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相続における法人化のメリット。4歳の息子の為に法人を設立することは早すぎるのか?

koziさん_画像 koziさん 第3話 著者のプロフィールを見る

2021/3/27 掲載

第3回目は法人化についての後編です。前回は法人化の一般的なメリットについて記載しました。後編は相続においての法人化のメリットについて記載します。

■ 相続における法人化のメリット

相続における法人化のメリットは下記の項目が挙げられます。

  1.  1)登録免許税・登記費用の節税効果
  2.  2)事務手続きの負担軽減
  3.  3)短期譲渡所得を気にしなくてよい
  4.  4)法人ごと売却することによる節税効果
  5.  5)争族を防止し残してあげたい人に資産を遺せる

それぞれについて、説明していきます。

1. 登録免許税・登記費用の節税効果について

自分の実体験ですが、伯父や母の亡きあとに伯父や母が所有していた不動産を相続しました。それなりの物件数があったこともり、司法書士の報酬なども含めて数百万円かかったのを記憶しています。

これが法人所有であったなら、被相続人が代表者であった場合や合同会社で持分登記がされている場合など、代表者や持分の変更登記をする必要がありますが、登録免許税や登記費用は数万円で済みます。

物件数や所有している物件の固定資産税評価額にもよりますが、物件を法人で持っていた方が代表者変更などで手続きが済みますので、相続の際の登記費用だけでも数十万から数百万の節税効果があります。

2. 事務手続きの負担軽減について

自分の実体験をお話しさせて頂くと、相続に伴って役所、税務署、金融機関、取引先、賃借人などと様々な手続きを実施しました。一番面倒だったのは金融機関です。単純な相続手続きだけでは終わりません。

自分が口座を持っていない金融機関については、預金などを自分の口座へ移管させるために口座開設をしたり、融資を受けている場合には新たに金消契約書を自分名義に結び直したりと、現役サラリーマンでもある私は、時間を作るだけでも苦労しました。

更に、管理会社などの取引先や賃借人とも伯父や母との契約であったため、それを自分に切り替えるために新たに管理契約や賃貸借契約を結び直したりしました。それが結構な手間で、全部完了するのに半年間ほどの期間を要しました。

もしも法人化してあったならば、代表者変更や持分割合の変更届や通知書を送ったりするだけであり、融資がある場合なども連帯保証人の変更などをするだけで済みました。

3. 短期譲渡所得を気にしなくてよいことについて

こちらも自分の実体験ですが、亡き伯父が当時ガンであったこともあり、死の数年前から急ピッチで物件の購入や所有していた駐車場や更地に新築などを建てていました。

それらの短期間で取得した物件については、伯父や母の死後に直ぐに売却してしまうと短期譲渡税( 税率39.63% )になるので、売りたい物件があっても其れなりの期間保有していました。伯父や母の死後直ぐに法人化しなかったのも、短期譲渡所得の問題があったためです。

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_2.htm ( ※国税庁のホームページより

なお、相続した土地・建物を売却する場合、相続した人ではなく、被相続人がその不動産を取得した日からが保有期間となります。

一方、法人で物件を所有していれば、相続人の株式や持分を相続するだけです。代表者が亡くなり、株式や持分を相続した後で法人が所有している物件をすぐに売却した場合でも、( 売却金額にもよりますが )法人税のほうが、税率が低くなるというメリットがあります。

4. 法人ごと売却することによる節税効果

3.とも重なる部分ですが、相続後に法人で所有している物件を全て売却する場合、売却益によっては物件を売却するのではなく、法人ごと売却したほうが節税効果につながる場合があります。

法人の売却は、株式譲渡もしくは持分譲渡になります。
株式譲渡の譲渡税率は短期譲渡、長期譲渡にかかわらず20%です。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1463.htm ( ※国税庁のホームページより )

物件の相続を個人で受けて短期譲渡した場合、短期譲渡税率は39.63%なので、将来的に物件を全てまとめて売却することを考えるのであれば、法人化して法人ごと売却したほうが、売却時の節税効果があります。

5. 争族を防止し、残してあげたい人に資産を遺せることについて

これは自分や自分の知人も行っていますが、妻や子供ごとに法人を設立し、各法人に資産を分散させるという方法です。妻や子供が所有している法人であれば、自分が亡くなっても相続は発生しないというメリットがあります。

また、妻や子供ごとに法人を設立し、資産を各法人に分散して、各法人が所有している資産については、各法人の所有者が相続するとあらかじめ取り決めておけば、「 争族 」( 相続が原因で親族間で争いが起こること )の防止にもつながります。

自分の知人の例になりますが、その知人は離婚した前妻との間に子供が2人いて、離婚後に再婚した後妻との間に子供が1人います。その知人は後妻との間の子供に自分の財産を多く残したいと考え、後妻との間の子供が99%保有、その知人が1%保有の株式会社を設立し、その法人に利益が遺るようにして、不動産の買い増しをしています。

さらに、その知人が保有している1%株式は黄金株( 拒否権付株式 )なので、後妻の子供が何か悪いことをした場合などは、取り上げられるようにしています。そして、知人が亡くなった場合には、知人が保有していた黄金株は後妻の子供が相続することを遺言書に残しています。

自分も昨年、4歳の息子が株式の過半数を保有する株式会社を設立しました。物件の買い増しはその法人で行うようにし、利益も多く遺るようにしていく予定です。

また、これも知人の例になりますが、その知人は所有している不動産を含めて数年前に法人化したのですが、息子と折り合いが悪くなったため、自分の息子ではなく孫に相続させることにしました。そして、自分の保有株式を、贈与税を多少払いながら毎年少しずつ孫に贈与しているそうです。

この知人の例からもわかるように、法人を使うことで、自分の妻や子供を飛び越えて孫に対し、時間をかけて相続移転をさせていけるというメリットがあることがわかります。不動産の持分移転ですと登記などをする必要がありますが、株式の移転であれば株主名簿の書き換えだけなので、登記費用なども発生しません。

なお、合同会社の場合には持分割合の変更をする場合、定款変更する必要があり、更に登記が必要な定款変更であるため、持分の譲渡の都度、登記費用が発生します。

この合同会社の持分譲渡・持分変更は定款変更することは知っていても、登記事項であることを知らないという人がいるので、合同会社で法人を所有している方はご注意ください。きちんと登記していないとその持分譲渡・持分変更は「 無効 」と言われてしまうリスクがあります。

一方、株式会社の株式譲渡は、株主名簿の書き換えだけで登記事項ではないので、登記費用が掛からず、この点では合同会社よりもメリットがあります。

■ 4歳の息子のための相続対策を早いとは思わない

法人化のメリットについて記載しましたが、相続対策において法人化は一つの手段でしかありません。

しかしながら、自分はやはり有効な手段であると考えています。そして、相続対策で一番大事なのは、誰に自分の資産を遺してあげたいかを考えて、相続対策を進めることだと考えています。

将来的に相続税は税率が70%( 現状は最高55% )まで引上げられると言われています。更に、贈与税についても「 110万円以下の贈与は非課税 」という暦年課税制度を変更もしくは廃止することを検討していると言われています。

昨年、自分は4歳になる息子のための法人を設立しましたが、周りから「 今から相続対策するの?」と驚かれました。

相続対策は今日明日で直ぐに出来るものではなく、時間を掛けて行っていくものです。税制も毎年変わり、有効な対策手段も封じ込められてきているので、早期のうちから行っておくに越したことはありません。

このコラムを読んで思うところがあった方は、資産を拡大させるだけでなく自分が築いた資産もしくは先祖から引き継いだ資産を誰に遺していきたいかを考えるようにしてみてください。

そうすると、単なる相続税を払わないようにするための相続税対策ではなく、相続対策の本来の在り方が見えてくるのではないか、と自分は考えています。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

■ Koziさん

koziさん

不動産賃貸業
IT系企業のサラリーマン
都内に妻と子供と3人暮らし


■ 主な経歴

□1980年
神奈川県川崎市の武蔵小杉の地主の家に生まれる

□1999年(19歳)
不動産賃貸業に関わり始める

□2002年(22歳)
和光大学卒業

□2004年(24歳)
公認会計士、不動産鑑定士の試験に合格
(他に宅地建物取引士、行政書士、賃貸経営管理士等の資格も持つ)
IT系企業に入社

□2008年(28歳)
叔父の不動産を引き継ぎ2015年に法人化
会社員を続けながら、不動産事業にも取り組む

□2018年(38歳)
企業主導型保育事業を開始

□2021年
所有物件数15棟(レジデンス、店舗、グループホーム、保育園)
年商7億円(保育事業の収入含む)

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