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マンションの1階床下に大きな空洞が?!

原田ミカオさん_画像 原田ミカオさん 第8話 著者のプロフィールを見る

2011/10/27 掲載

前回に続き、地下ピットのお話を続けます

以前ある方から、マンションの地下を見て欲しいと言われたことがあります。10階建て、100戸程度の分譲マンションで、地下ピットに案内されました。1階床下の鉄扉の鍵を開けてもぐり込んで、広大なコンクリートで囲まれた空間を見せられたことがあります。

人の立てる高さではないのですが、かがんで進むことはできます。懐中電灯で照らされた空間が、非常に広く感じました。「 この空間は無駄ではないのか、設計や工事の手抜きではないのか? 」と聞かれました。

分譲マンションの1階は、浸水対策やプライバシー保護のため、1m程度、地面から上げることが多くあります。そして地面の下にもスラブ( コンクリートの版のこと )を付けて、1階の床スラブとその下のスラブとで、2重スラブとすることも多々あります。

前回は耐圧版で支えるための、主に構造的な理由からできた地下ピットでした。大型のマンションでは杭で建物を支えるので、この2重スラブは構造的な理由ではありません。



トイレなどの排水管は、1階床下で横に流して、建物の外へと導きます。給水、ガスなどの配管も、ピット内で分岐して上に上げます。

地下ピット内には、人が入れるようにしておきます。分譲マンションの場合、地下ピットは共用部なので、ピットの入り口は外から鍵を開けて入れるようにしておきます。ピットは大きな梁で分断されますが、その梁の中央付近に人がやっと通れるくらいの穴( 人通口 )を空けておきます。

排水管の水漏れなどが起きたら、ピット内に人が入って、簡単に直すことができます。地下ピットが無いと、配管のメンテナンスができず、床をはがして土を掘り起こして修理することになります。それができない場合は、既存の配管は埋め殺しにして、別に露出配管するなどの手を考えねばなりません。

設備のメンテナンスがしやすいばかりでなく、湿気が上がりにくい、断熱が良いという効果もあります。「 床下を土で埋めてしまうよりも、良心的な設計です 」と、その方には答えておきました。

地下ピットを建物全体で作らない場合も、水回りの下だけ、またはパイプスペース( 配管を集めたところ )の下だけはつくっておくと便利です。

下図は葛飾区の低地に建つ、3階建てのS造の住宅です。水回りの部分だけ地下ピットとして、その他の部分は土を埋め戻しています。土の上にコンクリートを敷いて土間コンクリート( 略称土間コン:構造に関係無いコンクリート版 )とし、その上を床としています。



配管のメンテナンスは、床下にもぐり込めば可能です。木造の場合は床下が必ずあるので、配管の近くにハッチ( 上げぶた )を付けるか、ネジで板が外れるようにしておくと、メンテナンス時に床を壊さずにすみます。

結論として
床下に空洞をつくって、配管を横へ曲げよ
となります。

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プロフィール

■ 原田ミカオさん

原田ミカオさん

原田ミカオさんのブログ:
https://plaza.rakuten.co.jp/mikao/


■ 経歴

□1959年 東京都生まれ。

□1982年 東京大学建築学科卒業。

□1986年 同大学修士課程修了。
現在、東京家政学院大学生活デザイン学科教授。

□2004年から 不動産投資を開始。
現在、アパート6棟、戸建13棟、計58戸を所有。


■ 主な著書

  • 20世紀の住宅-空間構成の比較分析( 鹿島出版会 )
  • ルイス・カーンの空間構成 アクソメで読む20世紀の建築家たち
  • 1級建築士受験スーパー記憶術
  • 2級建築士受験スーパー記憶術
  • インテリアコーディネーター受験スーパー記憶術
  • 福祉住環境コーディネーター2級受験スーパー記憶術
  • 構造力学スーパー解法術
  • 建築士受験 建築法規スーパー解読術
  • マンガでわかる構造力学
  • マンガでわかる環境工学
  • ゼロからはじめる木造建築入門
  • ゼロからはじめるRC造建築入門
  • ゼロからはじめるS造建築入門
  • ゼロからはじめる建築の設備教室
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  • ゼロからはじめる建築の構造入門
  • ゼロからはじめる建築の計画入門
  • など、ゼロからはじめるシリーズ全16冊( 以上、彰国社 )

など。

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