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スナックとコインランドリーと賃貸契約開始。1枚のチラシから学ぶことは無限にある。霜に打たれた柿の味。

広田健太郎さん_画像 広田健太郎さん 第111話

2020/10/26 掲載

スマホを使ってすぐに検索できる時代ですが、新聞やポステイングなどで「 不動産広告チラシ 」を目にする機会があると思います。みなさんはチラシの物件情報をチェックしていますか? 僕はほとんどしていません。

そのことで先日、頭をガツーンと殴られたように感じた出来事があったので、今回は自戒を込めてその時の話を書きます。

■ 1枚のチラシから何を学べるか

先日、実家に行った時の話です。父を見て驚きました。胸ポケットに青色とオレンジ色の蛍光ペン、そして市内の物件広告が掲載されたチラシが丸めて入れられていたのです。

耳に鉛筆を挟み胸ポケットに競馬新聞を突っ込んでいる競馬場にいるギャンブラーのようでした。そのチラシを見せてもらうと、いくつもの物件が蛍光ペンでマークされていました。

ネットで常に物件を見ている僕です。こんなにマークするほどの物件って今あったかなと思いつつ、いくつかの物件を見てみると、僕のアンテナには反応しなかったような物件が並んでいました。

父は74歳です。不動産業の現役を退き、少し衰えたのかもしれないと思いつつ、「 お父さんはなんでこの物件を選んだの? 」と聞いてみました。そしてそこからの約1時間、僕は途中でスマホのボイスメモで録音を開始するほど、父の話に夢中になっていました。

なるほど、と思う事ばかりでした。不動産の神様が与えてくれたような父との奇跡の1時間の後に、僕は自分の未熟さに打ちのめされました。

僕だって初めてビルを買ってから15年以上経つのです。物件の売り買いや賃貸をかなりの数こなしてきた自負があります。小さなビルや店舗に関してはかなりの目利きと再生力を持っているつもりです。

しかし、それでも50年不動産業の最前線で戦ってきた父の話を聞くと、その長い経験から得た視点と考えの深さ、不動産の奥の深さと難しさを改めて実感することになりました。

僕のエリア外の物件だから分からないとかそういうレベルではなく、同じ物件を見て、ここまで頭の中で料理できるレベルに差があるのかと、僕は自分に見えていない広い領域があるのだと感じました。



実はこれまで、ネットを見て、「 いい物件がない 」と言っているような人に対して、それはあなたの目利き力や視点が足りないからでしょう、と思っていたのですが、自分も全くもってまだまだでした。

父は話し終わると、「 1枚のチラシからこれだけ学べることがあるんだぜ 」とニコッと笑いながら言いました。たかが1枚のチラシ。しかし、読む人によって天と地ほど得られるものに差ができるのです。

では、どうやったら1枚のチラシから、10件の有益な情報を見つけられる人になれるのか? 正直なところ、今の僕にはそれをうまく説明することができません。

ただ、思うのは長時間没頭没入し、情熱と根性で自分の専門領域を磨き続けていくと、それが時間の経過とともに自分のアンテナ、モノサシ、目利き力を高めてくれるのではないかということです。

どうしたら自分がそうなれるのか? それを常に自分の中でのテーマとして持ち続け、考え続けることが大切だと思います。専業で取り組んで15年になりますが、50年のキャリアから来る視点の深さにはとうてい及びません。

この差は努力と行動、勉強の時間の総量。焦らずに少しずつ埋めていくしかないだろうと、幼い頃から父の背中を見てきた僕は考えています。自分なりの答えが出たら、またこちらで報告させていただきます。

■ 買ってすぐに埋まる物件は万人が欲しがる

さて、今週は2件の賃貸契約を予定しています。まず1つは、1年半前に70万円で購入した借地の小さな店舗の入居者がやっと見つかりました。簡単な防水工事をこちらで行い、利回り30%でスナックの方に借りていただきます。



最初の3年は家賃を1万円引きにする約束なので、4年目からはさらに利益が上がります。価格が70万円ですから、購入した段階で儲かる物件であることは間違いありません。これから10年、20年と稼いでくれることを考えれば1年半の空室なんて一瞬です。

メイン通り沿いで場所は良いのですが、入居者さんのリノベ費用がかかる物件で、なかなか契約に至りませんでした。僕自身は万人向けの物件ではないものの、外観を変えれば価値が一気に上がるはずと、入居者が決まるのを気長に待っていました。

ポテンシャルがかなりある物件ですから、全ては時間が解決してくれると思っていました。僕はいい物件を買えるか買えないかは自分が設定する稼働までの時間軸の違いに尽きると思っています。

購入してすぐに動き出しそうな物件は万人が欲しがります。しかし、今回の物件のように購入してから1年以上経過してようやく動き出す物件もあります。こういう物件を仕込めるようになると強いのです。( 目利きを間違えると永遠に動き出さない物件もありますから、そこが難しいのですが )。

また、動き出すまでに耐えられるだけの資力がない方は絶対に購入してはいけません。不動産投資は所有数を競うゲームではなく、いかに利益を出すかというゲーム。そこを常に考える必要があると思います。

もう1件の賃貸契約は1,300万円で現金購入してからほぼ2年になるそば屋さんの跡地です。この物件は過去最長に決まりませんでした。僕の設定賃料が高かったのと、建物の外観がそば屋さん風で外観の改修にお金がかかりそうだったからだと思います。

近くには工業団地も市営団地も住宅街もある生活道路沿いなので、買った時はすぐに決まると思っていたのですが、少しギリギリなところを攻めすぎました。



約2年のロスは失敗といえば失敗ですが、失敗を恐れて何もしないよりも、失敗をしながらドンドン進んでいく方が10年経過した時にはるかに成長できます。これも経験です。

この物件の入居者さんですが、165坪の広い土地を活用し、建物が建っている場所と反対側の敷地に20坪のコインランドリーをオープンしたいとのこと。

最初は既存建物を大改修して使用する予定でしたが、修理に1千万円近くかかるとわかり、ユニットハウスを新しく建ててほしいと要望をいただきました。

僕はこの物件にはこれ以上お金を使いたくなかったので、建物は自分で用意してもらい、土地を貸すだけならということで契約を結ぶことになりました。つまり、既存のそば屋さんの店舗は空いたままです。

敷地内にコインランドリーができることで、そば屋さんの跡地にも店舗が入ってくれるのではないかと思います。コインランドリーからの地代が入るので、店舗の家賃も値引きできます。ようやく面白くなってきそうです。

また、今月末には3年間で700万円の賃料を稼いでくれた物件を、購入価格より1千万円を上乗せして売却します。スタバが近隣に出来るような良い立地の物件なので売る必要はなかったのですが、「 ぜひ売って欲しい 」と言われて手放すことにしました。



■ 霜に打たれた柿の味は辛苦に耐えた人の味

最後に少しだけ。先日読んでいた本に、「 霜に打たれた柿の味、辛苦に耐えた人の味 」という言葉がありました。

「 厳しい霜にさらされた渋柿は色も味も良くなるように、苦労を重ねて生きてきた人には人を惹きつける魅力がある 」というような意味なのですが、僕がペナン島で感じていた焦りみたいなものはこれだったなと思いました。

1年中暖かいところで暮らすことは24歳で起業した時からの夢でした。しかし、それを実現してみると、楽しくて時がゆっくりと流れていき最高な毎日なのに、どこかで「 自分が成長している気がしない 」という気持ちがあった気がするのです。

起業して20年近く頑張ってきたご褒美ということで長い休暇を楽しみましたが、僕自身の人生を振り返ると、群馬県で厳しい北風に吹かれている時が一番成長していたと思います。

寒く乾燥した北風に毎日打たれると憂鬱になりますが、今年も少しずつその冬が近づいています。今年はコロナもあるのでいつもよりしっかりと巣ごもりの準備をしようと思っていますが、今年は人生で初めて渋柿で干し柿を作ってみました。

父が干し柿が好きだということもあり、渋柿を大量に購入して物件の使っていない住居スペースで干し柿を釣るしてみました。うまく作れるかわかりませんが、上手にできたらもっと大量に柿を買ってたくさん作ってみようかと思っています。

渋柿はそのままでは食べられませんし値段も安いですが、干し柿にすると甘さも栄養も倍増し値段も何倍もするようになります。我々も渋柿のように安く物件を購入し、干し柿のような利益満点の物件に仕上げましょう。



大量の渋柿の皮を剥きながら、不動産投資と似ているなと思いました。

プロフィール

■ 広田健太郎(ひろたけんたろう)さん

hirotasan

不動産投資家
マレーシア・ペナン島在住

ツイッター
https://twitter.com/kentarohirota

ブログ
walk on the blue ocean.

■ 経歴

□1975年
群馬県高崎市に生まれる

□1997年
早稲田大学スポーツ科学部卒業(サッカー部所属)

□1998年
シンガポールプロサッカーリーグDIVISION1でプレイ

□1999年
個人事業主として「サファリレコード」創業

□2005年
結婚
父親のすすめで1棟目のビルを購入

□2008年
レコード店を閉め、父親の不動産会社へ入るも2カ月で退社

□2009年
宅建免許取得

□2017年 マレーシア・ペナン島に移住

□2018年
宅建免許返納

■ 所有物件

□2005年
11月:商業ビル購入(4テナント)20%

□2011年
3月:商業ビル購入(3テナント、1住居)売却済

□2012年
7月:商業ビル購入(4テナント、1住居)26%
9月:商業ビル購入(3テナント)28%
9月:中古戸建購入(売却済)

□2013年
3月:商業ビル購入(売却済)
6月:区分マンション購入(売却済)
9月:自宅近くの中古戸建購入
10月:土地購入⇒コインパーキング(23台)
12月:中古戸建店舗購入(売却済)
12月:自宅隣の中古戸建購入

□2014年
3月:商業ビル購入(2テナント) 20%
7月:商業ビル購入(売却済)br /> 10月:商業ビル購入(2テナント)32%

□2015年
3月:中古戸建店舗購入(売却済)
3月:土地購入⇒コインパーキング(35台)
6月:土地購入⇒コインパーキング(5台)
10月:転売用土地購入(売却済)
11月:自宅近くの中古戸建購入

□2016年 4月:店舗購入
5月:牢屋ビル購入(売却済)
8月:店舗購入

□2017年
3月:全空ビル購入
8月:ロードサイド店舗購入
10月:駅近ビジネスホテル隣の店舗購入
10月:上記店舗向かいのビル購入

2018年現在の家賃年収約5,400万円

月に5〜10日、一日に数時間働く狩猟型の生活を満喫している

不動産投資を始めるきっかけや初期の苦労については大家列伝(前編・後編)を参照ください。

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