札幌のやや外れに2年も空き家だった100万円の築古戸建てを買った古家かしこ( クレイジーマインドからは程遠い、保守的なタイプのワーママ )です。
388万円というリフォームの見積もりを、①1階だけしっかり直して、2階は最低限にする、②プロじゃなくてもできるけれど人手が必要でお金がかかる部分を買主側でやる、という方法で220万円に抑えた話は、前回書いたとおりです。
今回は、リフォームの様子やその後の客付け、ボロ戸建物件の融資と出口戦略、そして地方のボロ物件投資について感じることなどを紹介します。
■ 壁を取り払ったら広くて明るいLDKが誕生!
まずは、ビフォー画像から。この家は間取りが細切れ状態の7DKでした。
間取りビフォー
それを6LDKに変更します。
間取りアフター
一番大きな工事は、台所と居間の間の壁を抜いて、広いLDKを作ることです。一点豪華主義的にステキな空間に仕上げることで、内覧に来た方が、「 ココに決めた! 」と思ってもらえたら作戦成功です。工事は順調に進みました。
壁撤去前
壁撤去中
太い梁を入れて、抜ける柱を切る
壁が完全になくなる
完成
リビングの奥の壁には、アクセントクロスを使用。構造上、柱が残りましたが、違和感のないよう、職人さんが白い壁紙をぐるりと貼ってくれました。昭和の香りは消え、モダンな空間に生まれ変わっています。
その他のビフォー・アフターもご覧ください。
台所ビフォー
台所アフター
台所から居間ビフォー
台所から居間アフター
洗面所ビフォー
洗面所アフター
居間横和室ビフォー
居間横和室アフター
2階は最低限のリフォーム。①各部屋にあった流し台を撤去( プロ )、②穴の開いたドアを塞ぐ( 石井さんDIY )、③雨漏りの跡があった部分の壁紙を交換( プロ )、④畳の上にアイボリーのカーペットを敷く ( 石井さんDIY )程度です。
それで入居者は決まるのでしょうか? 少し不安ですが、やってみるしかありません。
■ 6.5万円で募集開始。果たして申し込みは入るのか!?
4月下旬にリフォームが終わり、入居募集をスタート。家賃6.5万円、駐車場5千円、礼金敷金各1カ月という条件です。貸家自体が少ないこともあってか、問い合わせはバンバン入り、最初の土日で3組の内覧がありました。
ところが、申し込みには至らず、そのまま夏を迎えました。理由は明白。駐車場です。6LDKという大家族向けの間取りなのに、「 小型車1台 」限定で、近隣にも空き駐車場を見つけられませんでした。
駅から徒歩13分でバス停も近かったのでイケるかも、と思ったのですが、「 大型車を置けない 」「 1台しか置けない 」と知ると、全員が撤退していきました。
それでも、家賃は下げませんでした。問題は家賃ではなく、「 駐車場 」です。小型車1台でいいという人か、車のない人がそのうちくるだろうと待つことにしました。
「 お申込みいただきました! 」という朗報を受けたのは、9月。入居希望者は車を持たない20代男性とその友人。近所のスーパーにお勤めです。「 子供が元気に育つ家 」のコンセプトからはずれましたが、保証会社も通り、入居決定。
「 アパートとそう変わらない家賃で戸建てに住めるなら、騒音などを気にしなくていい戸建ての方がいい 」と、決めてくれたそうです。2階を直してほしいというリクエストなどは入りませんでした。あの家で、楽しい思い出をたくさん作ってほしいです。
■「 資産価値があるボロ戸建 」と、「 資産価値のないボロ戸建 」
話は変わって、融資についてです。色々な考えがあると思いますが、私はリバレッジかける派( 借金する派 )です。資金の少ない私が毎年、物件を買えたのは、融資を活用してきたからです。
今回も物件価格とリフォーム価格の両方を現金で支払った後で、商工会議所の「 マル経融資 」を使い、日本政策金融公庫から融資を受けました。
ココだけの話、マル経融資が使いたくて商工会議所に入りました
ボロ戸建にも、「 資産価値があるボロ戸建 」と、「 資産価値のないボロ戸建 」があります。その点、私は資産価値のある( 土地の固定資産税評価額が高くて融資を引きやすい )ボロ戸建を好んできました。
地方のボロ物件投資は、「 出口がないのが弱点 」と言われますが、土地値の出るボロ物件なら、築年数に関係なく、自分も次の人も融資を引いて購入できます。
実際、これまでに複数回、ボロ物件を売却し、キャピタルゲインを得ました。このタイプのボロ戸建は利回りに限界がありますが、そこは出口の安心感とトレードオフなので納得しています。
では、資産価値のないボロ物件投資はやらないのかというと、そんなことはありません。むしろ、最近は興味津々です。というのも、札幌市の近くでも、100万円を切るような値段の物件が急速に増えているのです。
これまで、そういう物件は山のてっぺんにあってリフォームに高いコストがかかるのに賃料は低い、というイメージでした。しかし、最近はそこそこの立地で少しのリフォームで貸せて、まあまあの家賃がいただけるような物件も見つかります。
昔、都会の家は高く、地方の家は安かった。しかし、最近は都会の端っこの戸建てや築古の区分マンションが値下がりしているため、まだ使える地方の家を手放して、そちらに移動する人が増えているのです。
その中には、観光資源が豊富で、熱海のように将来、盛り返すかも? というエリアもあります。今月、そういう町のそういう戸建てを一つ買うことにしました。失敗しても仕方ないと思える金額です。
自分の中では資産評価の出る物件への不動産投資とはまったく別物で、「 期限付きのキャッシュフローマシン 」を試しに持ってみようか、という感じです。
私が札幌に引っ越して来てからの6年だけでも、人は地方から都会へ移動し、金融機関の姿勢は変わり、不動産投資のトレンドにも変化がありました。もちろん、物件価格も動いています。
そして、動きがある場所には歪みとチャンスが生まれます。ライバルの少ない場所でその歪みを探し、小さな利益をコツコツと得ていくのが私のような小資本で機動力の低い人間にできることかなと思っています。
これまで、自分の予算ととれるリスクの中で様々な物件を買い、自分にあったやり方を選んできました。小さな失敗はありましたが、仲間も資産も何倍にも増えました。不動産投資を初めて本当によかったです。
ひよこ大家さんたちの間では、現金買い⇒DIYという手法が人気とききますが、虫の目ではなく、鳥の目で色々な投資法を知って、その中から”目的に合った”手法を選ぶのがいいように思います。
私自身は今後、法人ではエリアを絞って資産価値の高い戸建てや一棟アパートを増やしながら、個人では地方の超高利回り物件を買っていこうかな~と思っています。やってみて楽しいのがいいですね。
そして、お世話になりっぱなしの石井豊さんを始め、情報や元気をくれる大家仲間に何らかの形で恩返ししていければと思っています。いや~、不動産投資って、いいものですね。それでは、またいつか(^^)