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コインパーキング運営をやめてからのその後。無我夢中でいれば風を感じる。別れの春。

広田健太郎さん_画像 第50話

■ コインパーキングの運営をやめてから2年

2年前、地元にある3カ所のコインパーキングを自分で運営するのをやめました。現在は大手コインパーキング業者さんへ土地を貸して、地代をいただいている状態です。

今は正直、入金確認くらいしかやることがありません。月末に通帳に振り込まれている地代を見て、ようやくコインパーキングのことを思い出すのですから、その手のかからなさは罪悪感すら覚えるほどです。

※コインパーキング事業の撤退については、過去のコラムをご参照ください
第17話:中途半端はNG-撤退を決意させたコインパーキング業者の言葉ー


もちろん、自分で運営した方が多く稼げます。しかし、そのためには売り上げの集計と分析、現地に出向いての集金と掃除、機械の故障対応、利用者のトラブル対応などを日々、行っていく必要があります。

数百万円分の機械を損切りしてでも処分し、大手業者へ土地を貸し出したことは、今でも素晴らしい決断だったと思っています。

実は、コインパーキングの運営をやめた後、ホッとした気持ちと、もう少し自分でなんとかできなかったかと、自分を責める両方の気持ちがありました。しかし、自責の念はしばらくして消えました。

というのも、僕がコインパーキングの運営をやめた少し後から、その周辺に10カ所ものコインパーキングができて、エリア一帯で恐ろしいほどの価格破壊が起きたのです。

当初の相場は500円で、僕は自分のパーキングの価格を450円に設定していました。それが、価格競争のせいで300円にまで下がり、一時は200円にするところまで現れました。

もし、自分で運営を続けていたら、間違いなく大苦戦していたと思います。今思えばこれ以上ないタイミングですが、当時の僕が、その状況を察知していたわけではありません。それほど、変化は突然でした。

事前にこうなることがわかっていたわけではありません。もし、変化の兆しが市場に現れていたのなら、周辺の情報を熟知していた大手コインパーキングの営業の方は、あのような条件で僕と契約をしていなかったと思います。



■ 無我夢中で打ち込めば風を感じる

僕が運営から手を引くことを決めたのは、6月末の決算というタイミングと、ペナン島に移住するためには自分でいつまでも運営をやっていられないと思ったからでした。

しかし、先ほどの話と矛盾するようですが、それと同時に、今思えば無意識に、周囲の変化を察知していたのかもしれないとも思います。

僕がレコード屋さんをやめた後、1年もしないタイミングで、iTunesなどのダウンロードが一気に広がり、世界的にCDやレコードの売り上げがかなり落ち込みました。

あの時も、音楽市場がどうこうではなく、僕が父親の跡を継ぐために不動産業に入ろうと決めたのが原因でしたが、その後で、「 あのまま続けていたらそれなりに大変だっただろうな 」と感じたことも確かです。

僕に予知能力なんてありません。ただ、レコードにしてもコインパーキングにしても、24時間そのことしか考えていないくらいに熱中して仕事をしていたことで、何かに導かれるように、本能がその道を選択したのかなと思います。

人生では、無我夢中で1つのことに打ち込んでいると、そういうことがしばしば起きるものです。

何はともあれ、コインパーキング業者さんとの契約更新は、無事に終わりました。ビルや店舗の投資での2年は長く感じますが、コインパーキングは2年がアッという間でした。この分だと借入期間である20年もすぐに過ぎてしまうと思いました。



■ 不動産免許を自分から手放す

今年の2月に、父が突然倒れました。アメフトで鍛え、バブル崩壊にもギブアップをしなかった父が病になんか負けるはずがないと心から信じ、父の父と母が眠るお墓に毎日のようにお願いに行きました。

幸い、父も今では僕と弟に「 娘がよかったなあ 」と冗談を言うまでに回復しましたが、コラムも1回お休みさせてもらうなど、色々な方に迷惑をかけました。このことがあって、たくさんのことを考えました。

例えば、「 人生はお金ではない 」ということ、その一方で、「 お金がないと医療も受けられない 」とも感じました。

そんな父のこともあり、僕はこの3月末に、不動産業の免許を返納しました。不動産の免許を取得して10年で、丁度更新のタイミングでした。返納した理由は、この免許を取得した時の目的を、この10年で達成できたように感じたからです。

僕が輸入レコード店を閉めて、不動産の世界に入ったのは、不動産会社を経営する父親の手助けをしたいという気持ちからでした。不動産自体には、全く興味なんてありませんでした。

あれから10年、当初思っていたような形とは違いますが、父の手助けはたくさんできたのではないかと思っています。( もちろん父に教わったことや与えてもらったことの方が遥かに多いですが。)

僕の転身を知り、仕事をくれた友人たちには本当に感謝しています。実家がたくさんの旧借地権の土地を所有している大学サッカー部の友人がいました。彼にその土地の整理を依頼してもらったことで、僕は何年もの間、父と一緒に東京へ通うことになりました。

一軒一軒、住んでいる方を訪ね、仕事を進めながら、父の話し方、交渉の仕方、プロとしての知識、アイデア、お客様への気遣い等を学べたことは、僕の中で本当に大きな財産、そして思い出になりました。

自分の人生を静かに見つめ直し、10年間という一つの区切りを迎えようとしている中で、免許を返納するかどうか、最後まで悩みました。そして、「 次の新しい人生に挑戦するのに免許を持ったままではダメなんじゃないか 」と思いました。

ビル投資は続けていきます。それなら、免許を持っていたって邪魔にならないのでは? と言われるのですが、中途半端な状態が嫌でした。

不動産免許を持っていると、仲介業などで時折、高額な報酬を得ることができます。意志の弱い自分は、免許を持っていると、永遠にそこに甘えてしまうと思ったのです。

父のために取得した不動産免許を返納したことは、僕にとって、本当に大きな決断でした。春は別れの季節なので、丁度良かったのかもしれません。



■ 別れの春、出会いの春

別れと言えば、僕のメインバンクで4年半お世話になったI次長がご栄転となりました。僕が日本にいるタイミングで最後にお別れの挨拶をできたのはとても幸運でした。

お世話になった銀行の担当の方とのお別れはこれが初めてではありませんが、魂を込めておつきあいをさせていただいているつもりなので、いつも別れは涙が出るほど寂しくなります。

別れがあるからこそ、新しい出会いがある。また新しい担当の方と出会い、新しい関係を築いていくことにはなるのでしょうが、そんなに簡単に気持ちを切り替えられません。

先日、夜10時ごろに自宅へ帰ろうと外を歩いていると、暖かい春の風の匂いを一瞬感じました。この匂いを初めて感じたのは大学に合格し東京で一人暮らしを始めるにあたり、ベッドなどを積み込んだ軽トラックを父が運転して引越をしていた時でした。

夜の高速を父が運転しながら助手席の僕に色々と話をしてくれたのを覚えています。荷物を下ろし、群馬へ戻る父を見送りながら寂しさと、これから1人暮らしが始まる期待感みたいな何とも言えない気持ちになりました。

その瞬間に一瞬ですが、この風の匂いがしたのです。何才になっても春になる度にこの風の匂いが新しい人生の始まりを感じさせてくれるのです。
4月、みなさまの春が、素敵な何かのはじまりとなりますように。



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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 広田健太郎(ひろたけんたろう)さん

hirotasan

不動産投資家
マレーシア・ペナン島在住

ツイッター
https://twitter.com/kentarohirota

ブログ
walk on the blue ocean.

■ 経歴

□1975年
群馬県高崎市に生まれる

□1997年
早稲田大学スポーツ科学部卒業(サッカー部所属)

□1998年
シンガポールプロサッカーリーグDIVISION1でプレイ

□1999年
個人事業主として「サファリレコード」創業

□2005年
結婚
父親のすすめで1棟目のビルを購入

□2008年
レコード店を閉め、父親の不動産会社へ入るも2カ月で退社

□2009年
宅建免許取得

□2017年 マレーシア・ペナン島に移住

□2018年
宅建免許返納

■ 所有物件

□2005年
11月:商業ビル購入(4テナント)20%

□2011年
3月:商業ビル購入(3テナント、1住居)売却済

□2012年
7月:商業ビル購入(4テナント、1住居)26%
9月:商業ビル購入(3テナント)28%
9月:中古戸建購入(売却済)

□2013年
3月:商業ビル購入(売却済)
6月:区分マンション購入(売却済)
9月:自宅近くの中古戸建購入
10月:土地購入⇒コインパーキング(23台)
12月:中古戸建店舗購入(売却済)
12月:自宅隣の中古戸建購入

□2014年
3月:商業ビル購入(2テナント) 20%
7月:商業ビル購入(売却済)br /> 10月:商業ビル購入(2テナント)32%

□2015年
3月:中古戸建店舗購入(売却済)
3月:土地購入⇒コインパーキング(35台)
6月:土地購入⇒コインパーキング(5台)
10月:転売用土地購入(売却済)
11月:自宅近くの中古戸建購入

□2016年 4月:店舗購入
5月:牢屋ビル購入(売却済)
8月:店舗購入

□2017年
3月:全空ビル購入
8月:ロードサイド店舗購入
10月:駅近ビジネスホテル隣の店舗購入
10月:上記店舗向かいのビル購入

2018年現在の家賃年収約5,400万円

月に5〜10日、一日に数時間働く狩猟型の生活を満喫している

不動産投資を始めるきっかけや初期の苦労については大家列伝(前編・後編)を参照ください。

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