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大金持ちの陰謀。これで覚えられるB/SとP/Lの左と右。

原田ミカオさん_画像 第63話

ロバート・キヨサキ氏の新刊「 大金持ちの陰謀 」( リーマンショック後の2008年刊、翻訳本は2016年3月刊 )を読みました。広瀬隆氏の本で系図まで出てくるような国際金融の裏側のお話が、なんとこのキヨサキ本でもあちこちで書かれていました。

陰謀と言っただけでトンデモ本に分類されやすいですが、ドルを牛耳っている人達、政治、戦争、金融、教育、マスコミの結びつき、そして個人としてどうすべきかのお話は、投資家として知っておくべきことかなと思います。



ロバート・キヨサキ本では、しきりに財務諸表の話が出て来ます。不動産などの投資をやっていると、財務諸表を読めることが必須と言われています。別に自分で経理をやる必要はないのですが、理屈や仕組みを理解する必要はあると思います。

ミカオは簿記の入門書などで悪戦苦闘してきました( 今もしています )。そこで、今回はB/S( Balance Sheet 貸借対照表 )とP/L( Profit and Loss 損益計算書 ) のお話をしようと思います。

まず悩ましいのが、入門書の初めに出てくる借り方、貸し方、左か右かという複式簿記の仕訳( しわけ )です。覚え方として借り方の「 り 」の文字形が左に伸びる形なので左側で、貸し方の「 し 」が右に伸びる形なので右側等とあります。

この貸し借りの言葉を深く考えずに覚えてしまうこと!などとよく書かれています。それなら最初から左と右でいいじゃないか、と思うのは私だけでしょうか・・・。

さらに、その左、右も、どうしてそっち側に最初に決まったのかの理屈もなく、あるいは分からずにただ覚えねばならないということに、ひたすら苦痛を感じていました。

■ B/S、P/Lの覚え方

そこでミカオは10年前に、下図のような、ミカオの左手則、右手則( 商標登録申請予定 )を考えて、その頭にくる右、左を克服しました。



今でもこれで考えるようにしています。動的なのが右手、静的なのが左手とは、もちろん、フレミングの法則のパクリです。

右手は動的な流れで、親指から入ってきた収益が、人差し指から費用として一部が抜けて、残ったのが中指の純利益となります。ある期間のお金の流れ、フローを表します。

左手は静的な今存在する量を表し、親指は不動産や現金などの資産で、右側はその中身、お金の出所で、人差し指は負債、中指は資産から負債を引いた残りの正味の財産、純資産となります。ある瞬間の財産価値の残高、ストックを表します。

お風呂に例えると、給水、排水がフロー、貯まった水がストックです。

貯まった水( 資産 )は、自分でくんできた水( 資本 )と、他人がくんできた水( 負債 )、さらに給水と排水の差の分の水( 利益剰余金 )が混じっています。自分でくんできた水( 資本 )+給水と排水の差( 利益剰余金 )が正味の自分の水( 純資産 )です。

■ 仕訳とB/S、P/Lの左右は一緒

取引ごとに左右に仕訳して、仕訳帳や伝票に書き込みます。そこでも、上のB/S、P/Lの左右と同じ側に振り分けます。現金は資産だからB/Sの左。だから伝票でも、現金が増える場合はそのまま左、減るのはその逆( マイナス )だから右です。

たとえば資本金( 個人では元入金という )を1,000万入れる場合、資本金は純資産でB/Sの右なので、右に資本金1,000万、資産の現金が増えるので左に現金1,000万となります。



費用を100万使う場合、費用はP/Lで左だから左に費用100万、B/Sの左の現金が減るから( マイナスだから )右に現金100万とします( 実際は、費用はもっと細かい科目、たとえば旅費交通費などに分かれています )。



このように取引ごとにペアで左右に分けて仕訳されたものを、最終的に左右そのままにして科目ごとに縦に合計してひとつの表( 試算表 )にします。

できた表をさらにふたつに分けたのが、上記のB/SとP/Lです。ですから、仕訳時の左右は、B/SとP/Lの左右と一致します。B/SとP/Lでの左右を覚えられると、仕訳の左右でも迷わなくなります。

左右に分けるのが複式簿記の基本ですが、最終的な表は縦積みにすることもあります。特にP/Lは縦積みにされることが多く、ロバート・キヨサキ本やキャッシュフローゲームのB/Sは横組み、P/Lは縦積みです。

また企業のP/Lは、売上総利益( 粗利 )、営業利益( 本業の儲け )、経常利益( 営業外の利息などを含めた日常的な経営からの儲け )、税引前当期純利益( 臨時に発生した利益を足した儲け )、当期純利益( 税金を引いた儲け )と、段々の滝( カスケード )のようなP/Lとするのが一般的です。経営の分析がやりやすいからです。

■ 不動産1件分のB/SとP/L

物件一件分だけB/S、P/Lを切り取ってみたのが、下の図です。建物の絵は、親指から連想しやすい形にしてみました。たとえば1億の物件の場合、左手親指の資産は1億です。3,000万自己資金を入れていたら、B/Sの右側の負債は7,000万、純資産は3,000万です。

運営が始まると、右手のP/Lの親指から80万の家賃=収益が入ってきました。修繕費などの費用40万がP/Lの左側、人差し指から抜けていきました。そして残ったのが中指の純利益40万です。



B/Sの右側はどうやって資金を調達したかの調達方法、B/Sの左側はその資金を何に投資したか、何に変わったのか( 不動産とか現金・預金など )の存在物の現在価値を表します。

P/Lの右側はある期間で収益がどれくらい入ってきたか、左側はそのための費用がどれくらいかかったか、結果、残りの手残り、純利益はどれくらいかを表します。どちらの表も、左右は等しくなります。

P/Lの純利益は、B/Sの純資産における利益剰余金に連動します( イコールです )。そこでP/LとB/Sが太いパイプでつながっています。B/Sの純資産は、資本+純利益と大きくなります。

風呂の水の例では、給水量−排水量=増えた水量で、この増えた水量( フロー )の分、前から貯まっていた水量( ストック )が増えます。給水量−排水量=増えた水量が純利益、貯まった水量の増量分が利益剰余金で、中身は一緒です。

■ リスクの高いB/SとP/L

リスクの高い場合のB/SとP/Lが下図です。両手とも、中指が折れ曲がり、資産、収益のわりに、純資産、純利益が少ないケースです。前回お話ししたように、狭い道を高速で走る運転技術が必要です。フルローン&低利回りの物件では、このようなB/SとP/Lとなります。



親指の資産と収益は目立ちますが、見るべきはやはり、一番目立たない中指の純資産( net assets )と純利益( net income )です。当たり前ですが、ネット( 正味の )が付くもので見ないと、見誤ってしまいます。

資産何億! とか家賃何千万! といっても、中指が折れ曲がっていたらリスクばかり高くて、ふたを開けたら儲かっていない、いつ破綻するかわからないということになってしまいます。

ちなみに以前のコラムで書いたピケティの「 21世紀の資本 」の資本とは、この左手中指の純資産のことで、資本収益率rは、この純資産に対する右手中指の税引前純利益の利回りです。

今日のまとめとして
B/Sは左手、P/Lは右手!
ともうひとつ、
親指は目立つが、見るべきは中指!
となります。

みなさまの勉強の一助になれば幸いです。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 原田ミカオさん

原田ミカオ
原田ミカオさんのブログ

■ 経歴

1959年 東京都生まれ。
1982年 東京大学建築学科卒業。
1986年 同大学修士課程修了。
現在、東京家政学院大学生活デザイン学科教授。

2004年から、不動産投資を開始。
現在、アパート5棟、戸建9棟、計51戸を所有。

■ 主な著書

・20世紀の住宅−空間構成の比較分析( 鹿島出版会 )

・ルイス・カーンの空間構成 アクソメで読む20世紀の建築家たち
・1級建築士受験スーパー記憶術
・2級建築士受験スーパー記憶術
・インテリアコーディネーター受験スーパー記憶術
・福祉住環境コーディネーター2級受験スーパー記憶術
・構造力学スーパー解法術
・建築士受験 建築法規スーパー解読術
・マンガでわかる構造力学
・マンガでわかる環境工学
・ゼロからはじめる木造建築入門
・ゼロからはじめるRC造建築入門
・ゼロからはじめるS造建築入門
・ゼロからはじめる建築の設備教室
・ゼロからはじめる建築の法規入門
・ゼロからはじめる建築の施工入門
・ゼロからはじめる建築の構造入門
・ゼロからはじめる建築の計画入門
などゼロからはじめるシリーズ全14冊
( 以上、彰国社 )
など。


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