3・11に塩釜で起きたこと～小さな違いが生死を分けた現実～

■ 助かった人とそうでなかった人

私の姉は、石巻、塩釜に約30年住んでいます。3.11の震災の当日、姉は危篤の父の看病で神奈川に、旦那さんはちょうど出張で東京に、子供2人と介護の必要な犬も東京の実家に仮住まいしていて、結果的に家族全員が震災から免れました。

家は塩釜の海の見える丘の上にあり、津波も大丈夫でした。坂の下まで水が上がったそうです。

旦那さんは仕事の関係で、震災2日後に、新潟経由で塩釜に戻りました。池の水をトイレに使い、ローソクを灯してしのぎました。港の埠頭には、まだご遺体が並べられていたそうです。

震災2週間後に他界した父の葬儀の時に、塩釜から車で来られましたが、ガソリンスタンドを見つけてはちょっとずつガソリンを買い、大量にガソリンを積んで帰っていきました。

介護の必要な犬は結局夏に死に、姉は塩釜に帰っていきました。年末、姉のもとには、喪中のはがきが大量に届きました。ご親族のどなたかが亡くなった友人が多かったようです。

姉の友達は、避難所になっている小学校の体育館に避難しました。たまたま体育館の上階にいたのですが、津波が下の階に押し寄せてきて、下にいる方々が巻き込まれる地獄絵を見てしま...