ミカオは大学で設計製図を教えるのが本業ですが、それ以外に本書き稼業をしています。毎朝、4時から7時までの3時間は絵を描いたり文章を書いたりと、やたら根気のいる作業をしています。
その他、物件検索をしたり、リフォームの戦略を練ったり、管理会社さんとやりとりをしたり、集中して取り組みたい作業はいろいろとあるため、ミカオ専用の仕事部屋を持っています。
「 男の仕事部屋 」というような本はけっこう出版されていますので、この話題に興味がある方は、不動産投資家の中にも多いのではないでしょうか?
ところで、仕事部屋に必ず必要になるのが本棚です。仕事場や書斎、物件に壁面いっぱいに本棚をつくりたい。でもどうしていいかわからないというケースが、意外と多くあります。
既製品では部屋の寸法にピッタリしないし、本もうまく収納できない。でも作り付けるのはコストがかかって大変です。今回、自宅ツーバイフォー物件をリフォームして大型の本棚を作ったので、参考までにそのお話をしようと思います。
ミカオは2DK×3の自宅併用物件で、1件を仕事部屋として使ってきました。最初はきれいで快適だったのに、13年経った去年暮れには、下の写真のようなありさま。
建築のイラストや文章を書くのに、学会のマニュアルや法令集、写真集などの大量の本を参照しますが、大型の本棚やテーブルでは足りずに、床にも本が広がってしまいました。
ニ○リで買った本棚も、下のように棚板がたわんでしまいました。棚板の横の長さ( スパン )は約80cmで、重い本を載せるには長すぎます。
同僚の大学の先生の話で、イ○アの棚板がたわんで困っているというのもありました。本棚に悩んでいるのはミカオだけではないんだなと思った次第です。
ミカオは設計でかかわった住宅で、本棚で何度が失敗しています。それは棚板を支える縦板の間隔( スパン )を70cmから90cmと長くしたせいです。厚い板を使っても、スパンが長いとダメでした。
嫁さんのミカコにも嫌われているゴチャゴチャの仕事場ですが、それが自宅横にあったおかげで、今シリーズの14冊を書くことができました。
下は新宿の書店、建築構造部門で拙著が並んでいるところ。ゼロからはじめる木造、RC造、S造は、大家さん達にも広く読んでいただいております。
引っ越しをするのを機に、下の写真のような仕事部屋をつくりました。4畳半の小さな部屋の周囲グルリを、窓側のテーブルを除いてすべて本棚にしました。テーブルの下も本棚です。
A4サイズが基本で、テーブル下は図面が入るようにA3サイズにしてあります。縦板を細かく入れると、横板がたわまないだけでなく、本が倒れなくなります。
スチールラックの本棚だと丈夫ですが、本を倒れないように収納するのが大変です。下の写真の右奥は、収納を壊して、中を天井まで本棚にしている部分です。
さてその本棚の作り方ですが、下のようなランバーコア合板( 材木を心材、コアにして両面にべニア板を張った合板 )21ミリを使いました。それに棚板を受ける溝を彫ってもらい、縦板としています。
溝を彫らずに、小さな棚受けの材を打ち付けたり、ダボ孔+ダボ( 小さな円筒形の金具 )にしたりもします。ミカオの場合はA4サイズの本が多いので、しっかりと固定しました。
下は本棚を組んだところ。小口( 板の断面 )は後から大手テープという薄い木製のテープを貼ります。コストをかけるなら、小口に薄い板を貼ってもらう方が見栄えはよくなります。ミカオは見栄えよりも、安く収納力をアップする方を取りました。
ポイントは縦板の間隔、スパンを40~45センチ程度と短くしたこと。このスパンならば、棚板はたわみません。既製品の本棚を買う場合も、スパンの40~50cmのものをおすすめします。
本棚の裏側にも、ランバーコア合板21ミリを打ち付けています。さらに、前回のコラムでもお話したように、下のようなコンパネ厚さ12ミリを釘打ちしています。
大型の本棚を石膏ボードにだけ留めていたら、地震の時に倒壊する恐れがあり、大変危険です。地震の水平力は、重さに比例して大きくなります。
この加工組み立ては大工さんにやってもらいましたが、「 これは家具屋の仕事だよ! 」と文句を言われました。家具屋さんに頼むと、大工さんよりも高くなってしまいます。
テーブルの周囲に天井まである本棚ができ、本も分類収納できて、ミカオは大満足。引っ越しが終了して落ち着き次第、また書き始めようと思います。
早起きしてイラストを描く作業は大変ですが、ライフワークでもあるので、楽しみながら続けようと思っています。
今日のまとめとして
本棚のスパンは長いとたわむ
45センチ以下がベスト!
となります。皆様の建築と不動産の勉強の一助になれば幸いです。