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新築計画に暗雲!? 私道をめぐるトラブルと、その後のまさかの展開

koziさん_画像 koziさん 第12話 著者のプロフィールを見る

2021/9/29 掲載

数年前に保育園を建設した際に、隣接する私道の私道持分者との間でトラブルが発生しました。今回はその時のお話と、その後のまさかの展開について紹介します。建物を新築する際には近隣ともめることは珍しくありませんので、参考になれば幸いです。

■ 保育園の新築計画と隣接する私道持分者との間のトラブル

事の発端は、数年前に私が購入した土地の前所有者が、勝手にすぐ横の私道を自分の敷地のようにして使ってしまい、私道部分に自分の建物の敷地と道路を分けるような側溝を作ってしまったことだったようです。

そして、土地の売主が旧建物の所有者から土地と建物を購入して更地にした際に、建物および建物の敷地の一部のようになっていた私道部分を土の状態にして、( 側溝を残したままの状態で )自分に売ったことが後日判明しました。

後で分かったことですが、これに私道持分者の方々が怒っていたのです。

購入した土地と隣接する私道

当初、私道の持分者の方々は土地を購入した私に対して、事の経緯を知ったうえで買った「 悪意の買主 」だと思いこんでいました。しかし、私道持分者の方々と話をしていくうちに、私が経緯を知らずに土地を買った「 善意の第三者 」であることを理解してもらうことができました。

ただ、それでも土地購入者の責任義務として、「 建物の工事を実施するのであれば、旧建物が越境していた私道部分の舗装を行ってほしい 」との要求がきました。このまま土の状態で側溝が道の真ん中にあると、土のままの部分と側溝の部分までが私道ではなく保育園の敷地に見えてしまい困るとのことでした。

私は通行や掘削権の許可はもらっているものの私道の持分者ではありませんし、土地の売主は旧建物を壊して土の状態にした上でセットバックしたので、私道の原状回復義務は完了していると話したのですが、納得は得られませんでした。

むしろ、私道持分者たちは、私に「 土地の売主と仲介業者に対して、私道の持ち分者とトラブルを抱えている件について何の説明もなく売ったということで売買代金の一部返還をしてもらい、その返金で舗装したらどうですか 」と言ってくるような状況でした。

しかし、私としてはセットバックしたことにより道路は4メートル以上になっており、道の真ん中に側溝があっても全く問題はありません。話は平行線のまま。このままでは埒が明きません…。

結局、私の負担で舗装工事を実施することにしました。私道持分者の方々の要望は「 L型側溝の移動とアスファルト舗装工事 」でした。話し合いの末、私が「 L型側溝の撤去と土の状態の私道をすべてアスファルト舗装する 」ということで合意しました。

かかる費用については、たまたま工事が遅延していたことから、工事遅延に伴う補償として施工業者が支払ってくれる分を充てることになりました。ちなみに30万円ほどです。

私道持分者の方々には感謝され、「 ありがとうございます。よく決断してくれました。保育園の運営、頑張ってくださいね 」と言われました。ようやく解決の方向に向かって良かったと思いましたが、自分は同時にあることを水面下で進めていました。

■ 水面下で進めていたA道路とD道路の買い取り作戦の結果は…

この私道ですが、私道自体は幅4mあり、幅1mごと( 以下、A道路、B道路、C道路、D道路 )に私道持分者の方がいました。

保育園側のA道路と私道を挟んだ保育園の真向かいの賃貸マンション側のD道路をAさんが所有していました。真ん中部分のB道路、C道路は私道の奥に住んでいるBさん、Cさんがそれぞれ持っています。

Bさん、Cさん、そして保育園の真向かいの賃貸マンション所有者のEさんは、私が進めていた保育園新築について難色を示していました。Aさんは近くに住んでいましたが、保育園から少し離れていたこともあり、保育園の建設については賛成の立場でした。

Aさんは私が転売業者から保育園の敷地を購入した際に、A道路とD道路も一緒に買ってほしいと思い、転売業者にその旨を伝えたそうなのですが、転売業者から「 いらない 」と言われてしまったそうです。

ちなみに転売業者が「 私道持分を購入しない 」と言ったのは、私が購入した土地の前面道路が公道に接道している角地であったためです。

しかし、私としては今後も私道のことでもめることは望みませんし、できることならAさんの土地を購入したいと考えました。そこで、私道のアスファルト舗装工事を行うのと並行して、水面下でAさんに「 私道持分のA道路とD道路を売って欲しい 」と打診したのです。

Aさんは今回の騒動に関して一定の責任を感じていたらしく、「 今回のkoziさんの対応に感銘を受けた 」と言ってくださいました。その上で、「 koziさんになら売却しても大丈夫だろう 」と私に私道持分を売ってくれることになりました。 売却金額もこちらが打診した50万円でOKしてくれました。

ところが喜んだのも束の間、他の私道持分者であるBさんとCさんが、私がAさんから私道持分を購入することを聞きつけて、Aさんに対して、「 koziさんには絶対に売らないように 」と口を出してきました。Aさんもそれを受け入れました。

そして、Aさんは私の保育園とは反対側に建つ賃貸マンションの所有者のEさんに、A道路とD道路の私道持分の購入を打診しました。このEさんは私と状況が似ており、私の土地と同じく賃貸マンションの前面道路は公道なのですが、マンションの出入口を私道側に作って出入りしていたため、D道路の通行料をAさんに支払っていたのです。

後日、私はEさんがAさんからの私道購入の打診に応じて、かなり安い金額でその土地を購入したことを知りました。とても残念な気持ちでした。

さらに残念なことに、その後、何の連絡もなくその私道に「 無断立ち入り禁止 」の文字がペンキで書かれました。未舗装だった部分をこちらの負担でアスファルト舗装までしたのに…。私は「 私道持分者たちのいいようになってしまった 」と意気消沈していました。

■ Eさんから「 A道路を売却する 」という提案が

ところが1年後、私道を挟んだ賃貸マンション所有者のEさんから突然、電話がかかってきました。「 koziさん、保育園と隣接している部分の私道のA道路を買いませんか?」という内容でした。

理由を聞くと、「 賃貸マンションを売却するため 」と言います。「 保育園に隣接しているほうのA道路の私道部分は不要になるので 」とのことでした。Eさんは当初、保育園の開園に難色を示していた方だったので、正直、ビックリしました。

私に売却をすることを決めたのは、「 前持分所有者のAさんが本当は私に売却したいと考えていたことを知っていた 」 「 懇意にしている不動産会社からも、保育園の所有者さんに売るのが一番良いのではとアドバイスを頂いた 」ということだったようです。

そして、「 一番の決め手となったのは、保育園の職員さんたちや子供たちが元気にあいさつをしてくれるので、koziさんの保育園に好感を持つようになったからです 」と話してくださいました。それを聞いて、保育園の職員さんたちと園児たちに心から感謝したいと思いました。

後日、Eさんの自宅で売買手続きを行いました。購入金額は、Aさんに提示した時の倍の100万円です。倍の金額を支払っても土地の評価としてはそれ以上に上がるので迷いはありませんでした。( EさんはAさんからA道路とD道路の私道持分を合わせて50万円で購入したそうです )。

ちなみにEさんからの売却条件として、「 EさんがA道路の私道持分を私に売ったことは、他の私道持分者であるBさん、Cさんには内緒にすること 」「 Eさんが賃貸マンションを売却したことも、BさんとCさんには内緒にすること 」というものを出されました。

なお、賃貸マンションに接しているD道路の私道持分は、賃貸マンションと一緒に売却したとのことでした。それから数年が経ちましたが、Eさんとの約束通り、BさんとCさんには私がA道路の私道持分者であることは知らせていません。

土地を購入すると、このようなことが起こりえます。私のユニークな経験として、紹介させていただきました。

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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

Koziさん

Koziさん

不動産賃貸業
IT系企業のサラリーマン
都内に妻と子供と3人暮らし

プロフィールの詳細を見る

経歴
  • □1980年
    神奈川県川崎市の武蔵小杉の地主の家に生まれる

    □1999年(19歳)
    不動産賃貸業に関わり始める

    □2002年(22歳)
    和光大学卒業

    □2004年(24歳)
    公認会計士、不動産鑑定士の試験に合格
    (他に宅地建物取引士、行政書士、賃貸経営管理士等の資格も持つ)
    IT系企業に入社

    □2008年(28歳)
    叔父の不動産を引き継ぎ2015年に法人化
    会社員を続けながら、不動産事業にも取り組む

    □2018年(38歳)
    企業主導型保育事業を開始

    □2021年
    所有物件数15棟(レジデンス、店舗、グループホーム、保育園)
    年商7億円(保育事業の収入含む)

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