どうも。
らいおん大家です。
リフォーム会社を経営したり、大家さんやったり、今春から旅館を運営予定であります。
9年前からリフォームの世界に入って、色々なジャンルの工事に携わらせて頂きました。
一般的なマイホームのリフォーム、賃貸物件の退居後の原状回復、購入後のバリューアップリノベ、店舗のフル改装、建物の増築・減築などなど。
そこで思った事は、
人が住みながらのリフォームは大変だ!
という事です。
これ、賃貸物件ではめちゃくちゃ重要な事だと思うんですよ。
空室の内にやっておけば数千円で済んだ工事を、放っておいたばっかりに、入居後のクレームで緊急対応となり数万円の工事費がかかった、なんて事よくあります。
というか、そういうクレーム対応をした経験が何度もあります。
つまりは、入居後に不具合が起きそうだなぁというポイントは、絶対に入居前の空室の状態でクリアにしておいた方が後々楽になるという事である!!!
しかも、入居中のクレームで費用が余計にかかるよりも厄介なのが “入居者のフラストレーションが溜まる” ことです。
フラストレーションが溜まれば賃貸業で一番避けたい退居の要因になってしまう。
まだ使えそうな設備機器や建築物に費用をかけるのは、なんだか勿体無い気がすると思いますが、退居させない術をお金で買うと思えば考えは変わってくるのではないでしょうか。
が、もちろん何でもかんでも新しくしていたらキリがないので、ある程度線引きをしておく必要があるでしょう。
先に変えておいた方が後々の費用対効果がでかいポイントを押さえておけば強い。
その参考になるための今回のコラムである。
「 最初にやっておけばこんな事にはならなかっただろうになぁ 」と思う工事トップ3を発表していくでござる。
■ 第3位『 床のふわふわ全面補強 』をやるべし!
これは特に築古戸建でありがちな不具合です。
構造上、コンクリートの床に直接フローリングを貼っているマンションではこの現象が起こりません。床下に空間があり、下地( 根太 )の上に床が張ってある施工がされている物件のみにこの “床がふわふわする” 現象が起きます。
なぜふわふわするのか?
詳しくは以前のコラムで書いているので、読んで頂ければふわふわする理屈がわかるかと思います。
参照:https://www.kenbiya.com/ar/cl/lion/14.html
簡潔に書くと劣化で床が弱っているからなんですな。
じゃあ部分的に補強すれば良いやん!となり、ふわふわする部分のみ修繕するパターンが非常に多いと思います。
部分的に直す方法として、床下に潜って下から木材を入れて補強する、ふわふわ部分を切って下地を入れてまた戻す、という施工があります。
が、これ今までの経験上入居後にクレームになる可能性大なんですよ。
というのも部分的に床がふわふわするという事は、その他の部分もいつふわふわしてもおかしくないという事なんです。せっかく部分的に直したのにその1m横でふわふわしだして、またそこを部分的にやったら今度またその1m横がふわふわしだして
・・・モグラ叩きかよ!!!
そうならないために、最初から全面に床上張りしておくのがベストです。
ええ・・・勿体無い・・・と思うかもしれません。
が、これモグラ叩きゾーンに入ると最終的には床全面張った方が早いんですよ。
しかも、入居中の床全面張りはもうめちゃくちゃ大変ですよ。
家具も全部出してその空間を空っぽにしなくちゃいけないし、床材切ると埃もめちゃくちゃ舞うし、工事中その部屋は入れませんからね!
キッチンだったら、ご飯作れないじゃない!みたいな二次被害にもなりかねません・・・。
良いですかみなさん・・・。
一部分でもふわふわしたらその部屋の床は全面上張りがベストでしょう・・・。
■ 第2位 『 トイレタンク内部材の交換 』をやるべし!
水廻りで一番使う頻度が高く、そしてなくてはならないランキングの一番がトイレです。
古いトイレでよくある不具合がレバーを回しても水が流れないことです。
これ、原因はシンプルで、要はタンク内の部材を1つ交換すれば直るんですよ。
入居前のリフォーム中に、工務店に他の設備機器の交換と一緒に依頼すれば数千円〜1万円くらいで交換できちゃう、なんて事ない工事です。
が、これが入居中に発生すると・・・。
緊急レベル S
怒りレベル S
のクレームになってしまうのだ・・・。
その他にも水が止まらない、タンクに水が溜まらない、などトイレ関係の不具合はどれも簡単に直るのだが、それに反比例するようにクレームレベルは高い傾向にある。
トイレの古さによるが、20年以上経っているならタンク外でも不具合が起きてもおかしくないので、部材ではなくもう丸ごと交換するのが安心かなぁと個人的には思います。
空き家の内にちょちょいとやっておけば良かったのに、ランキング堂々の2位である。
そしてこのSレベルのトイレを抑えての第1位は・・・!!
■ 第1位『 給湯器の交換 』をやるべし!
言わずもがな。
これは不動の第1位です。もう揺るぎません。
お湯は電気、水に次ぐライフラインの一種ですからね。
給湯器が故障してお湯が出ないという事態はシーズンによっては死活問題です。
これは昔から最重要問題であったのですが、この1年でさらにヤバさが増したのです。
なぜなら 給湯器が手に入らないからです。
今、給湯器が故障したのですぐ交換してください!と言っても新品が手に入りません。
数ヶ月待ちです。コロナショック、半導体不足が要因ですが、この混乱が落ち着くのはまだ先になりそうです・・・。
もし、給湯器の故障が入居中に起こったら、お湯が出ないのにすぐ交換できないという最悪の事態になり・・・
緊急レベル SSS
怒りレベル SSS
である。
だから、空室になったら、物件を購入したらまず給湯器をチェックしましょう。
一般的に給湯器の寿命は15年程と言われているので、それぐらいならまだ使えたとしても先に交換しておくのがベストでしょう。
交換すると15〜20万円するかと思いますが、せっかく入居付けしたのに入居中に故障してクレーム対応できずに退去して、数ヶ月空室になる機会損失を考えれば高くはないはず。
むしろ最悪な事態を20万円で回避できる費用対効果抜群の工事である。
個別プロパンガス会社と新たに契約をするなら設備貸与で新しくするのは必須ですね!!
■ 夏休みの宿題は早めに
もうこれはあれですな。
夏休みの宿題を最初にやるか、最終日にやるか、ですな。
夏休みが始まって最初にバババッとやると母に褒められるんですよね。
でも、最終日にバババッとやると母に怒られるんですよね。
同じ事をしたはずなのに・・・。
工事も、大事なポイントはバババッと最初にやってしまった方がきっと入居者も管理会社も喜ぶし自分も楽だと思うのでござるよ。
ちなみに夏休みの宿題は9月1日にやる派でした。 では。