不動産投資はうまく運営できれば大きな資産を築くことができます。人によっては平均的なサラリーマンの年収を超えるキャッシュフローを得て、自由な生活を送ることを出来るでしょう。
しかしそんな不動産投資家であっても、平均的なサラリーマンよりも劣勢に立たされ、苦戦を強いられる分野があります。それは「 住宅ローン 」です。なぜなら、この住宅ローンに関しては、投資物件への融資とは異なる理論で審査・判断されてしまうからです。
ざっくり言うと「 安定的な給与収入があり、借金が少ない 」のが住宅ローン利用に求められる属性ですが、物件を買い進めたり、脱サラしていたりすると借りにくくなってしまいます。
かくいう私も今まで、住宅ローンに苦戦してきました。仮審査も含めると、勝率は20%くらいだった気がします(笑)
先日、なんとか無事ローンの審査が通り、3月にマイホームを取得する運びになっているのですが、その過程で得た気づきや工夫を今回のコラムにまとめていきたいと思います。
■ 住宅ローンでの優先順位は「 @金額、A期間、B金利 」
前提として、私が「 不動産投資の規模拡大を優先し、そのために手許現金の維持が必要 」な状態としておきます。( 本当は頭金に入れられるほどの流動預金がなかっただけですが・笑 )
その上で考えた住宅ローンの優先順位は以下の通りです。
2)融資期間
3)金利
この優先順位は、普段プロパー融資を受ける際に重視していることと同じですが、現状の低金利下において「 借入金額を優先する 」というのが私の考え方です。
金利が高くなったら、温存しておいた手元資金から返済するという選択肢もあるので、まずは多く借りるのが得策と考えています。
まして、住宅ローンはほとんどの銀行において大きな差はなく、世界と比較しても極端に低い金利が適用されています。
住宅ローンとは、マイホームを買う時にしか使えないローンなので、マイホームを買うという限られたタイミングにおいては、出来る限り多く使っておきたいですね。
例えばですが、以下の2つを検討した場合、私なら迷わず後者を選びます。
1)金利0.4%で、頭金1割が必要な銀行
2)金利0.8%で、オーバーローンが可能な銀行
■ 不動産投資家の大きな壁「 既存の借入額 」をどう乗り越えるか?
ここまでの作戦に基づき、出来るだけオーバーローンが使える銀行を探そうというのが私のミッションでした。しかし、いくつかの銀行に打診した結果、そもそもの大きな問題に直面します。
それは「 個人で借りている不動産融資が足枷となり、融資が通らない 」という問題です。
私の場合、個人での借り入れはそれほど多くはないため、なんだかんだ住宅ローンは通るだろうと考えていましたが、現実はそうはいきませんでした。減額承認や否決の連絡が続きます。
しかし、今回の取り組みにあたって私は最後の砦を用意していました。それは「フラット35」です。フラット35は、数年前の制度変更以降は「 1棟収益物件融資の返済を返済比率に含めない 」という決まりがあります。
多くの銀行では「 借入は借入 」として見られてしまうため、個人の借金はマイナスに働きます。しかし、フラット様は1棟物件であれば借入を除外してくれるのです。
つまり、私のような規模拡大中の不動産投資家( 多重債務者 )にも優しい銀行というわけです。
長プラの連動により、金利が上がってしまっているのが悔しいところですが、全期間固定金利を「 全体の借入ポートフォリオ内のリスクヘッジ 」と捉えて、申し込みを行い、無事オーバーローンでの承認となりました。
少しヒヤッとしたのは、今建築中の新築アパートの借入が個人名義であり、かつ建物は完成していない状態で借入だけ先行してしまっている点でした。
フラットによると「1棟の共同住宅であるかどうかは登記簿謄本で確認する」と書いてあったので、返済比率から除外されないのでは、と不安になりましたが、建築確認等の資料を提出し、無事承認となりました。
突き詰めて考えると「 なぜ1棟はOKで区分や戸建てはダメなのか? 」と感じましたが、フラット35の不正融資も相次いだ中で、その対象となりやすかった区分・戸建ては除外されたという事でしょうか。
■ 今後について
ちなみにですが、今回フラットの申込をしたのは2件目のマイホームの購入資金です。今住んでいる小ぶりな戸建から、新しい戸建に住み替えたわけですが、フラット含めたほとんどの銀行は2件目の住宅ローンについての申込・利用は問題ありませんでした。
( 今の住宅のローンを引いている銀行だけは、審査も進めることができませんでしたが )
今月末には自宅の決済が完了し、引っ越しなどを行う予定ですが、もう一つの課題は旧自宅の取り扱いです。この内容についてはまだ確定していない部分もあるため、次回のコラムにまとめてお話ししたいと思います。
今月もお読みいただき、ありがとうございました! また来月お会いしましょう!!