高齢社会、リバースモーゲージより自宅のフロー化を

自宅を担保に老後の生活資金を融資する 「 リバースモーゲージ 」 に注目したい。同商品の開発・販売を始める銀行が再び増えてきた。リバースモーゲージは、自宅を担保に入れ、その家に住みながら毎月一定額を受け取ることができる。借り入れ元金は契約者が亡くなった際に自宅を売却することで一括返済する住宅担保ローン商品だ。

高齢社会の到来により、老後資金調達の手段としてリバースモーゲージが注目を浴びているものの、銀行がこうした商品に再び手を出す背景もまた複雑だ。背景をピンポイントで言えば、銀行窓販で投資商品を売るためにリバースモーゲージを開発した例も。自宅を担保にまとまったお金を融資して投資商品を購入してもらい、 「 投資商品で運用益を上げれば、借りた金利以上のリターンを得てそれが老後資金の備えにもなる 」 といったセールストークをする。自宅はあるが運用資金が不足している人をターゲットに売り込むのだ。

信託銀行は、遺言信託に老後資金としてのリバースモーゲージを組み合わせることで、新規により多くの遺言信託商品の受注を狙う。メガバンクと違い、経営環境が厳しい地銀は、顧客囲い込みが目的。地場銀行として地元地...