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先日の台風で、母の練馬にある元実家を改造したアパートで、雨漏りがありました。
カラー鉄板の瓦棒葺きという板金( ばんきん )による屋根です。薄い金属板を折ったり曲げたりすることを板金と言います。鉄板と言っても、厚みは0.4mm程度です。
漏った部分は、カラー鉄板の立ち上がり部分です。屋根でも防水でも、立ち上がり部分は水が漏りやすい、弱点となりやすい部分ですので、工事では要注意です。
下の写真は、上のカバーを外したところです。屋根の鉄板は5cm程度、立ち上がっていました。立ち上がりは5cmでは足りないですが、一番の問題は立ち上がった鉄板がそのまま切断されていただけで、折り返し( 水返し )が無かったことです。
これでは、台風の風で雨水が屋根の上を巻き上げられ、壁の中に入ってしまいます。5mmでも先端を折っていれば、水はそこではね返されたはずです。
仕方なく、壁と鉄板の間に、三角形状にシールをすることにしました。
瓦棒( 下に木の棒が入っていて、それに鉄板を巻いたもの )のつなぎの部分にもシールをしています。
シールが完了して、上にカバーの板を敷きます。立ち上がり部分を雨から守る役目ですが、風の強い時は無力です。
板の上に鉄板を置いています。
壁の鉄板も元に戻して、鉄板は釘で留めます。最後に釘の頭にシールして完了です。
現在のカラー鉄板は意外と長持ちします。20年経っても、サビの出ていないものも多く見受けます。ガルバリウム鋼板( アルミと亜鉛の合金でメッキ )はさらにサビにくく、屋根としても優秀です。
金属屋根は夏の暑さ、雨の音対策が必要ですが、表面の雨は風でよく走りますので、上記のような立ち上がり部分も注意が必要です。立ち上がりは最低でも10cmは取って、先端は折り返して、上がってきた水を返す仕組みをつくっておきます。
今日のまとめとして
立ち上がりには水返しを!
となります。