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欲しかった3,200万円の売りビルを見送った理由。リーマンショックから10年後に思うこと、決めたこと。

広田健太郎さん_画像 第61話

■ 10年前のある日、テレビのニュースで流れてきた映像

リーマンショックから10年が経過しました。当時の僕は世界中が好景気だろうと不景気だろうと全く関係がないほどの人生ドン底の状態でした。

リーマンショックを起こした原因の1つと考えられているサブプライムローン( 住宅ローンの1つ )が問題となった時、僕はテレビのニュースで流れていたその映像を見て我が目を疑いました。

僕がレコード屋時代に仲良くしていたレコードディーラーの1人、ウィルの自宅周辺が映し出されていたのです。ロサンゼルスから1時間ほどの静かな住宅街一帯に差し押さえの紙が貼られ、家の周りはテープでグルグル巻きにされていました。

現地レポーターが「 これらの家は数百万円でも買い手がいない状態だ 」ということを興奮気味に話していました。

あの辺りは新興住宅地で、まだ築5年も経過していない家ばかりです。ウィルの自宅に何度も入ったことがある僕からすると、1,000万もしないなんて冗談だろうと思いました。

僕がお金さえ持っていれば、あるいは銀行から借りられるだけの力があれば、あのストリート一帯を買い占められるのに…。

昔、ロバートキヨサキの本で読んだ「 何十年かに1度のチャンス 」が目の前にあるのに、当時の僕にはアメリカに渡るお金さえありませんでした。

儲かっていたレコード屋時代に、もしサブプライムローン問題が起こっていたら、レコードではなく家を買い付けられたかもしれません。無念という言葉をこの時ほど深く味わったことはありませんでした。



■ 売れないラッパーが1年ごとに新しい家に住める理由

サブプライムローンは、本来なら住宅が買えないような低所得者向けに、最初の数年は低金利でお金を貸し、後で高金利になっていくという住宅ローンの一種です。

住宅価格の上昇が続く限り担保価値も高まるため、貸し倒れにいたらなかったものが、住宅価格の上昇が止まったことで返済に行き詰まるケースが続出し、発生したのがサブプライムローン問題ということでした。

その時に僕は初めて、どうして無名のラッパーやDJ、レコードディーラーたちが、プール付きの新しい家に住めるのか納得がいきました。しかも行くたびに新しい家に引っ越しをしているのです。

どの家も本当に豪華で、リビングには当時は高価だった60インチの大型テレビに豪華なソファがありました。昼間から働きもせず、テレビゲームをしているような彼らがそこに住める理由を不思議に思っていたのです。

そこからしばらくして、このサブプライムローンの債券を大量に購入していたリーマンブラザーズが破綻し、世界同時株安を引き起こしました。



■ リーマンショックから10年後の2018年の僕の話

さて、10年後の2018年の日本。僕の話をします。8月に僕のエリア内で知人の社長がある店舗を手放すというので、買いたいと思いました。

この社長には以前、僕のビルを借りてもらっていたことがあり、その後で僕のビルを欲しいというので、物件を売却をしたことがあるほどの関係です。

今回、彼が売却するのはそのビルではないのですが、少し急な理由である店舗を売却しなければならないというのです。問題はその価格です。3,200万円で他に希望者がいるということでした。

僕はすぐに現金で購入しても良いかなと思いながら、頭の中でその店舗がいくらで貸せるのかを考えました。建物も内装もボロボロなのでリノベだけでもかなりかかります。現状で貸せたとしても15万円ほどです。

利回りは表面で6%弱。感情では買いたいのですが、その一瞬の感情を我慢できないために、自分の基準を下げたり、今まで築いてきた財産を失ったり、風向きを変えたりしたくはありません。

銀行残高が9桁になった僕が、今まで必死に積み重ねてきた努力を思いかえすと、この物件を買わずに我慢することの方が、今の自分に必要なことだと思いました。

あのサブプライムローンの映像をテレビで見ていた時の買いたいのに買えない無念、屈辱に比べれば、「 買えるのに買わない今の我慢 」など、たやすいはずです。



■ 3,200万円の物件を現金で買えても買わない理由

この数年の銀行融資のゆるさの影響で、市場には不動産投資家と不動産業者が増えました。僕は小さい頃から父の会社を見てきたことで、不動産業者は衣食住のうちの住を通して、地域に貢献できる存在でなければいけないと思っていました。

しかし、この数年に設立された業者の多くは、儲けるためだけに存在しているように見えます。今年4月に、僕は不動産免許を返納しましたがそこにはそんな思いも少しありました。僕もいつのまにか同類になっていたじゃないか、と恥ずかしくなったのです。

ここ最近、不動産投資業界へ新規参入した個人、法人の多くは10年前の相場を知りません。いま買えるから、融資が付くから、買っているのです。

僕は、3,200万円の店舗は現金で買えるけれど買いません。僕が買うなら2,000万円が上限です。この価格でその店舗を買おうとしている人は、今の相場しか知らない人なのだと思います。

銀行も、自分の業績のために融資をするのです。そのスタンスは、自宅を買えない低所得者層の人たちに融資をして、物件を買わせていたサブプライムローンとなんら変わりありません。

僕の頭には10年前のニュースの映像が、今でもはっきりと残っています。勝負をするのは今のタイミングではなく、この後なのです。


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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 広田健太郎(ひろたけんたろう)さん

hirotasan

不動産投資家
マレーシア・ペナン島在住

ツイッター
https://twitter.com/kentarohirota

ブログ
walk on the blue ocean.

■ 経歴

□1975年
群馬県高崎市に生まれる

□1997年
早稲田大学スポーツ科学部卒業(サッカー部所属)

□1998年
シンガポールプロサッカーリーグDIVISION1でプレイ

□1999年
個人事業主として「サファリレコード」創業

□2005年
結婚
父親のすすめで1棟目のビルを購入

□2008年
レコード店を閉め、父親の不動産会社へ入るも2カ月で退社

□2009年
宅建免許取得

□2017年 マレーシア・ペナン島に移住

□2018年
宅建免許返納

■ 所有物件

□2005年
11月:商業ビル購入(4テナント)20%

□2011年
3月:商業ビル購入(3テナント、1住居)売却済

□2012年
7月:商業ビル購入(4テナント、1住居)26%
9月:商業ビル購入(3テナント)28%
9月:中古戸建購入(売却済)

□2013年
3月:商業ビル購入(売却済)
6月:区分マンション購入(売却済)
9月:自宅近くの中古戸建購入
10月:土地購入⇒コインパーキング(23台)
12月:中古戸建店舗購入(売却済)
12月:自宅隣の中古戸建購入

□2014年
3月:商業ビル購入(2テナント) 20%
7月:商業ビル購入(売却済)br /> 10月:商業ビル購入(2テナント)32%

□2015年
3月:中古戸建店舗購入(売却済)
3月:土地購入⇒コインパーキング(35台)
6月:土地購入⇒コインパーキング(5台)
10月:転売用土地購入(売却済)
11月:自宅近くの中古戸建購入

□2016年 4月:店舗購入
5月:牢屋ビル購入(売却済)
8月:店舗購入

□2017年
3月:全空ビル購入
8月:ロードサイド店舗購入
10月:駅近ビジネスホテル隣の店舗購入
10月:上記店舗向かいのビル購入

2018年現在の家賃年収約5,400万円

月に5〜10日、一日に数時間働く狩猟型の生活を満喫している

不動産投資を始めるきっかけや初期の苦労については大家列伝(前編・後編)を参照ください。

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