今回は、16%という高金利のローンで融資を受けて、あとは引き渡しを待つばかりという状態にあった2戸目のその後をお伝えします。よろしければ以下のコラムもあわせてご覧ください。
□第1話:フィリピンのコンドミニアムを続けて3戸購入した私の反省
□第2話:手違いだらけで進まないフィリピン・コンドミニアムの融資付けの話
□第3話:なめてんのか!? 資金繰りに窮した3戸のコンドミニアムと無責任すぎる関係者たち
■ 2戸目の引き渡しスタート! しかし、私にはなぜか連絡が入らず( 涙 )
2016年8月、金利16%のインハウスローンでとりあえずしのいでいる2戸目を管理委託する予定の業者さんから、「 同時期に購入した人は既に引渡しに入っていますよ 」と言われ、ビックリ。
これだけ苦労して、3戸のうち1戸も引渡しを受けていない私って、何の罰なのでしょうか?
2戸目のエージェントの方を経由してデベロッパーさんに問い合わせると「 GMTOEを払えば引渡のプロセスに入ります 」というメールが届きました。GMTOEとはGovernment Mandated Taxes and Other Expensesの略で、税金のこと。価格は日本円で約90万円です。
でも、そんな話は初耳です! 私から問い合わせを入れなければ、ずっと放っておかれたということでしょうか? 結局、このお金は分割で支払うことにしたものの、相変わらずストレスのかかるやりとりです。
そして2016年10月、「 〇月〇日に2戸目を引き渡すので来てください 」とメールが到着。「 いきなり言われても行けません 」と返信すると、「 委任状を送って代理人に対応して貰うか、別日程でリスケ可能です 」と新たな案内が届きました。
委任状を使うとなると、また公証役場とフィリピン大使館コースです。もはやトラウマのレベルになっていたため、そこにお金を使うくらいなら自分で行こうと決め、11月の祝日を絡め、2泊3日でスケジュールを組みました。
■ 引き渡しで見た豪華な2戸目を見てテンションがアップ
2016年11月、2戸目の引渡を受けるため、4度目となるフィリピンを訪れました。現地代理人の方と一緒に、約束の時間に現地に行くと、誰もいない…。日にちを間違えたか? と焦っていると、30分遅れで担当者が登場しました。
遅刻したにも関わらず、悪びれない様子の担当者に連れられて建物に入ると、共用部のプールやスポーツジム、ビジネスセンター、ライブラリー、サウナ、プールサイドのバーなどが豪華で、このときばかりはテンションが上がりました。



一方で、トイレを流したら床が水浸しになったり、キッチンの換気扇カバーがはまらなかったりという問題も見られたため、ひとつひとつ、設備をチェックして回りました。
その後、引渡を受けた旨の書類や、修理を指摘した箇所の一覧表等にサインして、鍵の受け渡しを済ませました。


これまで色々ありましたが、この日は、こんな立派なコンドミニアムのオーナーになれたのかと、嬉しい気持ちになりました。( こんな風に、そのときの状況で感情がすぐに動いてしまうのが、私の弱点なのかもしれません )。
しかし、そんな豪華な2戸目も、1戸目と同じく、買い付けは入らず、マイナスのキャッシュフローが続いています。購入前、セミナーで聞いた「 完成直前に売りに出せば、キャピタルゲインが期待できる 」という話は、なんだったのでしょうか。
帰国後、「 所有権が移転したんですから、転売できますよね 」とエージェントに2戸目の早期売却を改めてお願いしました。
■ 2戸目を賃貸向けに改装、またもや100万円超が必要に
2016年12月、いつまで経っても売れないため、2戸目を賃貸で活用することにしました。持っているだけではマイナスのキャッシュフローですし、いつ売れるかもわからないのですから、せめてトントンにはしたいところです。
そのためには、スケルトン状態の部屋の内装工事と、家具や家電の設置が必要になります。貸すだけでなく、売る場合にもその方が高い値段が付くという話もあり、引渡時に指摘した箇所が改善されているかのチェックと合わせて、発注することにしました。
価格は両方で30万ペソ( 日本円で60万〜70万程度 )。また、今後も所有し続けることになる可能性もあると思い、管理会社さんに、「 月々の管理費や固定資産税などを代理で支払ってもらうサービス 」も依頼しました。こちらは、「 デポジットとして25万ペソ 」がかかります。
これで、合計55万ペソの出費( 日本円で100万円以上! )です。しかも、日本からそのお金を送金しようとしたところ、フィリピンの口座が「 ずっと使っていなかったので凍結 」という刑に処されていました。解除に向けての手続きで、またもや何本か毛が抜ける思いでした。
■ 賃貸がついても赤字。売りたくても売れない2戸目をどうする?
2017年6月、入居者を募集していた2戸目のコンドミニアムの管理会社さんから、「 借り手がついた 」と連絡がありました。フィリピンへの投資に関しては、初めての朗報だったかもしれません( 笑 )。
賃料はというと、購入価格637万ペソに対し、年間45.6万ペソ。表面利回りは7.16%です。現地の相場よりも少し高めで決まったと聞いて、「 ラッキー! 」と喜びましたが、冷静に考えると、ローンの金利が16%ですので、完全に逆ザヤですorz。
賃貸がつけば売りやすいかなと期待したのですが、2戸目の売却を最初に任せたエージェント( 以下A社 )へのオファーは、依然としてありません。賃貸がついても「 焼け石に水 」程度の現状に、早く売らなければという気持ちが強まった私は、別の会社にも売却を依頼することにしました。
そこで、友人の知り合いの会社( 以下B社 )に売却査定をお願いしたところ、「 キャピタルが多少出る金額で売れそうですよ 」という査定結果が。「 これで、赤字を止められる 」とホッとしながら、買い付けが入るのを待ちました。
ところが、数カ月後、B社の担当者から、「 査定した金額で売ることはやっぱり難しそうです。確実に売れる金額で、改めて査定させてください 」とメールが来て、がっくり。新しい査定価格は買値以下。販売会社のせいではなく、物件の実力がコレっていうこと? クラクラします…。
16%という金利を考えたら、安くても売ってしまった方がいいのかもと思いつつ、損切りがもったいなくて、決断できない私。A社に訊くと、「 B社の査定額よりももっと高く売れますよ 」と言いますが、こちらも結果を出してくれる気配はありません。
2017年12月、今度はA社から、「 キャピタルが出る水準で引き合いがありました 」と連絡が入りました。具体的な話のようで期待したのですが、契約までは至らず、またもやぬか喜びで終わりました。
■ 自分の目標に近づくために、マイナスにしかならない2戸目の売却を決意!
しかし、こんなことをいつまでも繰り返しているわけにはいきません。賃貸がついた状況でも、毎月、赤字を垂れ流しているのですから。
そして2017年2月、私は「 2戸目を売却する 」ことをようやく決意しました。年末年始に、「 将来、不動産投資で得たいキャッシュフロー目標と、その達成までの期間 」を真剣に考えたことが背中を押しました。
私が目指す人生に近づくためには、キャッシュアウトとストレスと不確定要素の大きいこの物件は、マイナスにしかならないと判断したのです。

2戸目のコンドミニアムのプール
すぐに、「 3月末まで値段を下げて売却活動をして、引き合いがなければ損切りでもいいので売却します 」と各業者さんに伝えました。今のところ、買い付けは入りません。このままいくと、これからもう一段値段を下げての売却になりそうです( つまり損切り )。
どこまで下げれば欲しい人が現れるのかは、予想もできません。せめてもの慰めとして、「 日本のアパートの売却益と相殺できるから、ダメージは最小限で抑えられた… 」と自分に言い聞かせています。
ため息しかない最終回に続く・・・