どうも!らいおん大家です。
築古専門のリフォーム屋を経営したり、大家さんしたり、0円の空き家を旅館に再生してオーナーやったりしている、空き家を愛し愛された男です。
昨年からの物価高騰ラッシュが建築業界の隅々まで侵食してきて、この春から主要なメーカーの設備機器類や建材までもが2割~ほど上がっており、びっくりしております・・・。
問屋に見積もり依頼をかけると僕の思っていた金額の1.3倍くらいで返ってくるんです。数年前の仕入れ値から変わっていない僕の脳みそをアップデートしなくては・・・。
アンテナを張って、情報をキャッチして、ダウンロードして、試行錯誤しながらアップデートを繰り返す人生ですな。
さて、これから僕が3年ほど前に購入して仕上げた平屋のストーリーを2、3回に渡って綴ろうかと思います。
このお話でお伝えしたいのは、
「 安い物件は安くない 」
です。
よく、タダより高いものはないという先人たちの格言がありますが、まさにその通りだなぁと思います。
タダでとてもお得な事も、もちろんありますが、大抵はそんな事はないのですな。
安い不動産にはファイナンスの問題、地理的な問題、法律的な問題、建築的な問題のどれか又は複数が絡んでいる事が多い。
土地から新築であれば、ファイナンスや法律の知識が絡んできやすいし、築古であれば地理、建築の知識が絡んできやすくなる。
それぞれ何かしらの難題があって、それを許容できるか否かを知識武装した上で見極めるのが重要なのでござるな。
■ 紹介されたのは10年間放置されていたという空き家
僕の元に不動産屋からこんな紹介があったのです。
不動産屋「 なんかずっと放置されていた空き家があって、売りたいそうなんですけど、らいおんさんなら何とかするかなぁと思って相談してみました!」
らいおん「 お声がけ嬉しいです!ぜひ見に行きます!」
不動産屋「 っっっっし。では○日に現地で!」
らいおん( なんかえらくテンション高かったな )
どうやら売主さんから売りたいとお話があったばかりらしく、物件資料も何もない状態で見に行くことに。
築古の戸建なんて書類が揃ってなかったり、未確認のことが多かったりで、そんな書類を完璧に揃えてもらおうなんてしていたら、多分もう紹介なんてしてもらえない。
やっぱりスピードと勢いよ。
そして内見の日。
中々の田舎で戸建賃貸など皆無のエリア。
そして目の前は海!!!
ハザードマップは真っ赤であった。
これは・・・売れにくいだろうな・・・。
そしてこれが建物。
ほう・・・。
中々に年季入ってるじゃねぇか・・・。
好きだ。
やはり道が狭いな・・・。
敷地内に小さいスペースがあるが車は入らなさそうである。
築年数も経っていそうやな・・・。
らいおん「 これって築年数ってどれぐらいなんですか?」
不動産屋「 ちょっとわかんないですね・・・ 」
ちなみに築年数を確認したのは、不動産投資のためではない。
単純に古ければ古いほどにロマンを感じるからだ。
安い築古物件のほとんどは旧耐震物件のものが多い。
今の耐震基準よりも前の基準で建てられたものである。
それの境目は1981年の6月1日よりも前か後か。
6月1日よりも前に確認申請されて建てられた物件は旧耐震である。
大事なのは建築されたタイミングではなく、確認申請が通ったタイミングである。
つまりは1981年に5月31日に確認申請が通っていたとすると、建物が出来上がったのが1982年だろうと旧耐震なのである。なので1983年くらいまでの築年数のものは旧耐震の可能性があると思った方が良いですね。
旧耐震でも賃貸に出していけないわけではないのですが、市場価値としてはやはり新耐震よりも価格が出にくいのも事実。
ちょっと余談でしたが、覚えておいて損はないはず。
まぁ築古戸建投資のスキームに当てはまる物件なんてほとんどが旧耐震ですけどね!
そうして物件の中を見てみる。
くううう・・・!
古くてロマンがあるぜ・・・!!
天井も低いなおい!!
最高だ。
あっ。
売主さんもいらっしゃったんですね!
こんにちは!!
■ なぜこの物件が僕にまわってきたのか
話を聞くと10年前に相続してから、ずっとほったらかしにしており、どうせ売れやしないだろうと思っていたところ、不動産屋から「 買う人がいるかもしれませんよ!!」と言われたらしい。
そしてやたらと不動産屋さんがこの方にペコペコしていたのだが、後から聞いた話だとこの売主さん、太客だそうで・・・。
つまり今回、この話が僕の元に来るまでの経緯はこうである。
いつもお世話になっているお客様( 売主さん )が空き家を所有している
↓
手離したいけどどうせ売れないだろうから放置している
↓
それを解決したらさらに太客になるんじゃ・・・?
↓
でも中々難儀な物件だな・・・あっあいつに紹介してみるか!
↓
ワイ。
多分こんな感じ。
つまり “売主さんは別にいくらでも良いと思っている”、“不動産屋はとにかく太客のお困り事を解決したい” という状態なので、価格は色々と相談できそう。
そういえば水廻りはどうかなぁ。
築古物件でお金がかかるポイントはやはり水廻りである。
洗濯置き場がなかったり、トイレが和式でボロボロだったり、配管がサビサビで全部交換が必要だったりするからな・・・。
ふむ・・・、使いづらそうやな・・・。
寒そうだし・・。
どうしよう・・・。
・・・あれ・・・?
トイレがないな。
もしかして・・・。
屋外かぁ・・・。
これはなかなか難儀やなぁ・・・。
流石にトイレが屋外にあるものは需要がなさすぎる。
だが、トイレは屋内に新しく新設するのってまぁまぁ費用がかかるのよ・・・。
給水管はサビサビの鉄管・・・。
これはもう多分、配管も全部ダメである。
それならいっそのこと給水、お湯、排水管全部替えるか・・・。
外壁もボロボロだし、屋根も部分的に修繕がいるぞ・・・。
ざっとみても400万円はかかるな・・・。
仮に今ここまでかけなかったとしても、運用中に不具合が起きるだろうし、かけなければそもそも入居もつかんだろう、こんな田舎では・・・。
■ 38万円で返事をしたところ・・・
近隣に戸建賃貸はないし、アパートがちょくちょくあるのですが、どうみても地主相手に無理やり建てさせたアパートで家賃4万~5万円だし、需要があるのかは甚だ疑問である。
僕は仕事の都合上、こうやって物件情報をもらって良い物件があったら投資家たちに紹介をして、代わりにリフォームを依頼してもらうことで売上を立てているのですが、この物件は流石に自信を持って紹介できなかったので、まずは自分がトライして未開の地を開拓してみようと思いました。
ここでもし成功事例ができれば、今後このエリアで物件情報が出たら自信を持って紹介できますからね!!
と、思い「 38万円 」で仲介さんに相談をしてみました。
次の日・・・。
不動産屋「 OKでした!」
らいおん( やはり通ってしまった・・・どうしよう・・・普通の物件買いたい・・・ )
つづく