■ スルガ銀行ショックの影響
このところ、スルガ銀行の今後の動向を興味深く観察しているのですが、第三者委員会の報告次第では、足利銀行のように国有化もあり得るかなと思い、そういった形でマーケットにも参戦しております。
どこまで傷んでいるか( もしくは訴訟リスクがあるか )わからない3兆円もの融資債権を吸収合併という形で引き受ける金融機関があるとも思えませんし、自力での再建も新規融資がほとんどできていない今のスルガ銀行にあるとも思えないからです。
いずれにしても不動産マーケットに多大な影響を与え続けてきた同行の行く末をしっかり見届けたいと思います。
その他としては、都内新築組に多大な影響がある建築会社さんの倒産や信用リスクの増加が表面化してきたように思います。スルガ関連のシェアハウス業者の倒産で被害を被った下請け、孫請けの倒産など、2次的な被害に起因するものです。
工事の途中で建築会社や工務店が倒産というケースは、決して珍しい話ではありません。そうなれば、オーナーの収支計画が大きく狂うことは必至です。
建築坪単価が安いだけで飛びつくのではなく、施工会社の実績や、知り合いの大家さんの生の声なども積極的に確認するように心がけてください。

■ 初の地方中古物件に買い付けを入れる
不動産に関しては、今回初めて地方の物件にチャレンジすべく、買付を入れています。北関東の物件で築20年ちょっとのRCと鉄骨の一括決済となり、それぞれの想定利回りは15%と20%。ポートフォリオの一部としてキャッシュフローに重きを置いた実験的な取り組みです。
実際、キャピタルゲインが取りやすい分、キャッシュフローに厚みのない都内新築と、高利回りでキャッシュフローが豊富な地方再生物件は相互に補完性があり、今後はもう少し地方再生も増やしていく予定です。この辺りは今後の進展をまた共有できたらなと思っています。
また、都内新築に関しては、引き続き土地を物色中です。こちらも地方物件同様、新しい取り組みとして今度はメジャーな駅の駅近でオール事務所( もしくは飲食 )のビルを検討しています。これまではレジメインでしたので、楽しみです。
■ サラリーマンのまま世界一周旅行をしている大家さん
さて、最近、知り合いの大家さんの行動に触発されたことがあります。その大家さんは約2か月をかけて、世界一周をはじめました。そのはじめの国がシンガポールだったため、一緒にご飯を食べ、ちょっとした観光案内をさせてもらいました。
ここで伝えたいのは、その方が「 サラリーマン大家さん 」であるいうことです。そのことを知ったときは驚きました。てっきり、セミリタイアをして旅行に来たと思い込んでいる自分がいました。日本の会社でも、そういうことができるんですね。
私がサラリーマンだった頃に、こういった行動ができただろうかと考えたとき、自分がとても小さな固定概念の中で暮らしていたんだと再認識させられました。もちろん、休暇申請しても通るとは限りませんが、それ以前に、そんなことをしようと考えたこともなかったからです。
このコラムを読まれている方の大多数が不動産投資をしている( もしくは検討している )と思います。その目的のひとつとして経済的、時間的な自由を求めているでしょうし、私もそうでした。
私の場合は実際にそれが成し遂げられたとき、アーリーリタイアという道を選びました。しかし、外部コンサルのような形で会社に残る選択肢もあったのかなと最近では考えたりもします。
サラリーマン生活をしていると、どうしてもフルタイムで働くことを前提に、出世や給与を多くもらうことが目標になりがちです。しかし、今後、更に多様化していく社会の中では、もっと規定の枠にとらわれない働き方を選択することもありなのではと思っています。
副業が解禁される会社が増えたり、自宅勤務を認める会社が増えたりと、日本の企業も少しずつ変わってきています。
自由な時間が欲しいから、会社を辞めるしかない。ではなく、サラリーマンを続けながら、どうやったらやりたいことができるのかの方に、力を注ぐことで、新しい働き方のアイディアがわくかもしれません。0か100ではなく、自分にとってちょうどいい場所を探るということです。
もちろん、そういった選択を可能にするためのひとつの手段として、不動産による副収入化は重要であり、効果的です。不動産投資による資産形成をしながら、もっともっと柔軟に、稼ぎ方と働き方について、考えてみる必要があるなと感じました。
読者の皆さんにも、会社員をしながら2カ月の世界旅行をしている大家仲間がいると伝えることで、「 自由な時間を作るためには、アーリーリタイアだけでなく、色々な形があっても良い 」ということをお伝えしたいと思い、今日のコラムを書きました。
どんなこともそうですが、選択肢はこれしかないと自分で決めつけず、広く考えていきましょう。
