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豊洲市場の地下ピットは何が問題?

原田ミカオさん_画像 第69話

豊洲市場で、地下空間が問題となっています。そこで、あまり目にすることはないけど重要な地下空間について、今回はお話しします。

■ 地下ピットはあった方がよい

地下ピットと呼ばれる地下空間は、ほとんどの分譲マンションでつくられています。賃貸住宅でも、RC造、S造では作った方がよい空間です。下の図のように、配管の横引きが地下ピット内で行われます。上階から落ちてきた排水管をここで横引きして、建物外へと持っていきます。


( 拙著『 ゼロからはじめる[RC造建築]入門 』p107より引用 )

土の中に配管を埋め込んでしまったら、配管のメンテナンスは、RCの床を壊さない限り不可能となってしまいます。地下ピットは配管のメンテナンスだけでなく、湿気が上がるのを防ぐ、熱が逃げるのを防ぐ役目も担います

普通は基礎梁の高さ分を空間とし、基礎梁( 建物で一番大きい梁 )のところはスリーブ( 配管のために貫通させる孔 )を空けます。人が通れるように人通口( じんつうこう )をあけることもあります。

下の写真は、ミカオが勤めるキャンパス内のトイレで、最近リフォームをした際に撮った写真です。ハッチ( 上げぶたの付いた昇降口 )が床にあります。



ふたを開けたところです。地下ピットが見えます。



地下ピット内の汚水管が見えます。鋼管で、かなり古いものです。



地下ピット内部です。手前の汚水管は古く、奥にある汚水管は、今回のリフォーム時に塩ビ管でやり直したものです。このコンクリートスラブ( コンクリートの版 )の上に、便器があります。古い鋼管、鉛管は、塩ビ管に置き換えた方が、水漏れが少なくなります。



地下ピットがなくて土に埋め込まれていたら、このようなリフォームは不可能となります。

■ 豊洲市場の地下ピットは問題?

さて豊洲市場の地下ピットですが、ネットニュースでの情報だけから判断すると( うちにはTVがないので )、盛り土とすべき位置まで掘り下げて、大きめ( 深め )のピットとしているようです。

ミカオ個人の考えでは、盛り土とするよりも地下ピットがあった方が安全なように思えます。盛り土だけだと、汚染物質が床下までしみて上がってくる可能性があります。

さらに地下ピット下にコンクリートスラブをつくれば、その危険はかなり少なくなります( 図面を見ていないのでここはわからず )。コンクリートスラブは20cm近くの厚みがあります。

盛り土するにしろしないにしろ、地下ピットは必要だったのではないでしょうか。その深さを増やして盛り土の位置まで大きく( 深く )してしまうのは、いい手なのではと。

コストが下がるならなおさらです。また地下ピットまでのちょっとの間に薄い盛り土をするのは、意味がないと思います。( 決定の手続きや政治上の問題は別ですが )。

地下ピットに水が溜まっているのがどうしてなのかなと、対策をしなかったのかなと、ミカオには疑問でした。

埋め立て地のような地下水位が高い所では、コンクリートの打ち継ぎ目地から、必ず水が入ってきます。そこで水が入る可能性のある地下ピットには、下図のような湧水槽( ゆうすいそう )をつくり、水中ポンプを入れておきます。

地下室でも、その床下には必ず湧水槽はつくります。打ち継ぎ目地に止水板を入れることもあります。また万全を期すならば、地下のコンクリートのグルリ外側を防水してしまいます。


( 拙著『 ゼロからはじめる建築の[設備]教室 』p70より引用 )

豊洲市場の場合、湧水槽を作って水を排水し、さらに換気扇+煙突を付けて地下ピット内を負圧( 大気圧より低い )にすれば、汚染物質が上の階に上がる可能性はかなり低くなるはずです。

ちなみにコンクリートは常にアルカリ性で、中性化すると内部の鉄筋がさびてしまいます。打ち継ぎ目地を通ってきた水は強いアルカリ性となるので、溜まった水がアルカリ性なのは問題ありません。

コンクリートの中性化は、悪い意味で使われる用語で、コンクリートの寿命を決めるひとつの要因となっています。

今日のまとめとして、

地下ピットはあった方がいいけど、水処理は忘れずに!

となります。皆様の建築と不動産の勉強の一助になれば幸いです。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 原田ミカオさん

原田ミカオ
原田ミカオさんのブログ

■ 経歴

1959年 東京都生まれ。
1982年 東京大学建築学科卒業。
1986年 同大学修士課程修了。
現在、東京家政学院大学生活デザイン学科教授。

2004年から、不動産投資を開始。
現在、アパート5棟、戸建9棟、計51戸を所有。

■ 主な著書

・20世紀の住宅−空間構成の比較分析( 鹿島出版会 )

・ルイス・カーンの空間構成 アクソメで読む20世紀の建築家たち
・1級建築士受験スーパー記憶術
・2級建築士受験スーパー記憶術
・インテリアコーディネーター受験スーパー記憶術
・福祉住環境コーディネーター2級受験スーパー記憶術
・構造力学スーパー解法術
・建築士受験 建築法規スーパー解読術
・マンガでわかる構造力学
・マンガでわかる環境工学
・ゼロからはじめる木造建築入門
・ゼロからはじめるRC造建築入門
・ゼロからはじめるS造建築入門
・ゼロからはじめる建築の設備教室
・ゼロからはじめる建築の法規入門
・ゼロからはじめる建築の施工入門
・ゼロからはじめる建築の構造入門
・ゼロからはじめる建築の計画入門
などゼロからはじめるシリーズ全14冊
( 以上、彰国社 )
など。


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