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銀行に「ウソの書類」を提出して融資を受けたらどうなる?

泉義孝さん_画像 第17話

今回は、「 銀行などの金融機関から融資を受けるにあたってウソの書類を提出した場合にどうなるのか、どのような罪に問われるのか 」について、お話ししたいと思います。

賃貸不動産経営にあたっては、銀行などの金融機関、不動産会社、借主などとの間で、契約書などの書類の取り交わしや、書類の提出をすることが少なくありませんね。

そして、当然ながら、相手方に提出する書類は正しいものでなければなりません。では、もしも虚偽の内容を記載した書類や偽造した書類を提出した場合にはどうなるのでしょうか?



1、金融機関から融資を受けるにあたって

不動産経営においては、物件の購入にあたって銀行などの金融機関から融資を受けることが少なくありません。金融機関への融資の申し込みに際しては、年収や現在の借入件数( 総額 )などを申告して融資審査が行われます。

では、審査に通るように、年収や現在の借入件数などについて虚偽の申告をしたらどうなるのでしょうか。また、偽造した証明書類を提出した場合はどうでしょうか。

( 1 )年収

まず、年収がいくらかという点は、融資審査において極めて重要な点です。年収が多いほど融資が受けやすくなりますから、実際の年収より多く申告しようという人も中にはいるでしょう。

しかし、金融機関への融資の申し込みにあたっては、年収の申告だけでなく、通常は収入証明書の提出も一緒に求められます。収入証明書とは、たとえば、源泉徴収票、給与明細、賞与明細、課税証明書、確定申告書といった書類です。

虚偽の年収を申告した場合、収入証明書との間に齟齬が生じてしまいますから、すぐにウソがばれてしまいます。ウソがばれれば、当然審査は通りませんから、虚偽の年収を申告することは全く意味がありません。

では、虚偽の年収に合わせて収入証明書を偽造した場合はどうでしょうか。そもそも収入証明書のような書類は簡単に偽造できるものではありませんが、世の中には客の依頼により収入証明書を偽造する業者というものも存在します。

そのような業者が偽造した収入証明書を提出した場合、巧妙であれば金融機関の審査担当者が見抜けず、審査が通ることもあるかもしれません( もちろん、審査は収入だけをみて行われるわけではありませんので、偽造がばれなくても審査に落ちることはあります。)

しかし、そのようにして仮に審査に通ったとしても、審査後に偽造したことが判明すれば,金融機関から一括返済を求められることになるでしょう。また、後で詳しくご説明するように、刑事上の罪に問われる可能性があります。

( 2 )現在の借入件数

現在の借入件数も、融資審査に大きく影響します。一般的には、借入件数が少ないほど審査に通りやすくなりますから、実際よりも少なく申告しようという人もいるかもしれません。

しかし、多くの金融機関では信用情報機関への問い合わせを行うため、審査申込者の他社での借入状況を把握することができます。したがって、虚偽の申告をしてもほとんどの場合、ばれてしまうでしょう。



2、どのような罪に問われる?

では、上でお話ししたように、「 金融機関から融資を受けるにあたって収入証明書を偽造 」してしまった場合、どのような刑事上の罪に問われる可能性があるのでしょうか。結論から言うと、このような場合、「 詐欺罪 」や「 私文書偽造罪 」といった罪に問われる可能性があります。

( 1 )詐欺罪

収入証明書を偽造して金融機関から融資を受けた場合、「 人を欺いて財物を交付させた 」として詐欺罪( 刑法246条 )に問われる可能性があります。

( 2 )私文書偽造罪

収入証明書のうち、「 源泉徴収票 」、「 給与明細 」、「 賞与明細 」などを偽造した場合は、私文書偽造罪( 刑法159条 )に、役所が発行する「 課税証明書 」などを偽造した場合は、公文書偽造罪に問われる可能性があります。

また、私文書偽造罪、公文書偽造罪は、文書を偽造したこと自体に対する罪で、偽造した( 偽造された )文書を行使したことについては、別に「 偽造私文書等行使罪 」( 刑法161条 )、「 偽造公文書行使等罪 」( 刑法158 )に問われる可能性があります。



3、おわりに

今回は、銀行などの金融機関から融資を受けるにあたって、ウソの書類を提出した場合にどうなるのか、についてお話しさせていただきました。

もちろん、私のコラムを読んでくださっている皆様は、そもそもそのようなことはされないと思いますが、最近、書類を偽造して融資を受けたことに関する刑事事件のニュースが増えていると耳にしましたので、今回コラムのテーマとさせていただいた次第です。

ウソは一回つくと、そのウソを隠すために、ウソを重ねることになります。バレたらどうしようという不安もつきまといます。罪に問われれば、本業にも支障が出るでしょう。目先のお金のために、それ以上に大切なものを失わないようにしましょう。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 泉義孝(いずみよしたか)さん

泉義孝さん

弁護士・不動産投資家
「泉総合法律事務所」代表
「不動産トラブル何でも法律相談所」所長

■ 経歴

京都大学法学部卒業。
社会人生活を経て司法試験に合格し、2000年に弁護士登録。

都内にて勤務弁護士を2年間務めたのち、共同事務所を設立して独立。
その後、個人事務所を開設し、弁護士法人泉総合法律事務所を設立する。

知的財産権、渉外関係を除く民事全般、刑事事件全般に取り組んでおり、不動産関連の案件の実績も豊富。

信条は「多角的視点に立って、最後まで粘り強く戦い抜くこと」。
趣味は海外旅行で、特に好きなのはイタリア。

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