致命的な欠点を持つ水平なオシャレ屋根

RCの陸屋根（ ろくやね：水平な屋根 ）はいつからつくられているのでしょうか？ 20世紀初頭のパリにいくつかルーツがありますが、RC造の近代的な集合住宅は、1903年にオーギュスト・ペレという作家が建てています。RC造によるボックス型の建物の歴史は、たかだか100年ちょいといったところです。

そんな中で建築作品として一番有名なもの、コルビュジエのサヴォア邸（ 1931　パリ郊外 ）を今回ご紹介します（ 下の写真 ）。去年の夏に見に行った時に撮ったもので、築80年以上ですが、きれいに修復されて保存されています。内部撮影も可能でした。

建築関係者の間では超有名な建物で、いつ行っても現地には日本人がいます。もちろん他の国の建築学生らしき方々も散見しますが、何と言っても多いのは日本人です。かく言う私も、何度も訪問しています。



コンクリートは古代ローマで大々的に使われていましたが、それに鉄筋を入れて補強した鉄筋コンクリート（ RC ）は意外に新しく、19世紀中頃に考案されたものです。RC造陸屋根の建物が本格的に建てられるようになるのは20世紀に入ってからのフランスで、抽象的な立体としてのデザインは19...