いつも一年のうち、前半は物件を結構買えて、後半はリフォーム、という流れが何故か続いていますが、今年の後半は大型台風に見舞われたり、トラブルも多かったので改めて大家業の厳しさを知った一年でもありました。
それでもやめようとは思えないのはやっぱり不動産ならではの喜びや楽しさがあるからでしょう(^ - ^)
■ 初の街中! 築50年の駅近戸建を購入
さて、今回はいつもの海近物件の真逆?! な、DIY可能物件を貸し出した時のお話です。
戸建を個人でいくつか購入し、無事に運営できたことで、少し自信を付けた私は、そろそろ法人化も視野に入れたい、そして、レバレッジをかけてアパートも購入していきたいな?と考えるようになりました。
その前段階として、共同担保に使えそうな( 海近エリアは買いやすいけど、共同担保としては弱い! )都内寄りエリアで戸建を買ってみよう!と、またまた検索→内見千本ノック( は、大袈裟ですが・笑 )の日々を始めました。
エリアが違えば相場も土地勘もゼロから学び直し。最初はひたすら安いものから見ていったのですが、あまりピンと来るものが見つかりません。やっぱり甘くないな?、と思っていたある日、駅近の気になる物件を発見しました。
問い合わせると、「 キーボックスは物件に付いているから一人で見てね! 」というお返事が。どうせまたダメかな。と思いつつ、用事を済ませて最後に物件に向かいました。
え、何このベニヤ貼り?? うっすら暗くなってきた夕方、言われた番号でキーボックスを開けて鍵を取り、恐る恐る中に入ってみます。築50年、がっつり砂壁?( 苦笑 )。でも、しっかり古い分、レトロ可愛い萌えポイントもちゃんと残っています。
部屋もゆったり広いし、生活しやすい環境だし、これは磨けば光るポテンシャルはある♪ そう判断して一回りした所で、床にドア一枚分・人が寝たくらい?の板が何故蓋のように貼り替えてあります…!
げー!まさか事故物件?!!( ; ; )慌てて外に出て、仲介さんに電話して聞いてみました。すると、「 掘りごたつですよ 」というではありませんか。昔の掘りごたつで、火鉢を入れるタイプだそう。後で開けてみたらホントにそうでした( 笑 )。
ホッとして、総合的に考えてみました。「 何しろ便利な立地! 絶対にファミリー需要がある。カフェ系にリフォームしたら、若いファミリーが住んでくれそう♪ 」。そんな算段で買う事にしました。
当初の買付は2番手だったのですが、1人目がキャンセルになり、無事に回ってきました。ご縁がある物件あるある、ですね(^ - ^)
■ 4組の候補から店舗希望のクリエイター系入居者さんに決定
そして無事に購入。ところが、今までの海近物件はサーフィンがてらリフォームができたので良かったのですが、この物件エリアには、この物件のためだけに行かねばいけません。これが何とも、週末リフォームサーファーの私達には難易度が高く…。
かと言って、全部プロに任せては大きな家だしリフォーム費用がかかりすぎます。とりあえず、傷んだ雨樋と外壁塗装、多少の補修をプロに依頼しながら 何かいい案はないかな?と考えました。
アンテナを張っていると、隣の市に、古いDIY可能物件ばかりを紹介して街作りに貢献している不動産屋さんがあるのを発見! 早速問い合わせると、「 ウチのエリア外なんですが、心当たりがあるから紹介しますね 」と親切に仲介を引き受けてくださいました。
「 がっつりDIYしたいクリエイター気質の入居者さんは、全部自分達でこだわりたいので、大家が先にやっても気に入らない場合もあるから、なるべくそのまま、畳替えもなし、照明も裸電球のみで募集します 」
と言われたときは驚きました! 目からウロコな気分です。そんなwin-winな事ってありますか?? と入居者さんが決まるのを楽しみに待つ事にしました。
数日後、陶芸家の方が工房兼アトリエにと内見に来てくれましたが、希望のエリアとマッチせず。そこからは反応も薄く、あ~やっぱりそんな上手くいかないかぁ。。。とファミリー向けにDIYをじわじわと始め、普通の賃貸募集も始めると、ほぼ同時期に4組からの入居希望をいただきました。
Bさん:今日から彼女と住まわせて欲しいという離婚調停中のヤンキー風な方( 汗 )
Cさん:親戚3組・7人で住みたいという方。大家族で壁に穴が空きそうな予感…
Dさん:クリエイター向け不動産屋さんからの、店舗兼二階を倉庫利用したいと言う若き開業希望の方。しかし、賃貸開始は2カ月後を希望
うーん、貸すならクリエイター系の店舗が物件も素敵になりそうで良いけど、2カ月後かぁ…。
そして夫婦会議の結果「 家賃はすぐ入らないけれど、応援も兼ねてDさんに2カ月フリーレントをつけてあげたら、DIYも始められて良いのでは?! 」ということになりました。
■ 入居者さんのリフォームで雰囲気のある店舗物件に
そして、無事契約。するとしばらくして、Dさんからリフォームプランの打診が来ました。
え?!これ全部、入居者さんがやってくれるの?! 畳→古材を使った床に貼り替えまで!? 絶対に素敵なお店になるのが想像出来て、もちろんすぐにOKしました♪
結果、予定より1カ月早く開店できたそうで、喜んでいただけました(^ - ^)。開店日にはお店に似合いそうな雰囲気のお花を贈りました。
もともと、こういう雰囲気のお店が大好きで、前々から散々巡っていたので、自分の経営ではないけれど、ワクワクします。所有した物件が自分好みに店舗になるなんて、なんだか不思議な気分です。
そして、更に嬉しい事に、前の所有者だった新築から長年ずっと住まわれていたおばあちゃんが、そのお店に訪ねて来てくれたそうです。ご近所の方から「 店舗になったよ 」と聞いてきてくださったとのこと。
店主の彼が一瞬、白く塗ってしまおうかと迷った「 家族の成長が刻まれた柱 」が残っているのを見て、とても喜ばれていたそうです。素敵なエピソードを聞いて、あぁ彼に貸して良かった! と私までホッコリしてしまいました(^ - ^)
■ 大家になって3年で実感すること
そんな店舗物件につい先月、「 空家投資 」というテーマでテレビ取材が入りました。仲介してくれた不動産会社さんに取材のオファーがあり、「 管理物件の中で、個人投資家の物件を希望されているので 」とお声掛けいただきました。
最初に見に行った時のボロボロベニヤ貼り状態の時には、考えられない事です。今ではたくさんの人が訪れて、暗かった空家と周りの雰囲気までイキイキとしています。空家を再生させる事で、大家さんも世の中の役に立っているんだなと、うれしくなりました。
手探り状態で大家を始めて3年、その時の選択が後になって点と点が線に繋がっていく事を少しずつ実感しています。その時は意味がないように思えた事も、しばらく経って金銭的以外でも良い形で返ってくる事が多々あります。
やはりその都度、自分だけでなく、周りにとっても良いと思える選択をする事が忘れた頃に響いてくるものなのですね。これは逆の形もあることも実感しています。来年も良い年にするために、ちゃんと目の前のことを選択して行動していこうと思います(^ - ^)
今年はこちらが最後のコラムです。読んでいただきありがとうございました。皆さま、良いお年をお迎えくださいませ♪ 私はお正月も海です!