こんにちは、菊地 美佳です。
さて、今回は築古物件を魅力ある物件にする為に、どこを残して、どこを変えたら良いのか? というテーマで書いてみたいと思います。
前回の
第9話からの続きになりますが、動かせない立地に納得でき、相場より安い価格で買えて、駐車場を確保し、陽当たりの良さなどのポテンシャルを見出だせれは、後はなんとかなるものです。
リフォーム費用は、狙う家賃を設定して、許容範囲の利回りを厳しめに逆算したら、総額の予算から使える費用を割り出していきます。そこから、マッチする客層に合わせたリフォームプランを考えます。
一般的に、戸建はファミリー層がターゲットになる事が多いと思います。今回は築古+ファミリーと相性の良い、ほっこりカフェ風リフォームプランについて考えてみたいと思います(^ - ^)
■ ポイントは新築にはない「 味わい 」を生かすこと
築古物件は全部ピカピカにしようと思うとキリがありません( 汗 )。注意点ですが、そもそもの客層が違うので、決して新築と張り合おうとしてはいけません( 笑 )。
例えば、キッチン以外は和室ばかりというのも普通です( 笑 )。ですので、新築にはない味わいを逆手に取ってレトロ可愛く残せる部分は残し、家賃に反映する必要な箇所だけをリフレッシュするようにします。
例えば、下記の画像のような箇所を見つけたらラッキーです☆
とっても可愛く化けそうですよね♪ 昔のものは、温かみがあって絵になる素敵なデザインが多いので私は大好きです。萌えポイントですね。
新築でもあえてレトロっぽく建てる人もいますし、オシャレなショップやカフェに行くと、わざわざこういう感じに加工した新品を使っていたりします。似た感じのクロスやクッションフロア等も発売されています。
それが元々付いているなんて、ラッキーです( 笑 )! ポイントは、いかに清潔感があり、オシャレに見せるか? ということです。「 レトロ=ほこりっぽいイメージ 」では萎えてしまいますよね。
私の場合、特に家族で一番長く過ごすであろう、リビングのリフォームに力を入れます。天井や壁はシンプルなプランにして、萌えポイントだけを残し、後は全て真っ白に塗ってしまうことも多いです。
そこにビンテージ感のある家具やアート、電気スタンド等、間接照明をいくつか置いて演出するだけでも、こちらの意匠が内見者様に伝わり、オシャレな物件だわぁ、となります(^ - ^)潔さがオシャレに見せるのですね。
■ 部屋の雰囲気を決める壁紙、床材、照明
もう少し凝りたい場合は、ブルーグレーやグレージュ、深いモスグリーンなどの『 ニュアンスカラー 』のペンキでドアや木部を塗ったり、アクセントクロスを取り入れてみたりすると更にオンリーワン度が増します。
白+木目+ニュアンスカラーを少し、のバランスでコーディネートしていくと失敗なくまとまると思います。砂壁に漆喰を塗るのも大変ですが、身体に優しい素材ですし、ファミリー層、特に女性に響くお部屋になります♪
簡易なクロスが多い時代だから、逆に賃貸物件に塗ってあったら新鮮に映ると思います。
次に床です。リビングにはソファを置きますし、最低限でもリビングになるお部屋はフローリング化した方が『 決まるお部屋 』になると思います。
ここでもクールなイメージの床材ではなく、ラスティックな廃材・古材風のものや、レトロ感、温かみのある床材を選んで全体をコーディネートしていきましょう♪ 今は選ぶのに迷ってしまうくらい、レトロカフェ風のものが沢山出ていますよ?(^ - ^)
お部屋の雰囲気をガラッと変える力のある照明も、今は安価に可愛い物が手に入るので、是非交換してしまいましょう。逆に周りをいくらキレイにリフォームしても、汚れた和風の照明が残っていたら…興醒めになる位、重要なポイントです。
古いお家に良くあるのが、壁にスイッチがなく、照明に紐が付いているケースです。電気工事でスイッチを付けるのが一番ですが、簡易な方法としては、IKEAで販売されている「 電球+リモコン 」のセットを取り入れる方法もありますよ♪
IKEAの商品が出る前は、シーリング部分にリモコン受信部分を取り付けて、好きなデザインの照明が取付けられる物があり、重宝していました(^ - ^)。どちらも2,000円程で購入できるので、紐式の照明に悩む大家さんにオススメです!
■ 水回りのカギは清潔感
次に水回りです。トイレについては清潔感第一ですので、ピンク・アイボリー・ブルー等、昔のカラフルなトイレは使わず、現在主流の真っ白な便器に変えてしまいます。壁床のリニューアルもマストですが、例外として、下の写真のトイレはそのまま残しました。
こちらは
コラム第6話でも紹介しましたが、ブルーでまとまっていたので、良しとしました。これが違う色だったら、古萎えポイントになってしまうので変えていたと思います。( ちなみにこのままでも問題なく、地域の高価格帯物件としてご入居頂いています )。
昔の水回りで良くあるタイル貼りなんですが、ここはなかなか判断が難しいところです。私が残す基準としては、白かブルー系でシンプルな場合のみ、でしょうか。
または、可愛いモザイクタイルなどでしたら、残しても◎です。ペーパーホルダー、タオル掛け、水栓やシャワーホース・ヘッドなどは新品に換えると、清潔感が出て効果的です。
混合栓はそのまま使うこともあります。その場合、ハンドルをレトロなこちらに替えて可愛く見せるようにしています(^ - ^)
築古の水周りが水垢などでくすんでいると内見者様のテンションが下がってしまうので、ピッカピカにしておきましょうー。
■ キッチンを低コストで再生するコツ
交換するとそれなりに費用のかかるキッチンは、まずは磨いてみて、どうにかならないか? を考えます。水栓についてはやはりピカピカにします。
個人的に非常に気になる排水口の網は、必ず新品に交換します。それだけでかなり清潔感は出ると思いますが、もう一つ上の可愛いカフェ風を目指す場合は、扉にモールを貼り付けてペイントして、海外のキッチンの様な把手に交換します。
ビフォー
アフター
どうでしょう? ここまで変わるならキッチン本体の交換はしなくても良いかな~と思いませんか? レンジフードも汚れが目立つポイントですが、オキシクリーンやスチームクリーナーで掃除して、スプレーペンキで塗装すると、そのままでOKになることが多いです。オススメはマットブラックです。
所有する1960年代の物件にはこちらのキッチンが付いていました。米軍のフラットハウスについていそうなデザインで、内見時から萌えポイントでした。こちらももちろん残して、クリーニングと補修のみで築古好きな入居者さんにご入居頂いています。
これらのポイントを押さえてリフォームすれば、他のお部屋はシンプルでも、清潔感・統一感を出すことで、カフェ風のお家が好みな内見者さんに充分訴求できるように思います。費用としてはそんなに掛けていません。
そして、インテリアが好きな入居者さんはお部屋の使い方が丁寧である事も、おしゃれなお部屋にリフォームする大きな意義の一つです(^ - ^)
■ どうやってリフォームのアイディアを考えているの?
どうやって、リフォームのアイディアを考えているの? と、時々きかれるのですが、自分でもわかっていませんでした。コラムを書くようになって客観視してみたら、もう癖みたいなものなのですが、「 いつでも目が探している 」という感覚に気づきました。
例えば映画やテレビドラマやCMの家周りのシーンには、一瞬しか映らない様なシーンにも、スタイリストさんがコーディネートした沢山のアイディアが盛り込まれています。
その中にはレトロで可愛いお部屋もたくさんあります。やっぱり古いお家は味わいがあって、絵になるのですよね(^ - ^)。そういった場面を見逃さないようにしている事がわかりました。
街中、旅先でもそうですが、萌えポイント探しや可愛い色合い、バランスや見せ方…そういったものを見つけて頭の中にスウトックしておく事で、内見時のボロッボロ状態からでも、リフォーム後のゴールのイメージが浮かび、物件を購入するかの判断にも繋がるのです。
10代の頃からインテリアと旅行が大好きで、いつも無意識で探してきたものがいつのまにかたくさんストックされて、今になって役に立っているなんて、不思議な気持ちです。
大家さんは今まで経験してきた人生や性格までもが経営に現れるのがとても面白いですね。
街中には古い空家が溢れていて、こうしたら良くなるのに…と、残念な思いで眺める事もよくあります。古いお家をネガティブに捉えるのではなく、可愛く化けるポテンシャルを秘めている、と温かい目線で見てあげる事でアイディアが浮かんで来ると思います。
格安で購入できる事も多い築古戸建の魅力を大家さん自身で引き出し、喜んでご入居頂けて、街並みも明るさが戻る。おまけに、高利回り♪。
是非、楽しみながら再生してみて下さいね。きっと、自分を褒めてあげたい気分になると思います( 笑 )
読んで頂きありがとうございました。それではまた次回♪