こんにちは。今日は、多忙な会社員が複業に取り組むシリーズ 第2弾( 第1弾→私がスキマ時間に活用していたスマホアプリ )として、私なりの税理士さんの選び方についてお話ししてみます。
複業でひとつの事業売上500万〜3,000万円くらいまで、時間がなく( 本業がある、子供が小さく家庭内業務遂行も多いなど )「 税務業務が苦手!税理士さんに依頼したいけど費用は?手間は?」という方に向けたお話になります。
■ 税理士事務所をどう選んだか?
私は会社員の頃から( 2020年4月退職 )複業をしており、現在は2社を運営しています。2018年に不動産賃貸業をメインとした合同会社を設立し、そちらは今年4期目。もう一つは、2019年に開業届を出した個人事業です。
個人事業の方も紆余曲折を経て、先月( 2021年8月 )、法人成り( 株式会社設立 )をしました。( 個人事業を始めた頃は会社員だったので、当初はお金をもらわない活動に注力しており、実際に売上が増えたのは退社してからの2020年以降 )
- 2018年:
- 合同会社設立
- 2019年:
- 個人事業主+会社給与で確定申告
- 2020年:
- 個人事業主+退職で確定申告
- 2021年:
- 個人事業主の法人成りに伴い、
株式会社設立
この4年間はこんな流れです。ありがたいことに複業( 兼業!?)がどうにか成り立ってきましたが、その分「 税務報告 」をきちんとするという重たい義務が発生しています( 国民の三大義務「 教育、勤労、納税 」ひー )。
会社員だった頃は、会社が「 年末調整 」でどうにかしてくれました。しかし、今は違います。複業でも売上がある程度出てくると( 家賃も売上ですね )、「 自分でやる!」ことの限界が来て、プロのお助けを借りる必要が出てきます。
補足すると、お金の流れを理解するまでは、自分がやるのは「 あり 」だと思います。実務をこなしながら知識がつくのですから、一石二鳥ですよね。
しかし、ある程度のお金の流れが理解できるようになったら、社員を雇うほどの規模でもない複業こそ、メイン活動に集中するべく、本業以外の税務処理などはプロに任せ手放していくのも、経営者としての大事な仕分けです( キリッ。簿記の仕分けと「 かけ 」ています )
私自身もこの4年間、税務処理をどうするか? 税理士さんの選び方、税理士報酬の妥当性、日々の税務処理の仕組み化をどうするか? にたびたび向き合ってきました。そして現在、2つの会計事務所とお付き合いがあります。
1)不動産メインの合同会社( 良くも悪くも昔ながらの税理士事務所 )
出会い:
合同会社設立時に税理士紹介サイトの中から選定した。当時、育休中だったため、次男を背負って面談に行った。地元にある会計事務所。基本的に、税理士先生と話す機会はない。事務員のお姉さんがいつも電話で対応。不動産賃貸業の顧客が複数いる。
会計ソフト:
買い切りタイプ( 1年に一回程度バージョンアップデータ購入必要有 )
依頼内容:
もともと記帳は私がやり、決算と質問対応を依頼していた。2021年からは自身での記帳を断念し、依頼したことで月額顧問料アップ( 会計ソフトがWindowsしか対応しておらず、Macユーザーの私は、会計処理のためだけにWindowsPCを購入しメンテ維持が発生。泣きたい )
メリット:
自分で帳簿をつけた経験と事務のお姉さんの指導で、おおよその家賃や返済金、税金のタイミングなどの流れを理解することができた。あくまでスタンダードな税務( 消費税還付とかはしない )。減価償却で必要な資料等は、直接業者さんに電話でフレキシブルに問い合わせ対応してくれる。私が対応する必要がないので楽。
デメリット:
会計ソフトが買い切りタイプのため銀行口座やカードの自動同期機能がなく、通帳や領収書を一から手で入力。事務所自体がクラウド会計対応していない。
2)個人事業主から法人成り( WEB対応特化型 )
出会い:
担当の公認会計士( 2代目 )先生が書いていたブログ( 現在はされていない )を見て、依頼検討、WEB面談申し込み。東京の先生。同世代でネットビジネスに明るい。WEBツールやメールを駆使してやり取りがスムーズにできる。
会計ソフト:
クラウド会計( freee )。銀行口座とクレジットカードを登録、仕分けは自動化されているので、入力作業や漏れがほぼない。
依頼内容:
個人事業主時代の確定申告から依頼。会社を退職後、そこからの税務処理や住宅ローンや寄付控除、また償却資産もあり、ややこしいのでお願いをしていました。2021年からは、業務委託や外注費用が増え、仕分けや請求書発行増に伴い、freee自動化で処理できない内容を含めて、オンライン秘書さんに運用依頼中( 会計業務月5時間程度 )。
メリット:
クラウド会計なので、私、先生、秘書の三者がログインできて話が早い。私がやっているのは、領収書の写真アップと月次売上の把握だけなのでストレスゼロ。試算表などを一瞬でスマホから見れる。メールでの税務質問には先生が直接エビデンス付きで答えてくれる。
デメリット:
基本的に必要なものはこちらで用意、問い合わせをしないとレスはない。
事業形態 | 個人事業主 | 株式会社 (法人成り) | 合同会社 |
会計ソフト | クラウド会計 (freee) | クラウド会計 (freee) | 買い切り 会計ソフト |
記帳 | 自分 | オンライン 秘書 | 自分 →事務員 |
事業 | 発信文筆、 ヨガ | 上記同じ | 不動産 |
月額 顧問料 | 5,000円 | 20,000円 | 10,000円 |
記帳費用 | 自分でやる | 秘書代5時間 約13,000円 | 10,000円 |
決算費用 | 30,000円 (確定申告) | 120,000円 | 60,000円 |
お気づきかと思いますが、真逆の新旧2パターンのタイプの先生にお願いしています。まさにDX化( デジタルトランスフォーメーション )の過渡期。日本と台湾のDXを同時に味わっている感じです( 両国のコロナ渦での対応、覚えています?)
■ 複業者の税務処理は「 自動化 」必須
では本題の、多忙な複業者はどちらをチョイスするのが最適か? について考えてみます。 私が今から税理士さんを選ぶなら、クラウド会計対応の税理士さん一択です。理由は明確です。
- 多忙な人こそ自動化はメリット大( 銀行、カードの売上が自動で仕分けされる仕組み作り )
- どこからでもアクセス可能( どのスマホ、PCでもOK。しかし売上規模の大型化、複雑化していくと限界はある )
- アクセスできる人が増やせる( 秘書などに一部アクセス権が渡せる )
では不動産賃貸業ならどうか?不動産賃貸業は、毎月の収入支出がほぼ決まっています( 接待交際費が多い人は除く )。自動化するならクラウド会計でやりやすい業種です。しかし、これは正直迷いがあります。
私は、不動産事業のイロハがよく分かってない時期に、旧式の会計事務所に依頼したことで、帳簿の付け方、キャッシュフローの理解、白黒グレーの考え方を、事務員さんから丁寧に教えてもらい、学びになったと肌身で感じているからです。
これはきっと、オンラインでクラウド会計専門の事務所だったら得られなかった利点です。また、「 地元の不動産賃貸業を見ている会計事務所 」であるからこそ、もらえるアドバイス( 融資や資金繰りなど )もあったと思います( これは、地元でクラウド会計対応の税理士を探すと解決しそう )。
結論としては、複業者の税務処理は「 自動化 」を必須で仕組みをつくる、ことをおすすめします。
ただし、まだよく分かってない時期は、固い日本式会計事務所で会計理解をしながら進め、慣れてきたらDX化が進んだ台湾式、クラウド会計や外注( 秘書さんや記帳依頼 )など、自分のレベルに合わせてうまく活用していくのがいいのかなという考察です。
ついつい「 コスト 」で税理士さんを選んでしまいがちですが、一番大事なのは、「 複業 」の継続です。そのために大事なのは、税務処理! 私の4年間の試行錯誤がお役にたてば幸いです。