2週に1回程度、物件を見学、買付け、玉砕を繰り返し、ようやく最近、450万の戸建てを買いました。
モチベーションを維持するために、火の玉ガールさんやふんどし王子さんのような、若くて( ? )、元気のいい投資家さんのコラムやブログを見て、元気を出すようにしています。
物件の引き渡しはまだ先なので、その際はコラムにアップしたいと思います。
戸建ては9件目となりますが、そのすべてがミカオの好きな木造の在来軸組構法です。木造といえども、基礎は必ずコンクリート。人類が使う資源のうち、水の次に多いのがコンクリートだそうです。
前回のコラムでは、悪いコンクリートと良いコンクリートを、極端なイラストにしてお見せしました。
今回はどうやって良いコンクリートを「 打つ 」かを、絵にしてみました。コンクリートがどれくらいの強度を持つかは、テストピース( 供試体:きょうしたい )をつぶして試験して求めます。
そのテストピースは、下図のように、円筒形の型枠に詰めて、棒で突いて締固め、突き固めてつくります。しっかりと突き固めれば、黒っぽくて、均質な、密度、強度の高いコンクリートが出来ます。
その締固め、突き固めを怠けると、下のようなボロボロ、ボソボソのコンクリートが出来上がります。空洞( す )、未充てん、ジャンカ、砂すじ、コールドジョイント( 一体化されていない継ぎ目 )などができた、密度、強度の低い、多孔質のコンクリートです。
建物本体でも、生コンを打込むときには、下図のような作業を行います。棒で突く、バイブレーターで振動を与える、木づちでたたくなどです。
このような作業を行うことで、型枠のすみずみにまでコンクリートが行きわたり、ジャンカやコールドジョイントの発生を抑え、余分な空気が追い出された、密度、強度の高いコンクリートができます。
ミカオは学生時代、有名な建築家の現場で、コンクリート打ちのバイトを何度か経験したことがあります。また自分の設計したRCの建物では、コンクリート打ちの際、なるべく現場で手伝うことにしていました。
生コンが流し込まれたところを、木づちでたたきます。まだ流れて来ないうちにたたいて、職人さんから怒鳴られたことが何度かありました。生コンが来たかどうかは、音で判断します。生コンが来ないのにたたくと、型枠が変形してしまいます。
木づちでたたいたりバイブレーターで振動を加えると、生コンは液状化して、型枠の隅々にまで行きわたりやすく、砂利だけ分離することがなくなります。
ただし振動させ過ぎると、重い砂利が下に落ち、水が上に上がるブリーディングという現象を起こしてしまいます。ブリード( bleed )とは血を流すが原義で、生コンの上に水が染み出る現象を指します。
壁を木づちでたたいている間、床上では、下のイラストのような作業をしています。生コンを荒直しした後に、タンピングという突き固め、締固めの作業をします。
生コン内の不要な空気を追い出して、密度を高めているわけです。タンプ( tamp )とは突き固める、締め固めるという意味です。
なぜコンクリートを「 打つ 」というかというと、このタンピングの作業があるからです。現在のコンクリート打ちは流し込みに近く、タンピング作業をしっかりとやらない現場が多くなっています。
そのためコンクリート表面の密度が低く、ひび割れが入りやすいものも多く見受けられます。明治時代のコンクリートの方がましだ! といったことにもなりかねません。
昔、農家には、雨の日や夜の作業のために土間がつくられました。その土間はたたきと呼ばれ、土に石灰などを混ぜて、しっかりとたたいて固くしていました。コンクリートも同様に、たたく、打つが重要な作業となっています。
コンクリートは流し込むだけだと、大げさにいうとスポンジ状の多孔質となって、密度、強度が低く、水や二酸化炭素が入りやすく耐久性の低い代物となってしまいます。
また水の多いコンクリートも多孔質になりやすく、施工できる範囲で水を少なくするのも、密度、強度を出すポイントとなっています。
今日のまとめとして
コンクリートは打つもの!
流し込むとスポンジ状!
となります。皆様の建築と不動産の勉強の一助になれば幸いです。