皆様コンニチハ!赤鬼荘の人でお馴染みの( ? )貧乏零細子だくさん大家兼、不動産屋しゃちょーのよしゆきです!
家の近所の物件を購入後、融資をお願いした公庫ちゃんから建物に「 未登記部分 」があることを指摘されたため、急いで土地家屋調査士の先生を探して登記を依頼。
あれ、だけど、未登記部分の登記をしたら…
登記上は居宅なのに、「倉庫」使用しているのが法務局にバレちゃったりしない?
登記簿の「種類」が居宅から倉庫になっちゃったりしない?
それが都税事務所にバレちゃったりしない?
それで土地の固定資産税が上がっちゃったりしたら?
地主のヤス子さんにメチャ怒られるんじゃないの?
とビビりまくったというのが前回まで。今回はその続きを紹介します。
参照:法務局が来ると税金が上がる!?そうだ!登記簿を見てみよう!二日酔い土地家屋調査士登場!
■ 未登記部分の登記準備は順調に進む
まず今回の物件ですが、最初に木造二階建ての居宅が昭和30年代に登記されており、その後に工場としての機能を持たせるために60㎡程度の平屋が増築されたであろうという事がわかりました( 全て登記簿を元にした想像ですが )
この未登記部分である平屋を登記するために、前段としまして土地家屋調査士の寛平先生が屋内を詳細に調査。
寛平先生のイメージ画像
半年後には退去も決まっていたため、この段階では荷物はほとんど二階建ての日本家屋の方にあり、増築された平屋はほぼ空っぽ状態でした。
しかし、流石にプロの寛平先生。空間が広がる平屋部分はもちろん、荷物や棚が残っている家屋部分もしっかりと採寸し、スラスラと図面を描き上げていきます。同時にデジカメであらゆる角度から写真を撮影していました。
この分だと登記に関しては順調に進みそうです。しかし、他に心配ゴトがあった私は繰り返し同じことを確認しました。
「 ・・・。先生、しつこいようですが、法務局の方で増築登記をする際に居宅から倉庫に種類が変更になりますかね? 仮になったとしても、都税にそのことは行かないですよね?? 」(; ・`д・´)ダイジョウブヨネ?
「 大丈夫ですって。大丈夫。そんなん聞いた事ないから! 」(-_-;)シツケーヨ
寛平先生は自分の仕事に没頭したいご様子で、しつこいな~という表情を隠そうともせず答えました。私は「 プロ 」から二度も言質をとれた事で安心をし、現地調査が終わるまで、静かに先生の仕事を見守りました。
そして先生が法務局への届け出を終えた後、後日改めて、私と法務局、そして寛平先生の三者で現地立ち合い調査を行う事となりました。
■ 法務局登場!まさかの一言に衝撃を受ける
法務局の現地調査当日。この日はさすがに寛平先生も時間より前に現地に来てくれました( 笑 )。もちろん酒臭い事もなく、( それが普通 )士業の先生然として法務局側を待ち構えます。
私はといえば特に出来る事はありませんので、寛平先生に丸投げの「 お飾り 」のつもりで現場に佇んでおりました。しかし、本日最大のミッションを忘れはしませんでした。
私の、本日最大のミッションとは-
「 未登記部分の登記だけ 」を法務局様にしていただく!
これが出来れば大成功です。
反対に恐れているのが、現状の登記簿上の種類である「 居宅 」が「 倉庫 」に変更となってしまうこと。しかし、それに関しては前回の現調で「 まぁ、大丈夫でしょう 」と、プロである寛平先生より太鼓判をもらっています。
「 現況は倉庫っぽくは見えるけど、イザとなれば先生が上手く立ち回ってくれるだろう 」(*´▽`*)
そう私はタカをくくり、高みの見物のつもりでいたのです。
そうこうしているウチに立ち合い調査の定刻。法務局内にいらっしゃるようなスーツ上下の方が来るのかと思っておりましたが、実際に来られた方は作業着を着て首からは何か資格証のような物を下げていました。
私は少しでもコチラの印象を悪くすまいと( 笑 )、つとめて明るく建物内の配置( キッチンやトイレなど )の説明と、物件が私の元へ来るまでの大まかな経緯をお伝えしました。
また、あくまでも備考として
①元々は住宅として建築された建物であるが
②私の所有物となる前は(たまたま)倉庫として利用された時期があるらしいが
③現在ではこのように少し(では無いのだけどw)荷物が残っているものの
④半年後には荷物を入れている法人との契約は解約され
⑤その後はまた完全な住宅として運用される
という「 事実 」を順番に、サラっとしながらも、かなり力を込めてご説明しました。
法務局の担当の方は私の話を「 うんうん 」と聞きながら、全ての区画をあらゆる角度からデジカメに収めて行きます。また、それに追従する形で寛平先生が「 平屋部分が未登記と思われる 」ことなど、実務的な説明をしてくれておりました。
200㎡には満たないほどの床面積の建物ではありますが、細かく色々な角度の写真を収めて周る為に、調査には1時間ほどの時間を要しました。私にはその時間がとてもとても長~く感じました・・・(;´Д`)
「 以上でだいたい終わりですね。お疲れ様でした 」
ひとしきり建物内を調査し終えた職員さんが建物入り口に戻ってきました。書類に目を落とし、何かをスラスラと書きながら私に対して労いを掛けて下さいます。
「 いや、こちらこそ、ご足労頂き恐縮です 」(;’∀’)
私はドキドキしながら、またまた努めて明るく返答をします( 笑 )
その後また数瞬、書類に目を落として何かを書いていた職員さんが不意にその手を止め、顔を上げつつ私の方へ向き直り、しっかりとした口調でこう言いました。
「 これは、倉庫ですね 」(`・ω・´)キリッ
「 えっ!? 」(;’∀’)
「 登記簿を見るに過去は居宅として利用されていたようですが、現況としては倉庫として利用されているのが分かりましたので、登記上は『 倉庫 』に変更となります 」
■「 寛平先生VS法務局 」戦いの行方は!?
眉一つ動かさず、「 ここは倉庫 」と言い切る法務局の職員さん。私は自分の血の気が引いて行くのを感じながらも、ココぞ!という時の用心棒であるサムライ( 士業ね )の寛平先生を振り返りました。
そう、寛平先生ならば何か言ってくれるハズ! そのための用心棒なんだから( その為の用心棒ではない )
先生! 今こそです! 今ですぞ!!!(; ・`д・´)
期待に満ち溢れた私の視線を感じた寛平先生は・・・
寛平先生は・・・
・・・無。
寛平、まさかの無。
ななな、何も言わんのかぁぁぁぁぁ~~~い!
「 せっ、先生!?(ドシタドシタドシタ?)(;´Д`) 」
と、絞り出した私の言葉を遮るように、寛平先生は私へ言い聞かせるように言い放ちました。
「 現況このような状況でしたら倉庫になりますよね。渡辺さん、そういう事ですので 」(-_-)
えぇ!?
逆に俺を説得!?(;´Д`)
せんせ・・・
「 では、前所有者様への所有権移転日を基準として倉庫へ変更登記しますので 」( ゚Д゚)
「 ああ、はい。それで構わないと思います 」(-_-)
狼狽する私を置き去りに、寛平先生と職員さんとで会話が進んでいきます。
「 これで現調は終了となりますので 」( ゚Д゚)
そう言い残し、法務局の職員さんは物件を後にしました。私は何が起こったのか分からず、その後姿を呆然と見送っておりましたが、我に返り寛平先生を探すとソソクサと帰り支度をしております( 怒 )
「 かっ寛平先生、ワタシあれだけ確認しましたよね!? 職員さんは倉庫に変更登記するって言っていましたけど!どうするんですか!? 」(; ・`д・´)
完全に後の祭りですが、最初から「 倉庫に変更登記が必要になる 」事が分かっていれば、今日までに準備が出来た事が他にあったかも知れません。
「 えっ、ああ、そうですね~。仕方ないよね~。だって倉庫だもん 」(-_-)
「 はっ?・・・お、おまっ 」( #゚Д゚)
雇った用心棒に振り向きざまに袈裟切りを決められたような状況ですが、そう言われてしまえば私には返す言葉もありません・・・。
■ 問題は都税事務所にその情報が伝わるかどうか
いったん冷静になって考えてみましょう。居宅から倉庫に変更登記されること自体は、特に問題はないのです。肝心なのは、都税事務所にその情報が伝わるか否かです。
「 くっ・・・そ、それはもう仕方ないとしても、変更登記の内容が都税事務所に行くということは、ないですよね? 」(-_-;)
アッサリ裏切った用心棒に袈裟に切られながら、それでもすがり付く自分が嫌になります( 汗 )。しかしこれは、これだけは本当に譲れない点なのです。
この建物が建つのは借地。都税事務所が動いてしまえば、それは確実にヤス子さん( 地主 )に迷惑がかかる事になるのです。
これまで再三再四繰り返し確認をした事を更に今一度確認すると、やれやれという顔で寛平先生が答えました。
「 私はもう数十年この仕事していますけどね、そんな事は聞いたことがないですよ。では変更登記が終わったら登記簿をお持ちしますからね 」(-_-)
・・・コイツホント、大丈夫なのかよ!?(;´Д`)
自ら乗り込んだ船が「 カチカチ山 」以上の泥船であった事に今さら気づいた私でしたが、もう最後まで泥船を信じるしかありません!
さて、私は無事に向こう岸( この場合、建物の現在の倉庫利用が都税事務所にバレないという意 )へたどり着く事が出来るのでしょうか?
もう顛末は想像がついていると思いますが、以下次号( 笑 )
【 よしゆき 今回の格言 】
士業の先生とは言っても、間違いや勘違いや思い違いはたくさんあるよ。だって、人間だもの