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退去後すぐに次のテナントが決定。ご縁のスノーボールを育ててきたら毎月700万円の家賃収入になった

ビル広田さん_画像 ビル広田さん 第159話 著者のプロフィールを見る

2024/5/22 掲載

コラム155話で書いた韓国での布袋ライブのチケットを取ってもらい、一緒にソウルでライブを観た韓国料理店のママさんが僕の所有するサファリビルから退去することになりました。昨晩、お店の常連さんが集まってお別れ会があったので参加してきました。

「今年の10月で10周年になりますが、そこでお店を閉めようと思っています」。実はソウルでのライブ後に彼女に招待された韓国料理店の個室でそう打ち明けられました。

10年間1人で料理をしてきて、肘を壊してしまったと言います。
いよいよ医師から「手術をしてお店を1年は休まないと生活もままならなくなる」と言われたと。

「でも、10周年まではなんとか頑張りますので、よろしくお願いします」。ショックを受けながらも、彼女なりにどう打ち明けるかを考えて、この個室を用意してくれたのかと理解しました。

僕はお店が閉まるまで可能な限り通うと約束しました。彼女もこれからも手作りのキムチを我が家に配達するし、退去後も関係は変わらないと言ってくれたので少しですがショックは和らぎました。3月の韓国では、そういうやり取りがあったのです。

4月に僕がLAから戻ってすぐに、「ママさん、お店に行きますよ」とLINEをしたら、「今は韓国にいます」という返事でした。「この前帰ったばかりなのに?」と返信しようとしたらその前に「父が突然の事故で亡くなりました」というメッセージが届き僕は言葉を失いました。

しばらくして、「韓国のお母さんを1人にできない。でも子供たちの学校もある。これからは日本と韓国の往復で忙しくなるのでお店はすぐに閉めることにします。約束した10月までできずに残念です」と連絡がありました。

コロナでの4年間を乗り越えながら、半年後に控えた「10周年」を迎えられない無念と、お父様を亡くした悲しみを思うと僕は、まるで自分のことのように感じて切なくなりました。

最後のお別れ会は彼女の大切な人ばかりでお店の中が溢れかえっていました。一番奥に僕の席が用意されていました。そこで僕はこのお店のおかげで好きになったマッコリを飲みながら、彼女とお客さんたちのラストシーンを泣きながら眺めていました。

■ママさんの紹介で次のテナントさんが決まる

店舗の大家をしていると、たくさんのお店とのお別れがあります。今日のように悲しくなったり寂しくなったり、時々本当に辛くなります。

プロとしてもっとこの悲しさに耐えられるようにならないといけない、仕事として割り切って付き合おうか、と考えたりもしますが、喜怒哀楽を心から味わえることこそが店舗大家業の喜びなのではないかと思ったりもします。

時には強く、時には優しく。時にはドライに、時にはウエットに。時には純粋に、時には計算高く。ビジネスだけではなく、ボランティアだけでもない、振り幅の大きなバランス感覚を持ったビルオーナーでありたいといつも思っています。

このお店はママさんがゼロから作った気持ちのこもったお店です。「自分の知り合いに引き継いでもらって、私も気軽に遊びに来れるお店にして良いか?」と訊かれたので、「もちろん」と伝えました。

新しい入居者さんは、ママとは10年以上の付き合いの方で、「居抜きで出店できて助かった」と言っています。ママさんは知人価格とはいえ居抜き代をもらえます。僕も賃料はそのままで空室期間はなく家賃が入ってきます。礼金として2ヶ月分の家賃もいただけます。

新入居者の方は僕よりも年上ですが、既に2つの繁盛店を作ってお店は若い方に任せているそうです。ママに良い人を紹介してくれたお礼を伝えると、「長くきちんと営業してくれるお店じゃなきゃ、私が遊びに来れなくなるから、変な人は紹介しない」と言ってくれました。

お別れ会では餞別を渡しました。酔い冷ましに歩いて自宅まで帰る途中、ママからLINEが届きました。

「こんなにたくさん包んでくれてありがとうございました。これからも家族ぐるみで付き合いをお願いします。奥さんと韓国来る時は言ってください。また案内しますよ」

彼女が再びお店をすることになったら、僕は彼女に対して素晴らしい場所を用意するつもりです。

■店舗経営の秘訣はお金と縁をうまく循環させていくこと

さて、ここからが本題です。できれば、こんなことは話さない方が良いのはわかっていますが、ここを言わないとわからない方もいるので書きます。綺麗事ではなくリアルな話です。

他人同士、大人同士のお付き合いにおいて、言葉だけのお礼では関係は続きません。妻は僕が帰宅してから、「いくら包んできたの?」と聞いてきました。僕が答えないと妻は「これくらいでしょう?」と言ってきました。

「よくわかってるな」と僕は安心しました。僕がママの亡くなったお父様へのお香典、お店も最後だし、次のテナントさんまで紹介してくれたから、そういうのを全部含めた気持ちだからと思って包んだ金額を当てたからです。

そしてこれなら僕に何かあっても、妻は子供達へお金とご縁の教育をきちんとしてくれるだろうと思いました。この「お金とご縁を止めずに流し続けることの大切さ」というのは、この仕事をする上で非常に大切なことです。

ここを間違えないようにすれば、テナント経営での問題は起こらないと僕は確信しています。お金というのは、縁を育てるための肥料、燃料です。そこをケチれば、相応の結果となり返ってきます。

そんなことをする必要はないと思う人もたくさんいるでしょう。でも、僕はそう思いません。とはいえ、同じ考え方をする人同士が結びつき、付き合うから、それはそれで良いと思います。これを言い換えると、良い人を紹介して欲しければ、自分が良い人になるしかないといえます。

今回、テナントさんが一つ解約になっても、次の入居者がすぐに決まってラッキーでしたね、あるいは自慢ですかと思う人もいるかもしれませんが、それは違います。これは偶然でも奇跡でも何でもなく、お金と縁をうまく循環させていく日頃からのお付き合いの結果なのです。

テナントさん側の立場からすれば、自分の大切な知り合いや仲間を紹介するのに、悪徳大家や守銭奴大家には紹介したくないはずで、逆にテナントのことを考えてくれるよ、お店もすごく利用してくれるよ、などテナントさんにとってメリットがあれば喜んで紹介してくれるはずです。

昔から僕はそういう付き合い方をしようと努力をしてきて、そういうスタンスが合う方とのお付き合いを大切にしてきました。

■ご縁のスノーボールを育てよう

コラム8話でウォーレン・バフェットの自伝「スノーボール」から、「小さなお金を早くから転がして育てていくことが投資では大切」という言葉を紹介しました。

店舗投資では「縁」もスノーボールなのです。小さなご縁から少しずつ丁寧に育てて、それを大きくしていくことが大切です。僕は店舗投資を始めてからの約20年を振り返ってそう確信しています。

ご縁はお金と違って銀行から借りることはできませんから、ある意味、お金よりも大切なものともいえます。お金が運んできてくれるチャンスは1度限りです。一方、人は何度もチャンスを運んでくれます。人が人を呼び、ご縁がご縁を呼びます。

ですから、ご縁を大切にしている限り、既存のお客様との新しい賃貸契約やお客様からの紹介は驚くほど頻繁に起こります。今年だけでも何回もありました。イヤらしい条件交渉なども全くなく、契約を終えた時はとても良い気分です。

短期間で大儲けを狙うのではなく、コツコツと目の前のご縁を育ててきたら、いつの間にか大きなスノーボールとなって、毎月700万円の家賃収入が入ってくるようになりました。こういう世界を目指しませんか。

 

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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

ビル広田さん

ビル広田さんびるひろた

不動産投資家
(ビル店舗投資)

プロフィールの詳細を見る

経歴
  • □1975年
    群馬県高崎市に生まれる

    □1997年
    早稲田大学スポーツ科学部卒業(サッカー部所属)

    □1998年
    シンガポールプロサッカーリーグDIVISION1でプレイ

    □1999年
    個人事業主として「サファリレコード」創業

    □2005年
    結婚
    父親のすすめで1棟目のビルを購入

    □2008年
    レコード店を閉め、父親の不動産会社へ入るも2カ月で退社

    □2009年
    宅建免許取得

    □2017年
    マレーシア・ペナン島に移住

    □2018年
    宅建免許返納

    □2019年
    マレーシアから帰国
不動産投資歴
  • ■ 所有物件
    □2005年
    11月:1棟目ビル購入(4テナント)20%

    □2011年
    3月:2棟目ビル購入3テナント、1住居(売却)⇒2019年10月再購入

    □2012年
    7月: 3棟目ビル購入(4テナント、1住居)26%
    9月: 4棟目ビル購入(3テナント)28%
    9月:中古戸建購入(売却済)

    □2013年
    3月: 5棟目ビル購入(売却済)
    6月:区分マンション購入(売却済)
    9月:自宅近くの中古戸建購入(売却済)
    10月:土地購入⇒コインパーキング23台(売却済)
    12月:中古戸建店舗購入(売却)⇒2019年10月再購入
    12月:自宅隣の中古戸建購入

    □2014年
    3月: 6棟目ビル購入(2テナント) 20%
    7月: 7棟目ビル購入(売却済)
    10月: 8棟目ビル購入(2テナント)32%

    □2015年
    3月:中古戸建店舗購入(売却済)
    3月:土地購入⇒コインパーキング(35台)
    6月:土地購入⇒コインパーキング(5台)
    10月:転売用土地購入(売却済)
    11月:自宅近くの中古戸建購入(売却済)

    □2016年
    3月:店舗購入
    5月: 9棟目ビル購入(売却済)
    8月:ロードサイド借地権付き店舗購入

    □2017年
    3月:10棟目ビル購入(4テナント)
    8月:ロードサイド店舗購入(売却済)
    10月:駅近ビジネスホテル隣の店舗購入(4テナント)
    11月: 11棟目ビル購入(2テナント)

    □2018年
    8月:店舗購入(現金)
    12月:ロードサイド店舗購入:1350万円(現金)

    □2019年
    2月:借地権付き店舗購入:70万円(現金)
    3月:借地権付き店舗購入:200万円(現金)
    4月:ロードサイド店舗購入(現金→購入後融資)
    4月:上記隣地の店舗購入(現金→購入後融資)
    6月:ラーメン店跡店舗購入:1600万円(現金)
    6月:駐車場購入9台:1150万円(現金)
    10月:中古戸建店舗再購入(現金)
    10月:2棟目ビル再購入(融資)
    11月:12棟目ビル購入2テナント(現金)
    12月:駐車場購入3台 (現金)

    □2020年
    2月:13棟目ビル購入(3テナント、1住居)(融資)

    □2021年
    1月:2019年3月購入の借地権付き店舗の借地購入 180万円(現金)

    □2022年
    レコード店で起業した時にテナントとして入っていたビルを購入

    □2023年
    月に5~10日、一日に数時間働く狩猟型の生活を満喫している

    不動産投資を始めるきっかけや初期の苦労については、大家列伝(前編・後編)を参照ください

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