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「新築はやらない」と決めた理由ー中古レコード店経営で得た教訓ー

広田健太郎さん_画像 第27話

健美家不動産投資コラム

前回の続きです。所有ビルを一つ売却して、しばらくは売り買いをしないつもりが、思いがけずビルを1棟買えることになりました。

このビルは築約40年の鉄骨4階建で、1、2階は店舗、3、4階が住居になっています。5年程前に3,500万で出ていたものが2年前に2,500万に下がり、今年3月に、僕が最初の金額の約半額で購入しました。

満室になるとビル全体で毎月32万円の賃料収入があり、利回りは21%になります。でも僕は、リノベに1,000万円かけて、再生します。そうなると利回りは13%。これを最低目標にしています。


購入時


完成予想図

■ 中古レコード店時代の教訓

実は去年、「 物件が市場にないのなら新しいビルを自分で建てようか 」と考えた時期がありました。そして、やめました。ギリギリまで考えた時に、初めて思い出したのです。僕は「 中古屋 」なんだって。

24才の時に中古レコード店を起業したときも、どこにでもあるレコードを安売りするようなお店ではなく、「 どこにもないものがある世界中のマニアが殺到するお店を目指そう 」と決めました。

アメリカ中を旅しながらどこにもない1枚を仕入れて、日本、世界からも注文がくるお店に成長していきました。その時は売上のうち、仕入れが3割、利益が7割でした。

しかし、お店が有名になって儲かってくると、いろいろな欲が出てきます。「 もっと売り上げを出して事業を拡大したい 」「 もっと店舗を増やしたい・・・ 」と数限りなく。

ある時、「 マニアに評価されるだけでなく、誰からも評価される万人向けのお店にしたい。それが社会的に働くということなんだ。今までは趣味の延長で、これからは次のステージだ 」と自分を納得させて、国内のレコード問屋と取引を始め、どこにでもある新品のレコードを取り扱い始めました。

そのおかげで、さらに売り上げも顧客数も増え、店舗も渋谷の一等地でやれるほどになりました。しかし、新品を扱い出したことで、仕入れと利益が逆転していきました。仕入れが7割、利益が3割になってしまったのです。

経費が倍以上になったことで、より売上を必要とし、売上を増やすために従業員を増やし、より多くの業務をこなすために経費も増え、いつの間にか何のために商売をやっているのかわからない状態になりました。

忙しくなっているのに利益が減り、自分も従業員もストレスが増してしいく毎日。それでも、「 もっと大きな成功 」を手に入れるために乗り越えなければいけない道のりの途中なのだと、自分に言い聞かせ、夜中まで働き続けました。

でも、本当は後悔していました。僕と従業員の2〜3人でやっていた頃は好きな音楽を売って、お客さんとも楽しく話しながら十分な利益を確保していたのに、今は売れる音楽を仕入れるために必死に働き、それでも先行投資でお金がどんどん消えて行く・・・。

利益は減っているのに、見せかけの売上は増え続ける毎日で、周りからはすごいと思われている。自分はそんな「 他者からの評価 」のために生きているのかと。どっちが幸せな毎日だったのか、と自問自答する毎日が続きました。

心の中では答えは出ていました。でも、もう引き返せない。そして、このまま走り続けるしかないと思っていたそんなタイミングで長男が生まれました。そのことで僕は1度、全てをリセットする覚悟ができました。

このとき、「 新品の万人受けではなく、中古のマニア受け 」の方が自分に向いていると確認できたことが、今の不動産投資に繋がったと感じています。

当時は、大好きな布袋寅泰さんが盟友の氷室京介さんとの別れを歌った「 さらば青春の光 」という曲を重ね合わせ僕は「 さらば万人受け 」というテーマでブログを書いていたりもしました。

■ 新築ビルはやらないという結論

そんな過去の教訓があったので、新築ビルはやめようと思いました。いかに利益を出すか。これが生命線で、こんな時代だからこそ10%の新築より20%の中古です。

今までの僕が不動産投資で結果を出せたのは、誰も買いたがらないオンボロビルを安く買って安く貸しながらも、表面利回り20%以上で運営してきたから。

そして、僕の強みは自分で店舗をやってきたから家賃を払い続けることの大変さが骨身に染みていることなど、ビルを借りてくれているテナントさんの苦労がリアルに分かること。

また僕は、こんなタイプの人は入居後にトラブルになるなという人は話していれば分かるから、事前に入居者を選別もできます。これが、人からお金をもらっている立場の人ではそうはいかないでしょう。

「 餌をもらっている動物園のライオンに、野生の勘は働かない 」と思います。僕は家賃保証会社を一度も使っていませんが、問題は全くありません。

ですから、僕が最高のパフォーマンスを発揮できるのはやはり僕と同じ自営業者の人たちに中古ビルのテナントを借りてもらうことなのです。

もちろん僕も、住居系のマンションやアパートもやろうと思えば平均程度にはできるかもしれません。しかし、それではその他大勢の人と同じ土俵で戦うことになってしまいます。

僕のスタイルは長所を徹底的に磨き、短所は気にせず無視というものです。泥臭く、人が嫌がる築古のビルを根気強く一つ一つ仕上げていくことができるのが今の僕の強みです。

普通は中古ビルで利益を得て新築ビルに行く流れでしょうが、いかにハングリーな気持ちを持って中古ビルにこだわり続けていられるか。そこをサボって楽をしようとすると、僕は勝てなくなると思うのです。

■ シンプルな毎日を追い求め辿り着いた島

最後に追記です。このコラムは「 東洋の真珠 」とよばれるペナン島で書いています。僕はマレーシアの首都のクアラルンプールでもジョホールバルでもなく「 ペナン島 」にコンドミニアムを借りて生活を始めたのです。

ペナン島は、14年には世界的に有名な旅行ガイドであるロンリープラネットに「 世界NO.1のグルメスポット 」として選ばれ、16年にも「 世界で訪れるべき街4位 」に選ばれています。

そんなペナン島に、1年前に初めて訪れた僕は、一瞬で恋に落ちてしまいました。この島に吹く風の気持ち良さやエネルギー、フィーリングが僕にとても合っている気がしたのです。

そして、住む場所を変えるだけで、人生に対する価値観が大きく変わるのを今の僕は実感しています。

こちらでの日常はTシャツ3枚と短パン、サンダルがあれば充分ですし、財布も100円ショップで買ったものを愛用しています。日本で使っているゴヤールの長財布との価格差を比べると真剣にこれって何だろうかと考え込んでしまいます。

ゴヤール1つ分で、ペナンで使っている財布が1,500個も買えるわけですから。でも僕は、ペナンで100円の財布を使っていることで本当の自分を久しぶりに思い出しました。

いつの間にか色々なものを獲得して埋もれてしまった本当に自分が求めていた飾らないシンプルな毎日をペナン島で見つけたのです。次に日本に戻るまで、ここでエネルギーを満タンにしたいと思います。




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プロフィール

■ 広田健太郎(ひろたけんたろう)さん

hirotasan

不動産投資家
マレーシア・ペナン島在住

ツイッター
https://twitter.com/kentarohirota

ブログ
walk on the blue ocean.

■ 経歴

□1975年
群馬県高崎市に生まれる

□1997年
早稲田大学スポーツ科学部卒業(サッカー部所属)

□1998年
シンガポールプロサッカーリーグDIVISION1でプレイ

□1999年
個人事業主として「サファリレコード」創業

□2005年
結婚
父親のすすめで1棟目のビルを購入

□2008年
レコード店を閉め、父親の不動産会社へ入るも2カ月で退社

□2009年
宅建免許取得

□2017年 マレーシア・ペナン島に移住

□2018年
宅建免許返納

■ 所有物件

□2005年
11月:商業ビル購入(4テナント)20%

□2011年
3月:商業ビル購入(3テナント、1住居)売却済

□2012年
7月:商業ビル購入(4テナント、1住居)26%
9月:商業ビル購入(3テナント)28%
9月:中古戸建購入(売却済)

□2013年
3月:商業ビル購入(売却済)
6月:区分マンション購入(売却済)
9月:自宅近くの中古戸建購入
10月:土地購入⇒コインパーキング(23台)
12月:中古戸建店舗購入(売却済)
12月:自宅隣の中古戸建購入

□2014年
3月:商業ビル購入(2テナント) 20%
7月:商業ビル購入(売却済)br /> 10月:商業ビル購入(2テナント)32%

□2015年
3月:中古戸建店舗購入(売却済)
3月:土地購入⇒コインパーキング(35台)
6月:土地購入⇒コインパーキング(5台)
10月:転売用土地購入(売却済)
11月:自宅近くの中古戸建購入

□2016年 4月:店舗購入
5月:牢屋ビル購入(売却済)
8月:店舗購入

□2017年
3月:全空ビル購入
8月:ロードサイド店舗購入
10月:駅近ビジネスホテル隣の店舗購入
10月:上記店舗向かいのビル購入

2018年現在の家賃年収約5,400万円

月に5〜10日、一日に数時間働く狩猟型の生活を満喫している

不動産投資を始めるきっかけや初期の苦労については大家列伝(前編・後編)を参照ください。

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