どうも!らいおん大家です。
築古の物件ばかりを手がけるリフォーム屋を経営している齢32歳です。築72年オーバーの古民家を住宅賃貸にしたり、築100年の古民家を旅館にしたりしております。
いずれもビルなど全く建っていない、見渡す限り山と海のエリアでこれまでやってきたのですが、そこでの経験から得た一番の教訓は、次の通り。
「 田舎では駐車場2台付き物件が最強 」
過去のコラムでもこの辺りの話を綴っているので、これらを一読して頂くとより深みが増すかもしれませぬ。
参照:郊外の築古戸建投資の最強スペック「駐車場2台付き」物件!その必要最低寸法と注意ポイント!
今回のコラムでは、
- 駐車場がない場合はどうやって造る?
- 費用はどれぐらいかかる?
- 注意ポイントは?
これらを綴っていこうと思います。
■ 駐車場のサイズはどれぐらいあれば良い?形は?
駐車場は、“敷地内に並列で2台停められる”が最強です。カーポートもあって雨にも強いとなれば、文句なしです。が、カーポートはあれば良いなぁくらいなので、わざわざつける必要はないかなと個人的には思います。
需要順にランキングにするとこんな感じ。
- 1位 敷地内に並列で2台停められる
- 2位 敷地内に縦列で2台停められる
- 3位 敷地内に普通車1台、近隣月極に1台停められる
- 4位 敷地内に1台のみ
- 5位 駐車場無し ※エリアによってはかなり厳しい
そして、この車を停めるのに必要な最低寸法ですが、
<1台最低>
- 高さ 2.1m
- 横幅 2.5m
- 奥行 5.5m
<並列2台>
- 高さ 2.1m
- 横幅 5m
- 奥行 5.5m
<縦列2台>
- 高さ 2.1m
- 横幅 2.5m
- 奥行 11m
こんな感じです。
※僕が実際にハイエースを運転して感じた最低限乗り降りができて、トランクを開けられると確認した最小値
もし、郊外の物件で最初から並列2台や縦列2台の条件を満たしているのがあれば、入居付けではかなり有利だと思っても良いでしょう!!
とんでもない山奥だとか、秘境の地だとか余程辺鄙じゃなければすごく強いと思います。あとは家賃設定さえ間違えなければ、入居が決まらない・・・なんて事はかなり防ぎやすいと思います。
■ 駐車場が敷地内にない?ならば造れば良いじゃない
なるほど。駐車場2台あると強いのね。
わかった。じゃあ、それがない物件は諦めた方が良いのかい?
否!!
だからリフォームというものがあるのではないか!!
極端な事を言えば、お金をかければできない工事はほぼないんですよ。でも、収益性を重視する不動産投資の場合はどうしたって“費用対効果”というものを常に考えなくてはいけない。
これを考えて、高いか?安いか?やるべきか?やらないべきか?の判断をするのでござるよね。
シンプルに100万円かけて101万円得られるなら安いしやるべきだし、100万円かけても99万円しか見込めないなら、高いしやるべきではないという事ですな。
※数字以外の目に見えない益もこの世にはあるので、実際は色々と複雑ぅ
■ 駐車場1台分を造るのに40万円は高い?安い?
エリアによって違いますが、僕の肌感覚では、
駐車場が2台付きなのか1台なのかで家賃最低5,000円〜は違ってくるでござるよ。
( 駐車場なし物件と2台付き物件なら1万円〜の差 )
と、いう事は敷地内に駐車場をもう1台造ると1年間で6万円=10年で60万円は見込めると。つまり、駐車場もう1台分のスペースを造成するのに100万円かかるとすると利回り約6%…。
もし、40万円でもう1台分造れるのなら利回り換算すると約15%。
良い数字ですよね!
これはやっても良いと判断できます。
気になるのは、“どんな状態だと100万円近くかかってしまうのか?どんな状態だと安いのか?”ということですよね。
物件ごとに状況が違うので、「 こういう場合は○万円!」とは一概に言えないのですが、40万円はいかなそうなパターンと100万円はいってしまうかも・・・という2パターンを紹介します。
特に高額になりやすいケースにはわかりやすいポイントがあるので、覚えておくときっと役に立つであろう!
まずはすごく簡単なパターンから。
あぁ・・・優しい・・・優しいよ母さん・・・。
まず、木が生い茂っていないのが良いよね・・。←ここポイント!
このパターンの場合はまず、縦列ですね。
写真ではわかりづらいかもですが、横のブロックを壊して並列にするには建物位置関係上できなかったので消去法で縦列です。
こんな感じで正面のブロックを1段分壊して、段差を緩やかに。←ここポイント!
そして奥のスペースには砂利を敷く←ここポイント!
かかった費用は40万円ほどでした。
■ 高額になるパターンは「 障害物多数 」「 激しい高低差 」「 土間打ち 」
この3つが高額になる要素なのでござる。
先述したパターンが安く収まったのは障害物もなく、元々高低差もあまりなく、コンクリートを打たずに砂利で済ませたからなのです。
郊外の築古物件を見に行くとこんな感じの物件をよく目にすると思いますが、このパターンは結構費用かかります。
まず、樹木が多いですよね。
これらを“伐採”ではなく“抜根”する必要があるので、重機が必要になってくるんです。ここでまず費用が嵩張るポイントですね。
しかも大きな石が土留めとなりゴロゴロしている。
これも重機必須です。
そして高低差がありますね。
車を停めるためには平地、もしくは低段差までもっていかないといけないので、土を掘り出す“掘削作業”と掘削した土を処分する“残土処分費”が嵩張ってきます。
さらに掘削をした時にガス配管や給水管などが埋まっていた場合、より費用が嵩張ってくるので掘削する量は少なければ少ない方がリスクも減ります。
そして最後のポイントは「 土間打ち( コンクリート打設 )」なのですが、これは仕上げ方の選択の問題で、多くの場合は駐車場の地面ってコンクリートの事が多いですよ。
ところが、コンクリートを打つのって結構費用がかかるものなんです。
材料代はそこまでなのですが、重量物が乗る場所の場合は鉄筋を敷き詰めて、水平になるようにレベルを調整して、コンクリートを流し込む型枠を造ってから材料を流し込む、という工程が発生するので・・。
写真:AC
ですので、収益性を重視するのであればここまでせずとも、砂利( 砕石 )を敷き詰めるだけでも充分かなぁと個人的には思うのです。
これなら鉄筋も型枠も必要なく、ある程度のレベル調整をした後にジャーーーっと石を流すだけなので、大幅に費用を削減できます。
これらの“高額になりやすいパターン”と“安く抑える仕上げ方法”を今回のコラムで参考にして、郊外の駐車場なし物件を、最強物件にしてみてくださいな。