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450万の戸建て。コンクリートの打ち放しはダメ。水浸しは良い

原田ミカオさん_画像 第83話

11月末に、450万の戸建ての決済が終わりました。これで戸建ては9棟になりました。戸建ての割合が増えて、収益が安定してきました。

アパートだけだと、空室がたびたび出てモグラたたきのようになりますが、戸建ては入れ替わりが少ないです。収益の振れ幅が小さくなって、フラットに近づきます。

今までの戸建てよりも少し遠いところですが、メジャーな駅徒歩10分ちょい、市役所のすぐ裏手、保育園、幼稚園、小、中、高校に囲まれた立地で、車もとめられるのでイケルと思い買ったものです。

お茶の先生をやっていた方の住宅なので、あちこち手が入れられていました。ただ今リフォーム見積もり中です。

■ コンクリート打ち放しはやめた方がよい

さて、前回のコラムでは、生コンの締固め、突き固め( タンピング )について、お話しました。それが不十分だと、砂利や砂が出た( ジャンカ )、充填されていない部分のあるコンクリートが出来上がってしまいます。

下の写真は、未充填、ジャンカ、鉄筋の露出が見られます。放置すると、どんどんひどくなります。おせっかいながら、どこかで補修して塗装するなりした方がいいかと思います。特に鉄筋部分は深刻です。



質の悪いコンクリートをこのような打ち放し( 生コンを打って型枠を放しただけの、仕上げ無しのコンクリート )にするのは、耐久性をかなり損ないます。RCの構造躯体そのものを危険にさらしているので、柱梁を仕上げ材で包んだ木造、鉄骨造よりも耐久性に劣る可能性があります。

RC造は鉄筋が表面に近いところにあるので、要注意です。木造の基礎は鉄筋が躯体の中心部分、奥に入ったところにあるだけなので、上の写真のようにはなりません。

安藤忠雄さん( 12月18日まで、新国立美術館で 展示会開催中 )がコンクリート打ち放しを日本ではやらせましたが、施工を考えずに表面的にまねすると、ひどいことになります。

特に賃貸物件は安いコストで急がせてつくるので、コンクリート打ち放しはやめた方がいいと思います。

コンクリート打ち放しは、形がシャープに見え素材感もあるので、建築家がやりたがるものです( ミカオもやっていました )。でも耐久性、断熱性に劣る( 内外打ち放しの場合 )ので、よほど気合いを入れて施工する場合を除き、避けたほうがいいでしょう。

■ コンクリートは湿潤養生が基本

下の写真は、木造の基礎コンクリートの現場です。なぜシートで覆っているかわかりますでしょうか。



これは直射日光を避けて、乾燥を防いでいるところです。コンクリート面やシートに散水して、湿潤養生( しつじゅんようじょう )しているのです。

コンクリートは乾燥して固まるのではなく、セメントと水が反応して固まる( 水和反応 )のです。コンクリート表面が乾燥して生コン中に水が不足すると、強度が下がります。また乾燥することで収縮し、乾燥収縮ひび割れを起こします。

円筒形のテストピース( 供試体 )は、約20℃の水に4週間漬けてから破壊実験をします。標準養生、水中養生と呼ばれるもので、この方法で強度が一番出ます。テストピースを水からすぐに抜いて気中養生した場合は、強度があまり出ません。

建築現場では、急いでいるからと型枠を早めにはずすと、その部分は気中養生となり強度が出ないばかりか、ひび割れを誘発してしまいます。



下は材齢と強度のグラフですが、水中養生で一番強度が発現し、早い段階で水から出して気中養生としたものは強度が出ていません。特に日の当たるコンクリート表面部分は、気中養生の上に水も蒸発しやすいので、強度が不足する可能性が大です。



下図のように、生コンを打って固まり始めたら、散水する、すぐに湿ったシートをかぶせるといった湿潤養生を行います。床版( 床スラブ )上は、生コンを打った翌日に墨出しなどの作業を始めることが多いですが、本当はもう少し散水して放置した方がいいのです。



大家さんが急がせるからと、業者さんは型枠をすぐにはずし、生コンを打った次の日には床上で作業を開始したりします。木造の基礎コンクリートでは、日光をさんさんと当てている現場も多く見受けます。本当は水を貯める( 湛水養生:たんすいようじょう )ぐらいがいいのです。

大家さんが3月の募集に間に合わせるために急がせると、業者さんは早く打って早く型枠を外すことしかやらなくなってしまいます。型枠をはずしたコンクリート表面は、湿潤養生ではなく気中養生となります。

強度が出にくく、ひび割れも発生しやすくなります。コンクリート表面の密度が下がり、二酸化炭素や水が侵入しやすくなります。ただし、湿潤養生が重要だからといって、生コンの水を増やすのは禁じ手です。

湿潤とは表面の状態のことで、生コンの調合の水を増やすことは、強度を弱めることに直結してしまいます。コンクリート表面に散水する、湿らせたシートをかぶせる、型枠を長く外さない、外しても表面に薄いビニールをしばらく貼っておくなどが湿潤養生です。

コンクリートの締固め、突き固めと湿潤養生は、新築大家さん、RC大家さんが知っているべき必須事項だと思います。

今日のまとめとして

コンクリートは乾燥して固まるのではなく
水と反応して固まる!
湿潤養生しないと、強度が出ずにひび割れが出る!


となります。皆様の建築と不動産の勉強の一助になれば幸いです。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 原田ミカオさん

原田ミカオ
原田ミカオさんのブログ

■ 経歴

1959年 東京都生まれ。
1982年 東京大学建築学科卒業。
1986年 同大学修士課程修了。
現在、東京家政学院大学生活デザイン学科教授。

2004年から、不動産投資を開始。
現在、アパート5棟、戸建9棟、計51戸を所有。

■ 主な著書

・20世紀の住宅−空間構成の比較分析( 鹿島出版会 )

・ルイス・カーンの空間構成 アクソメで読む20世紀の建築家たち
・1級建築士受験スーパー記憶術
・2級建築士受験スーパー記憶術
・インテリアコーディネーター受験スーパー記憶術
・福祉住環境コーディネーター2級受験スーパー記憶術
・構造力学スーパー解法術
・建築士受験 建築法規スーパー解読術
・マンガでわかる構造力学
・マンガでわかる環境工学
・ゼロからはじめる木造建築入門
・ゼロからはじめるRC造建築入門
・ゼロからはじめるS造建築入門
・ゼロからはじめる建築の設備教室
・ゼロからはじめる建築の法規入門
・ゼロからはじめる建築の施工入門
・ゼロからはじめる建築の構造入門
・ゼロからはじめる建築の計画入門
などゼロからはじめるシリーズ全14冊
( 以上、彰国社 )
など。


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