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今後の賃料減額交渉に備える。コロナ発の新たなる賃貸経営を。

広田健太郎さん_画像 広田健太郎さん 第123話

2021/4/28 掲載

3回目の緊急事態宣言が発出されることになりました。

1回目:2020年4月7日〜5月25日
2回目:2021年1月8日〜3月21日
3回目:2021年4月25日〜5月11日

■ 3回の緊急事態宣言を経て思うこと

1年前の1回目の緊急事態宣言の時には、僕のメインのお客様層である飲食店の方たちから賃料減額交渉の連絡が殺到しました。「 取り乱しても状況は変わらない、冷静に1つ1つ考えていきましょう 」と伝えながら、自分自身も神経をすり減らしたことを覚えています。

同時に、各契約者様の平時には分からなかった考え方やスタンスがよく見えました。「 この人にはずっと入居して欲しい 」、「 このメンタルでは長い付き合いをするのは難しい。然るべきタイミングで解約してもらっても構わない 」などと判断ができたのは思わぬ収穫でした。

その後、夏から秋にかけては感染者数も一定数に落ち着いたり、家賃支援給付金があったりしたことで、賃料の減額を解除しましたが、冬になって感染者数がまた増加に転じました。

再度、減額交渉が来たらどう対応しようかと考えていたところ、今年に入ってすぐに2回目の緊急事態宣言。国や各自治体では飲食店などに時短要請を出しましたが協力金とセットということもあって、減額交渉は1件も来ませんでした。

飲食店さんは例年1月〜2月の売上はあまり良くないと事前に覚悟していたこと、コロナの冬をどう過ごすかとかなり前から緊張感を持っていたところに、時短バブルと呼ばれた小さなお店には過剰なほどの協力金が供されたことも影響していたと思います。

そして、今回の3回目の緊急事態宣言。ゴールデンウイーク期間にどのような結果となるでしょうか。テナントの飲食店の方に聞いた話では、( 僕のエリアは行楽地ではないので )毎年売上はほとんどないのでお店を閉めているそうです。

そして、ゴールデンウィーク後はお客さんはお金を使ってしまっているのと納税の時期でもあるので、やはりお店の売り上げ的には元々あまり良くないとのこと。

こうなると国や自治体には、飲食店の売上カレンダーをしっかりと分析して、売り上げが少ない時期は休業あるいは時短営業で協力金を支給、売り上げの良い時期は自助努力をしてもらうなど、メリハリをつけた年間プランの準備が求められるように思います。



■ 飲食店への公的資金の金額

そして、今後のプランが必要なのは僕自身も同じです。コロナ禍の1年間を振り返り、今始まったばかりの3回目の緊急宣言時における減額交渉があった場合にどのように対応すればいいのか。

あるいは東京オリンピックが開催される場合とされない場合、4回目の緊急事態宣言の対応等を考えて準備しておく必要があります。

ここで、1年前に緊急事態宣言が発出されてから今までの間に、どのような公的支援があったのかを僕のメインのお客様層である飲食店にフォーカスして考えてみます。

大きく分けると、1.持続化給付金、2.家賃支援給付金、3.時短営業協力金と言われる感染防止協力金の3つが給付されました。これらの支援によって、この1年間で飲食店に支給された金額を整理してみました。

<個人>
1.100万円
2.9万円×2/3×6ヶ月=36万円(9万円の賃料と仮定)
3.1日あたり4万円×42日間=168万円
計304万円

<法人>
1.200万円
2.15万円×2/3×6ヶ月=60万円(15万円の賃料と仮定)
3.1日あたり4万円×42日間=168万円
計428万円

*2の家賃は、個人は賃料9万円、法人は15万円と仮定
*3は僕の住む群馬県は県独自の時短営業協力金が1日4万円支給されました

3.時短営業協力金に対しては、「 酒類を提供するお店にだけ協力金が支払われるのはおかしい 」「 数時間お店を早く閉めただけで1日4万円ももらえるなんておかしい 」という声をよく耳にしました。

お店さんの方も、「 平時でも1日4万円の利益をあげるのは大変なのに、協力金はもらいすぎだ 」と恐縮していましたし、昨年12月にお店をオープンした方からは「 オープンしてすぐに時短要請で168万円ももらってしまって良いのですか? 」と相談されたりもしました。

この時は「 今回の168万円は今後1年間を乗り切るためのものであり、今後はもうもらえないと覚悟し、ありがたく頂戴してしっかりとお店を継続していくために使えば良いのでは 」と伝えました。

僕のテナントさんで、時短バブルだと浮かれてお金を浪費している方はほぼいませんでした。( お金の使い方は本人の自由ですが )。もしも、散財しているお店があれば、今後賃料減額のお願いがあっても拒否しようと思っていました。

■ 数字よりも大切な情報がある

話を戻すと、問題はこのように散財をしていなくてもこれから先またどこかのタイミングで僕のお店さんたちから、賃料減額のお願いがあったときの対応です。昨年は準備ができておらず、場当たり的な対応になってしまいましたが、今回はしっかりと準備をしておこうと思っています。

そうすれば、昨年のコロナ禍1年間ではいくらの賃料減額をした、そしていくらの公的支援があったと思われる、なので本来ならばこういう対応になる。しかし、あなたには何年間賃貸してもらっているからこうする等々、そのお客様に応じたきめ細かい対応ができると思います。

その準備は実は昨年末から進めていました。その前の前提として、投資や経営をしているとどうしても数字を重視することになります。特に、銀行からの評価はまず数字でされてしまいます。

一方で、人の人格や努力、その事業に対する目標や夢、意欲、戦略はほとんど加味されていません。僕はその点に違和感を持ちながらも、それがルールならば仕方がないと数字で結果を出すことにこだわってきました。

しかし、ペナンに2年半住めたのも、日本に帰国して療養中だった父と長い時間を過ごせたのも不動産のおかげであると感じた時に、そこで働き家賃を納めてくれるテナントさんの顔が浮かびました。そのお礼をこのコロナ禍でしっかり返さなければいけないと感じました。

とはいえ、10年賃貸してくれている人と1年だけの付き合いの人を同じにするわけにはいきません。しっかりと顧客を「 個 」客としてきめ細かい対応をしなければならないと思っています。

そこで、物件ごとの管理からさらにもう一歩踏み込んで、「 お店ごとのポートフォリオ 」の作成に着手しました。最初はエクセルやワードを使用していましたが、気持ちが入らないので今は全部手書きで作成しています。

まだ試行錯誤中なので、完成した時にはこのコラムでお見せしますが、ここで作成にあたってのポイントを挙げておきます。



■ お店ごとのポートフォリオを作成する時のポイント

@ノート1冊にまとめる

僕は50近くのテナントや駐車場を所有しているので一般的な30枚のノートではなく60枚のものを購入し、1店舗ノート1枚の裏表を使用することにしました。

A1枚の紙に、契約開始日と条件、入金日、振り込まれた賃料等を書く

間違った金額を振り込まれたり、コロナで賃料減額をしているときも、振り込まれた金額を書いておくことで後ですぐに確認できます。

B電話やメールがあった日時、内容を簡単に書いておく

何かあった時に振り返れるようにしておきます。

C修理やトラブルがあった場合、その日時、内容、金額等を書いておく

同様に、借主さんとの関係、口頭での約束や確認事項などもメモしておきます。

DマーケティングでいうLTV( ライフタイムバリュー )のように、このお客様から今までいくらもらったのか合計金額を書いておく

何年何カ月入居してくれているのかを一瞬でわかるようにしておく( ロイヤルカスタマーを優遇するため )。長く借りてくれたお客さんに対しては自分から進んで値段を下げる。それが人間としての信用につながる。

Eお店の開店記念日や契約者さんの誕生日を書いておく

以前は開店の祝い花だけでなく周年記念のお花を出していましたが、所有店舗数が増えて対応が困難になったため、今はやめています。5万円と10万円ではお家賃が違うのに、同じお花は出せないし、かと言って違うお花を出したらお店さんに差別したと思われてしまうという悩みもありました。でも、いつか再開したいので、念の為に書いておくことにしました。

Fお店に食事に行った時の日時を残しておく

どうしても行くお店と行かないお店ができてしまうので、きちんと回数や金額をできる限り記録して分かるようにしておきます。粋とはいえないやり方ですが、粋にお店を利用するためにこそ必要だと今は考えています。

こうしてみると、「 新しい賃貸経営 」なんて言いながら、昔の商人たちがやっていた顧客台帳、売り上げ台帳の考え方と同じですね。

最近はウーバーイーツなどのデリバリーが盛んですが、昔のお店は出前をしてくれていたところが多かったのと同じです。コロナがきっかけで商売は原点回帰ばかりです。

プロフィール

■ 広田健太郎さん

hirotasan

不動産投資家
マレーシア・ペナン島在住

ツイッター
https://twitter.com/kentarohirota

ブログ
walk on the blue ocean.

■ 経歴

□1975年
群馬県高崎市に生まれる

□1997年
早稲田大学スポーツ科学部卒業(サッカー部所属)

□1998年
シンガポールプロサッカーリーグDIVISION1でプレイ

□1999年
個人事業主として「サファリレコード」創業

□2005年
結婚
父親のすすめで1棟目のビルを購入

□2008年
レコード店を閉め、父親の不動産会社へ入るも2カ月で退社

□2009年
宅建免許取得

□2017年 マレーシア・ペナン島に移住

□2018年
宅建免許返納

■ 所有物件

□2005年
11月:1棟目ビル購入(4テナント)20%

□2011年
3月:2棟目ビル購入3テナント、1住居(売却)⇒2019年10月再購入

□2012年
7月: 3棟目ビル購入(4テナント、1住居)26%
9月: 4棟目ビル購入(3テナント)28%
9月:中古戸建購入(売却済)

□2013年
3月: 5棟目ビル購入(売却済)
6月:区分マンション購入(売却済)
9月:自宅近くの中古戸建購入(売却済)
10月:土地購入⇒コインパーキング23台(売却済)
12月:中古戸建店舗購入(売却)⇒2019年10月再購入
12月:自宅隣の中古戸建購入 

□2014年
3月: 6棟目ビル購入(2テナント) 20%
7月: 7棟目ビル購入(売却済)
10月: 8棟目ビル購入(2テナント)32%

□2015年
3月:中古戸建店舗購入(売却済)
3月:土地購入⇒コインパーキング(35台)
6月:土地購入⇒コインパーキング(5台)
10月:転売用土地購入(売却済)
11月:自宅近くの中古戸建購入(売却済)

□2016年
3月:店舗購入
5月: 9棟目ビル購入(売却済)
8月:ロードサイド借地権付き店舗購入

□2017年
3月:10棟目ビル購入(4テナント)
8月:ロードサイド店舗購入(売却済)
10月:駅近ビジネスホテル隣の店舗購入(4テナント)
11月: 11棟目ビル購入(2テナント)

□2018年
8月:店舗購入(現金)
12月:ロードサイド店舗購入:1350万円(現金)

□2019年
2月:借地権付き店舗購入:70万円(現金)
3月:借地権付き店舗購入:200万円(現金)
4月:ロードサイド店舗購入(現金→購入後融資)
4月:上記隣地の店舗購入(現金→購入後融資)
6月:ラーメン店跡店舗購入:1600万円(現金)
6月:駐車場購入9台:1150万円(現金)
10月:中古戸建店舗再購入(現金)
10月:2棟目ビル再購入(融資)
11月:12棟目ビル購入2テナント(現金)
12月:駐車場購入3台 (現金)

□2020年
2月:13棟目ビル購入(3テナント、1住居)(融資)

□2021年
1月:2019年3月購入の借地権付き店舗の借地購入 180万円(現金)

2021年現在の家賃年収約6,900万円

月に5〜10日、一日に数時間働く狩猟型の生活を満喫している

不動産投資を始めるきっかけや初期の苦労については大家列伝(前編・後編)を参照ください。

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