始まりました。組み上がった時の全体的なバランスや使う素材などを選定して、何度もなんども作業を繰り返します。
耐久性を確認するテスト、何を足して何を引くのか、時には現場で、ある時は工場で、またある時にはZoomでミーティングを行い、商品開発にかけた期間は約1年半。ようやく完成品ができました。それを使用したのが、先日のコラムに書いた新築物件です。
このアイアンフレームは誰でも現場で組立が可能です
ワークトップはメラミン製で、熱にも水にも強い素材です。加工も簡単で、コンロ( 熱源 )部分をワークトップ上に置いておく事も出来ますし、ビルトイン加工する事も可能です。
今回の新築物件では、高級感を出す為ペニンシェラタイプにしましたが、壁付にする事も可能です。
サイズもワンルーム等で対応出来るW900サイズからあります。この写真はショールームに設置してあるキッチンです。
キッチンと同フレームで洗面台も作りました。
ホテルのような高級感を出したいと思いました。作業スペースと棚はオプションですが、どこにもないオンリーワンの商品が出来上がったと思います。
基本のベース洗面台はこのタイプになります。
鏡の部分は何でも組み合わせが可能です。写真に写っているミラーはIKEA製です。
■ キッチン製造販売業の新しい会社を作りました
事業は常にチャレンジの連続です。業界未経験で不動産を始めた時も同じでした。「 そんなの無理でしょ 」と言われてもやってみないと分からない。誰かが出来ているのだから、自分が出来ない理由はないと思うのです。
これまでも沢山の難問にチャレンジして来ました。見た目はただの工場という物件を宿泊施設にしたいと言った時には、その場にいた人全員から、「 えっ?無理でしょ 」と反対されました。
でも出来ると信じる事、そしてその目標に向かって走り続ける事が私の強みです。同じ目標に向かって一緒に走り続けてくれる仲間がいたので、前に進むことができました。これ以上に心強い事はありません。
今回のキッチン製造販売事業で、私を含め3人の仲間と一緒に新しく会社を立ち上げました。3人の名前に『 田 』の文字が入っている事から、3つの『 田 』と言う意味で、会社の名前をスリーフィールド( ThreeField )としました。誰かが欠けてもこの商品は完成しなかったと思います。
私たちは開発者であり、販売事業者でありながら、商品を実際に使っているユーザーでもあります。不具合があればすぐに仕様を変更したり、入居者様からのクレームに対応したりする事で商品課題を解決できる事が一番の強みです。
近隣との差別化を図り、オンリーワンのお部屋作りを行うのにピッタリな商品になりました。神戸にショールームもありますので、是非遊びに来て頂ければと思います。空室に困っているオーナー様のお手伝いが出来る事を願っております。
ご興味がある方は、下記HP( QRコードを読み取ってください )よりお問合せを頂ければと思います。
今日は少し宣伝も入れさせていただきましたが、私が大家業を始めなければ生まれなかった事業です。大家業を起点に色々なことが広がっていくのが面白いです。
本日も最後までお読み頂き有難うございます。
ではまた次回、皆様お会いしましょうね~(^^)/