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お金が生まれる仕組みを作らない限り、エンドレスで働くことになる。ゲレンデに乗っていたのにホテルの清掃員になった社長の話。

広田健太郎さん_画像 広田健太郎さん 第85話

2019/9/25 掲載

「 そろそろペナンに戻る頃かな 」なんて、たまにペナン島を思い出してしまいます。ペナンを離れてからまだ1ヶ月しか経っていないのに、懐かしくて恋しくて仕方ないのです。

戻ろうにも向こうにはもう家がないなんてことが信じられませんし、あるいはそもそも2年半もの間ペナンに家を借りていたのも信じられません。全てが夢だったのかとも思います。

■「 馬車馬のように働き、王様のように遊ぶ 」人生を追い求める。

日本に完全に戻ってきた僕は、今までの2年半の休暇を取り戻すかのように、毎日動いています。2年半の間に少しルーズになっていた自社物件の管理をもう一度整理して、今期も過去最高の決算と納税を終えた会社を、来期は更に超えるべく、もう一度、月次決算に取り組もうと決意しました。

今の市場を調査・研究し、これからの戦略を練り、新規物件を取得し、新しい不動産会社、金融機関との関係を築いていく。そして自宅も周りから外が一切見えなくて、でも風も太陽もよく入るシンプルで大きな家を建てると決めました。

起業20年目の今年は今までの延長線上ではなく、もう一度新しい人生を作るつもりで動き出しています。今までは色々とありながらも最後はうまくいきましたが、これからもうまくいくとは限りません。

時代も不動産市場も、いつも常に変化しています。だから僕も、過去にとらわれずに常に変化を続けます。僕はまだまだ何も成し遂げていないチャレンジャーです。これからの人生も、必ず最後はうまくいくようにしてみせます。

10年前に、「 フリークスストア 」などを運営するデイトナ・インターナショナルの鹿島研社長に言われた言葉が忘れられません。「 馬車馬のように働き、王様のように遊ぶ 」。そんな人生を追い求めていくつもりです。



■ ゲレンデに乗っていた社長がホテルの清掃員に。

先日、地元の友達からショッキングなニュースを聞きました。僕がレコード店をしていた時代に近くで洋服屋さんをしていた社長さんがいたのですが、その社長が全ての店舗を閉めたというのです。

10年くらい前にはベンツのゲレンデに乗り、財布の中にはいつも100万円くらい入れていたという噂でした。友達が続けました。「 今は何をしていると思う? 驚くなよ。ホテルの清掃員をしているらしいんだよ 」。

僕もレコード店をしていたからよくわかるのですが、小売業って毎日たくさんのお金が入ってくるのです。でもエンドレスに働き続けなければなりません。そしてそんなことは不可能です。

時代やブームの変化、自身や家族の健康、会社の問題など、何かしらのトラブルは必ず起こります。そして、その流れが止まった時には一瞬にしてお金はなくなります。

だから儲かっている時に高級車などにお金を使わず、不動産、株、為替など、何でも良いから投資に回して、働かなくてもお金が生まれる仕組みを作っておかなければ一生お金に苦労することになるのです。

逆に言うと、お金が生まれる仕組みができていれば、楽しみながら自分の好きな商売を、今もできていたのではないかと思います。困っていたなら、僕に聞いてくれていればと無念です。

同じ時代に近くの場所で同じようなリスクを背負い、同じように人生をかけて商売をしていた人の現在を知り、とても複雑な気持ちになりました。

誰にもできないすごい経験をしてきた方なのだから、今は苦しくてもギブアップをせずに、もう一度自分を見つめ直して、再起してほしいと思います。



■ ホテルの窓から六本木ヒルズを見ながら思い出したこと。

最後に、目標を設定し、宣言することについてお話しします。

2011年6月の話です。あるセミナーに参加しました。参加者全員が、1人1分ほどの自己紹介、そして目標を全員の前でスピーチすることになりました。20人ほどの会場に、僕のことを知っている人は誰もいません。

タイミングで言うと、僕が2棟目のビルを買った直後くらいの時でした。賃料収入もわずかで、まだまだ自分がビル投資でやっていくという覚悟が決まっていなかった頃の話です。

僕の番が来ました。「 森ビルのようにビルをたくさん持って、ビル王になる 」と目標を宣言した時に、周りの参加者の中のどこからか「 プッ 」という失笑が聞こえました。

僕自身は本気でこれからの野望に近い目標を宣言したつもりだったのですが、他の参加者がすごく現実的なスケールの小さい目標を言う中で、周りからしてみればこいつは何だと思ったのでしょう。

悔しかったです。もう時間がかなり経過しているにもかかわらず、いまだにこんな一瞬を覚えているくらいですから、失笑してくれた人には感謝の気持ちしかありません。

あそこで笑われなかったら、「 森ビル 」というキーワードは僕の心に打ち込まれなかったと思います。目標を設定し、宣言したことで、まわりから笑われたから、それがエネルギーになったのです。

僕が目標設定をしなかったり、目標設定をしても恥ずかしがって宣言していなかったら、この長く続くエネルギーは得られなかったはずです。

なぜあの時に「 森ビル 」なんて言葉を出したのかというと、僕は当時、森ビル創業者の森稔氏が書いた「 ヒルズ 挑戦する都市 」という本を読んで、その内容に非常に感銘を受けていたのです。



本には森ビルの1棟目か2棟目の古い写真が載っていて、それを見た時、「 なんだこの小さなビルは。僕の持っているビルと変わらないじゃないか 」と本気で衝撃を受けました。

僕だけでなく、日本全国にこのくらいの小さなビルを持っている人ならたくさんいるでしょう。では、僕たちと森ビルとは、何が違うのでしょうか?

その答えを考えた結果、スタートは同じような物でも、「 頭と心の中 」が違うだけで、大きな差が出るのだと僕は感じました。そして僕は、きっと森ビルのようになると決意したのです。

もちろん、森ビルそのものではなく、自分に合うように修正が必要です。まず、僕は組織を持ちたくない。そして大きな組織の人たちのルールや考え方もよくわからないし、そこに合わせるつもりもない。

だから僕は、自分一人で対応できる雑居ビルに焦点を絞り、自営業者や小さな会社さんとだけ付き合うことを決めました。そしてその後、2013年7月に3棟目のビルを購入して、11月に4棟目へと突き進んでいくわけです。

昨夜、ANAインターコンチネンタルのスイートルームに宿泊したら、偶然にも六本木ヒルズなどいくつかの森ビルが建ち並ぶ窓からの景色を見て、そんなことを思い出しました。



■ 追記。

コラムを書いた後で、「 ヒルズ 挑戦する都市 」を改めて手にとって感じたことがあるので追記します。

当時、理解しているつもりで全くわかっていなかった、あるいは僕があれから長い間、貸しビル業を行ってきたから理解できるようになった教訓の数々に息を飲みました。

・知的創造には大空間がよい
・異質なものを高次元で調和させる
・大きく開発すれば緑は増える
・経済の上に文化を置く
・森ビルの原点は共同建築
・ナンバービル軌道に乗る
・事業エネルギーは志の高さに比例する
・時代と共に都市の理想型は変わる
・貸しビル業界の異端児
・ルコルビュジエに惹かれて
・共同建築から再開発へ
・同じものは造らない・・・etc,etc

先日、森ビルを見ながら数の目標を設定した自分を恥じました。何もわかっていなかったなと。「 数で差をつけるのではなく質で違いを作ろう 」と改めて思いました。

何よりも、僕がこの本を読んだ当時、ノートにメモをしてあった本のエピローグに書いてあった言葉、「 龍になれ、雲おのずから集まる 」に再度、電流に打たれるような衝撃を受けました。



アークヒルズの再開発に取り組んでいたころ、森さんはこの言葉を知ったと書いてありました。今回、アークヒルズの目の前のホテルに宿泊したことで、この言葉と再会できた自分の幸運に感謝します。

プロフィール

■ 広田健太郎さん

広田健太郎さん

不動産投資家
マレーシア・ペナン島在住

ツイッター:@kentarohirota
ブログ:walk on the blue ocean.


■ 経歴

□1975年
群馬県高崎市に生まれる

□1997年
早稲田大学スポーツ科学部卒業(サッカー部所属)

□1998年
シンガポールプロサッカーリーグDIVISION1でプレイ

□1999年
個人事業主として「サファリレコード」創業

□2005年
結婚
父親のすすめで1棟目のビルを購入

□2008年
レコード店を閉め、父親の不動産会社へ入るも2カ月で退社

□2009年
宅建免許取得

□2017年
マレーシア・ペナン島に移住

□2018年
宅建免許返納


■ 所有物件

□2005年
11月:1棟目ビル購入(4テナント)20%

□2011年
3月:2棟目ビル購入3テナント、1住居(売却)⇒2019年10月再購入

□2012年
7月: 3棟目ビル購入(4テナント、1住居)26%
9月: 4棟目ビル購入(3テナント)28%
9月:中古戸建購入(売却済)

□2013年
3月: 5棟目ビル購入(売却済)
6月:区分マンション購入(売却済)
9月:自宅近くの中古戸建購入(売却済)
10月:土地購入⇒コインパーキング23台(売却済)
12月:中古戸建店舗購入(売却)⇒2019年10月再購入
12月:自宅隣の中古戸建購入 

□2014年
3月: 6棟目ビル購入(2テナント) 20%
7月: 7棟目ビル購入(売却済)
10月: 8棟目ビル購入(2テナント)32%

□2015年
3月:中古戸建店舗購入(売却済)
3月:土地購入⇒コインパーキング(35台)
6月:土地購入⇒コインパーキング(5台)
10月:転売用土地購入(売却済)
11月:自宅近くの中古戸建購入(売却済)

□2016年
3月:店舗購入
5月: 9棟目ビル購入(売却済)
8月:ロードサイド借地権付き店舗購入

□2017年
3月:10棟目ビル購入(4テナント)
8月:ロードサイド店舗購入(売却済)
10月:駅近ビジネスホテル隣の店舗購入(4テナント)
11月: 11棟目ビル購入(2テナント)

□2018年
8月:店舗購入(現金)
12月:ロードサイド店舗購入:1350万円(現金)

□2019年
2月:借地権付き店舗購入:70万円(現金)
3月:借地権付き店舗購入:200万円(現金)
4月:ロードサイド店舗購入(現金→購入後融資)
4月:上記隣地の店舗購入(現金→購入後融資)
6月:ラーメン店跡店舗購入:1600万円(現金)
6月:駐車場購入9台:1150万円(現金)
10月:中古戸建店舗再購入(現金)
10月:2棟目ビル再購入(融資)
11月:12棟目ビル購入2テナント(現金)
12月:駐車場購入3台 (現金)

□2020年
2月:13棟目ビル購入(3テナント、1住居)(融資)

□2021年
1月:2019年3月購入の借地権付き店舗の借地購入 180万円(現金)

2021年現在
家賃年収約6,900万円

月に5〜10日、一日に数時間働く狩猟型の生活を満喫している

不動産投資を始めるきっかけや初期の苦労については、大家列伝(前編・後編)を参照ください。

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