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2010年不動産市況を読む(2):混迷続く商業用不動産

ニュース編集部_画像 ニュース編集部 第46話 著者のプロフィールを見る

2010/1/25 掲載

混迷続く商業用不動産、ビル大量供給が影を落とす

昨年12月中旬に不動産投資市場に注目が集まった。米系不動産ファンドのセキュアード・キャピタル・ジャパンが東京・丸の内の大型複合ビル 「 パシフィックセンチュリープレイス ( PCP ) 丸の内 」 を年内に買収するというニュースが飛び込んできたからだ。都心の優良不動産への投資の動きが回復するとの期待感が強まった。このニュースを受けた直後は、三菱地所など優良ビルを保有している大手不動産会社の株価は堅調に上昇した。

だが、PCP買収についての海外投資家の反応は、 「 日本のハードアセットにいま投資するのはトッピーノ ( セキュアードの取締役 ) くらいだ 」 と厳しい見方をし、約1400億円といわれている買収額は高い買い物としか見ていない投資家が多い。高く売りたい親しい金融機関の意向に沿って買収したにすぎず、結局は、まともな不動産取引ではなく、フィナンシャルエンジニアリングだという海外投資家もいる。

もっとも実際のところ、商業用不動産の見通しは2010年以降も明るくはない。都心部のオフィス需要は、企業業績の低迷に伴って減少し、空室率も高水準で推移...

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