私のような特に資産もない普通の人が、5年以内に自分の給与と同じくらいのCFを得ようとした場合、以前のコラムでもお話ししたように、出来る限り給与からお金を貯めることは必須です。
参照:時間も貯金もないワーママが、一棟目アパートを購入するまでにやった事
また、融資を使ってレバレッジを利かせる事も必要となります。今日は、融資を使った場合のレバレッジ効果を確認するため、私が実際にやった投資を比較、分析してみたいと思います。
■ 自己資金1千万でレバレッジを効かせた場合と現金買いをした場合
比較するのは、私が所有する2つの物件です。買った時期はさほど変わりませんが、投資的な視点で見ると、対照的です。
- 中古RC ほぼフルローン
- 中古戸建 現金買い
利回り、条件などは少し違いますが、わかりやすくするためにどちらにも同じ金額を投資したとして、投資効率などを見ていきたいと思います。
※ それぞれ保有して5年ほど経っているため、条件は実績値となります
※ 現在どちらもまだ保有中です
※ 税金は考慮しないこととします
< 中古RC( 神奈川県、築25年 )>
- 価格 9,350万円
- 利回り 10%( 年間家賃935万 )
- 諸費用、不動産取得税 650万
- 頭金 350万
- 借入 9,000万 25年、2%
- 自己資金 1,000万
< 条件 >
- 空室率3%、家賃は下落無し、管理費5%
- 月々の家賃収入は78万、ローンの支払いは38万( 返済比率48.7% )
- 固定資産税は年間で65万
- 経費率( 空室率込み )約20%
経費率と返済比率の合計は家賃収入の約7割で、年間税引き前キャッシュフローは約290万、税金を考慮しない場合、約4年弱で投資金額は回収できる計算になりました。
こちらの物件は初めて購入したRCだったため、念には念を入れて購入時に交渉し、大規模修繕済( 外壁塗装、屋上防水、受水槽のポンプ交換 )の状態で譲り受けました。RCの大規模修繕はかなりの費用が掛かる可能性があるため、十分計画、考慮したうえで購入する必要があります。
そういった状況のため、修繕は基本的に退去時の原状回復のみとなります。それを加味しても高いのがRCの経費率…固定資産税で約1か月分の家賃、不動産取得税も2か月分の家賃が飛びました。
< 投資結果 >
5年後のキャッシュフローの総額はインカムゲイン1,450万となり、1,000万の投資が5年後に約1.5倍になるイメージです。もし売却する場合は、5年後の残債が約7,500万となりますので、残債+諸経費以上の金額で売却できればキャピタルゲインも得られる計算になります。
< 中古戸建( 東京都23区内、築40年 )>
- 価格 880万( 現金購入 )
- 利回り 13%( 年間家賃114万 )
- 諸費用、不動産取得税 70万
- 修繕費用 50万
- 自己資金 1,000万
< 条件 >
- 購入後最初に入居した方がそのまま居住⇒空室率0%、家賃下落/管理費はなし
- 月々の家賃収入は9.8万
- 固定資産税は年間で3万
- 経費率 約3%
年間税引き前キャッシュフローは114万、投資金額は約9年で回収できる計算です。RC物件に比べると固定資産税が信じられないくらい安い!経費率はほぼないのも同じ、しかも入退去もなく、更新の連絡が来て思い出すくらい。持っていることをリアルに忘れてしまいます。
< 投資結果 >
5年後のキャッシュフローの総額はインカムゲイン570万となり、1,000万の投資が5年後に約6割は回収できるイメージです。もし売却する場合は、こちらの物件は現金購入となりますので、売却金額から諸経費を引いた金額が手元に残ることになります。
融資によるレバレッジをかけることによって、同じ投資額でも5年後の手残りが大きく変わります。キャピタルゲインは不確かなものなので不動産市況によって変動しますが、比較的読みやすいインカムゲインの差でも約900万です。
私の場合、不動産投資を始めてから、前半は融資を受けて買い進め、その後は初期の物件を売却、返済比率を重視して現金中心に買い進めてきました。今後は別事業の宿泊業でキャッシュフローを稼ぎつつ、将来的には再度融資で不動産を購入しようと思っています。
■ 普通の人ほど時間を味方につけよう
不動産投資を始めた人のうち、ほとんどの方が感じるのではないかと思うのは、もっと早く、あと5年早く始めればよかった…ということではないでしょうか?
言い換えると、不動産投資というものをもう5年早く知っていれば、その5年間の行動が全く違った&5年間の資産が積みあがっていたのに、という意味を込めて書いています。
なぜ早く始める方がいいのでしょうか。それは不動産は時間を味方につけて、資産を積み上げていく投資法だからです。では、時間を味方につけるとはどういうことでしょうか。
私の物件で例に挙げた中古RCのように、融資を使って不動産を購入した場合、毎月一定の金額を返済していきますが、その金額は元本と利息に分かれています。この元本( 残債 )が減っていくことが資産を積み上げるという意味になります。
例えるなら元本の返済は、ブタの貯金箱=内部留保、物件の中にお金をためていっている状態であり、売却の時に貯金箱を割って、そこにたまっているお金を取り出せるということです。
もちろん売却金額によってはそこにたまっているはずのお金が引き出せない場合もあります。そればかりか保有期間に得たCFや内部留保として貯めていたものがすべて吹き飛んでしまう場合だってあり得ます。
私は売却するまで結果は分からないと常に思っています。ただし、毎月CFが出ていれば、ずっと持ち続けて残債が減る、もしくは売却時に利益が出るような相場になるまで待つこともできます。
不動産を今から始めるという方も、小さな一歩から少しずつでもまずは始めてみる事をお勧めします。もちろん始めるという意味はいきなり物件を買うということではありません。
本を読む、ポータルサイトで物件を調べて資料請求する、物件を見学に行く、セミナーに行く、何でも構いません。自分にできることをコツコツ時間をかけて進めていけば、5年後は大きな違いとなってきます。
自分を変えられるのは自分だけ、自分が変わればこれからの行動は変えられます。今日が自分の人生で一番若い、私はいつも自分に言い聞かせています。