2017年になりました。本年もよろしくお願いいたします。 かなり気が早いですが、今年が終わったタイミングでの予想される僕の成績を出してみました。
■2017年12月時点の成績( 予想 )
【ビル】借入残債 5,000万円、家賃年収3,500万円、借入残り年数平均約6年
【駐車場用地】借入残債21,500万円、地代収入年間2,000万円、借入残り年数平均約15年
注)今月中に年間家賃500万円のビルを売却する予定ですので、以前と比べ、その分の家賃収入と借入残債が減っています。以前の数字は第13話にて公表しています。比較してみてください。
なぜ1月が始まったばかりなのにこのようなことをするかというと、1年後のゴールが分かっていると、この間に物件を購入したり売却しなくても最低でもこの数字にはなるというということがイメージできて、焦らずに不動産投資に向き合うことができるからです。
上記では、特に僕のビルの成績に注目です。 ビル全体の借入5,000万円に対して年間家賃3,500万円。利回り70%です。しかも、借入の大半はあと5年弱で返済終了です。
自分のイメージでは45才までにビルの返済は全て終わらせようと思っています。
駐車場用地は、2億の投資に対して9%の利回りになります。貸地という手堅さと億単位での投資ということを考えると、かなり良い利回りと言えると思います。
こちらはビルと違って借入期間も長いので、定期貯金だと思って、収入に手をつけずに借入返済をしっかりと進め、20年後に僕と妻の年金になれば良いと持っています。
万が一の場合は、超一等地ですから今の相場なら最低でも3億5千万で売却可能、どんなに相場が悪くなっても借入額相当では売れますから心配していません。
■ 融資期間を最長10年にする理由
僕はこれまで、融資期間を基本的には最長で10年としてきました。これはバブルを味わった父親からのアドバイスです。
税理士さんも書籍も「 融資は可能な限り長く 」と言いますが、僕は20年も30年も先のことは分からないし責任を取れないので、最高でも借入期間は10年以内と考えています。10年で返せないものは買わなければ良いだけです。
20年も30年も先に僕が生きていられるか分からないし、生きていても健康かどうかも分からない、気力体力があるかどうかも分からない。それにそんなに長期間、何かを背負って生きていたくはありません。
外的要因としても、いつ経済も社会も天災もあるか誰も分かりません。父には「 好きなことをして生きて良いけれど、人に迷惑だけはかけるな 」と言われて育ちました。
その言葉通り、本当に好きなことだけをして生きていますが、同時に、人には絶対に迷惑をかけてはいけないと思っています。僕の事業を信用してお金を貸してくれた銀行へも責任を持って完済をしたいと思っています。
仮に僕の責任ではなく、外的要因が原因で何かあったとしても、その時に僕はきちんと完済できる範囲でしか、不動産投資をしたくはないのです。ウォーレン・バフェットも「 レバレッジの効かせ過ぎは良くない 」と言っています。
しかし、100人いれば100通りのやり方があり、1人1人の人生も家族構成も目標も全てが違うわけですから、何か正しいとか、正しくないとか、すごいとか、すごくないとか、評価することは誰にもできません。
自分に合った自分だけの投資をやれば良いわけで、ここで述べたのはあくまで僕のスタイルということです。
■ 「 見せかけの成功者 」たちをまねるリスク
さて、この1年間を過ごすにあたっての決意です。正直なところ、僕の目線で見ると、市場には全く面白い物件が出てきません。僕はこんな時は無駄にエネルギーを消費するのをやめて、1~2年南の島で遊んで来ようという結論を出しました。
しかし、無理にでも物件を買いたくて仕方がないという人がたくさんいるようです。なぜ、こんなに高い時に買おうとするのか。不動産投資というのは、買って終わりではなく、買うことは始まりでしかないのに。
「 利は元にあり 」と言うように、どんな商売も仕入れを間違えば、利益は出ません。どんなに頑張っても、高く仕入れた分を一生懸命穴埋めするだけのことになってしまいます。
時には、根気強く我慢できることも投資を成功させる一つの大きな要因だと思います。 にもかかわらず、プロでも慎重な相場で、素人が大胆に参入してしまうのはどうしてなのか?
そこには、ローン期間をこれ以上ないほど長くして物件を購入し、利益を先に得ているだけなのに、それで不動産投資に成功したと思ってしまう「 見せかけの成功者 」たちの影響があるのかもしれません。
しかし、この数年間に不動産を幾つか購入しただけで、「 成功 」なんてとんでもない。これから市場の成長が見込めず、競争は激しくなる一方の成熟しきったレッドオーシャン市場でどう戦っていくつもりなのでしょう?
僕から見れば、資金力とノウハウと経験を持ち合わせたプロでない限り、溺れてゲームオーバーになることは必至です。ましてや、その他大勢と同じアパートマンション投資をやるなんて・・・。
■ 不動産屋の長男としてバブル崩壊を見たからわかること
不動産投資はそんなに甘いものではありません。ネットや書籍には不動産投資で成功したかに見えるような方がたくさんいると思います。
しかし、それらの方の家賃年収だけではなく、借入金額、借入年数、金利、返済方法は元利均等、元金均等なのか等もよく確認した方が良いと思います。( ちなみに僕の借入は全て元金均等です)。
30年の借入でまだ5年も経過していないなら、サッカーで言えば前半15分が経過しただけ。前半15分で勝った! と大騒ぎしても笑われるだけです。これから10年、20年の間には誰も予期せぬことが必ず起こります。
僕は、不動産屋の長男としてバブル崩壊を見てきました。そして不動産業に参入したばかりの頃にリーマンショックを味わいました。建設途中のマンションの工事が全て止まり、物件は叩き売られ、それでも買い手が現れない・・・。
アベノミクス以降の融資緩和、不動産価格高騰しか知らないとそれがずっと続くと錯覚してしまうと思いますが、不動産の世界に足を踏み入れた以上、本当の恐ろしさを覚悟し、想定しておくべきです。
住宅メーカーはこれからも新築を建てるでしょう。日本の人口は一気に下がっていくでしょう。いつまでも自分の物件が借りてもらえるとは限りません。転売しようにも銀行の融資姿勢が変わり金利も上がって誰も買えなくなるかもしれません。
■ 2017年は最高を望み、最悪に備える1年に。
みんないつも「 俺だけは、大丈夫 」と思っています。しかし、最後の相場師と呼ばれた是川銀蔵でさえ何度か無一文になっています。もう少しだけ謙虚になって歴史に学ばなければいけません。
経済、金融は変わる時には恐ろしいほどに一気に変わります。ですから、僕は目の前の毎日を油断せず、足元をすくわれないようにしながら、集中して丁寧に積み重ねていくつもりです。
そして、今はまだ波に乗れていない人は、ここで無理して波に乗るべきではないと思います。無理して物件を買わないということです。「 見( けん )に回る 」ということも、とても大切なことです。
そんな時期は、じっくりと腰を据えて真剣にシミュレーションをしながら研究するのです。シミュレーションを何度も繰り返し、市場を一周見てから参入しても遅くはありません。
「 物件がどうしても欲しい 」なんて子供みたいなことを言っていないで、買えない時は買えないのだから、買えるようになった時のために力とお金を蓄えておくべきです。
自分のことを語らず、遠くから無責任なことを言うだけなのは嫌いなので、僕の不動産投資の予想される成績をオープンにしながらお話をしましたが、( そして公表した以上、無事達成するつもりです )2017年は社会も経済も不動産市場も大きな変化がある年になると思います。
「 最高を望み、最悪に備えよ 」。お互いに、そんな1年を。