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丸太を使ったユニークなリフォーム事例

原田ミカオさん_画像 第59話

白く塗りつぶして色をアクセントで入れるというデザインを、前回のコラムでご紹介しました。木の質感や色を安易に使わずに、まったく無くしてしまう設計でした。今回は逆に、木を思い切り使ったデザインをご紹介します。もっとも素の木に近い丸太を使ったものです。

下はリフォーム前の、ある味噌蔵です。なんと江戸時代の物件です。丸太で柱梁を3階建てに組んで、床には竹を敷いています。築150年以上の物件です。



下はリフォーム後で、造り酒屋のゲストハウス、観光バスのお客さんを入れる施設に改造したものです。床をすべてはがし、屋根にトップライトをつくって、光に満ちた立体格子を見せたものです。床は土っぽい感じを出したいため、素焼きのタイルを張っています。( 竣工写真は住宅建築1991年1月号から )



下はトップライトに幕を張ったところです。モニターの映像に集中してもらうための仕掛けでしたが、ワイヤーで引っ張る仕組みが故障したり、ほこりが落ちたりで、使わなくなりました( 失敗! )。

建築で動く仕組みを作るのは難しく、故障しやすく、メインテナンスも必要なため、これ以降、私はあまりやらなくなりました。最近動く屋根の競技場などがはやっていますが、やらない方がいいと私は思っています。



下はカウンターの写真です。約18cmの厚みのある試飲、試食、販売のカウンターです。荒々しい大空間に置く家具なので、薄っぺらい集成材ではバランスが取れません。

この無垢材を仕入れるために、近くの港まで探しに行きました。カウンター表面の蝶のような形の小さな材は、ちぎりと言って、割れが進まないようにする工夫です。カウンターを支える足は、太い丸太を使っています。



下は食事スペースです。巨大な樽は、味噌の醸造に使われていたもので、ワイルドで巨大な空間の装飾です。椅子も丸太を半割にしたものです。中に入れるようにすると、もっと面白かったなーと思っています。



もうひとつ丸太を使ったデザインをご紹介します。今年の夏、大学の地域連携でデザイン協力を依頼されたものです。公園に丸太のベンチを置くので考えて欲しいとのこと。見に行くと、下の写真のように、公園というより原っぱです!

丸太は40cmずつに切られただけのもの。責任者の方は、4つずつとか6つずつにペアに並べればと言っていました。それでは、なんともつまらないデザインとなってしまいます。



大きな原っぱに合うように、全体をS字形に並べるデザインを提案しました。丸太の間隔は、Sの先に行くほど狭く、径は太くなるようにしました。S字で人を誘い込もうという魂胆です。下は私が描いた絵です。



下が丸太を並べたところです。近隣大学の学生を動員しての作業でした。丸太上面を白く油性塗料で塗るデザインで提示しましたが、それは実現しませんでした。

原っぱ全体を大きなキャンパスと見立てて、全体として大きな形とした、ランドスケープデザインと呼ばれるようなものです。幼稚園生が集団で来るような所なので、みんなで座ってくれればいいなーと思っています。



丸太はもっともプリミティブな木材ですが、ワイルドな大空間には合います。以前は木造住宅の梁や束によく使われていましたが、最近では集成材に取って代わられてしまいました。

しかし心持ち、皮付きの丸太は丈夫で長持ちな上にコストが安いので、色んな使い道があります。木の無垢材というとフローリングがすぐに思い浮かびますが、丸太も考えてみたらいかがでしょうか。

今日のまとめとして
何とかと丸太は使いよう!
となります。
みなさまの建築と不動産の勉強の一助になれば幸いです。


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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 原田ミカオさん

原田ミカオ
原田ミカオさんのブログ

■ 経歴

1959年 東京都生まれ。
1982年 東京大学建築学科卒業。
1986年 同大学修士課程修了。
現在、東京家政学院大学生活デザイン学科教授。

2004年から、不動産投資を開始。
現在、アパート5棟、戸建9棟、計51戸を所有。

■ 主な著書

・20世紀の住宅−空間構成の比較分析( 鹿島出版会 )

・ルイス・カーンの空間構成 アクソメで読む20世紀の建築家たち
・1級建築士受験スーパー記憶術
・2級建築士受験スーパー記憶術
・インテリアコーディネーター受験スーパー記憶術
・福祉住環境コーディネーター2級受験スーパー記憶術
・構造力学スーパー解法術
・建築士受験 建築法規スーパー解読術
・マンガでわかる構造力学
・マンガでわかる環境工学
・ゼロからはじめる木造建築入門
・ゼロからはじめるRC造建築入門
・ゼロからはじめるS造建築入門
・ゼロからはじめる建築の設備教室
・ゼロからはじめる建築の法規入門
・ゼロからはじめる建築の施工入門
・ゼロからはじめる建築の構造入門
・ゼロからはじめる建築の計画入門
などゼロからはじめるシリーズ全14冊
( 以上、彰国社 )
など。


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