• 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集
  • 収益物件 売却査定

9,951アクセス

550万の戸建てを買いました。屋根は瓦がいい。還暦ユーチューバー。

原田ミカオさん_画像 原田ミカオさん 第90話

2019/6/20 掲載

みなさんこんにちは! ミカオです。去年の2月に心停止を3回やってから、最近は大分、体調が回復してきました。変な話ですが、毎日、トイレで座って用を足すときに幸せを実感します( ホントだよ )。

※ 死にかけた話は86回87回88回のコラム参照

家で普通の状態で家族と一緒に生活できる、普通にこの世に存在できることだけで十分幸せだなと実感しています。家の近くにある花や緑を楽しむ余裕もできてきました。

幸福は身近なところにあるわけで、豪華な海外旅行にあるわけでも金銭的な大成功にあるわけでもないんだなと、還暦になって気付かされました。小学校で習う「 青い鳥 」が教えてくれているのに、死にそうになるまで分からなかった。

ICUでの寝たきりの辛さ、喉の奥まで入れられた呼吸器の管、両腕の点滴、耳元で響く心電図の音、ベッドの上での用足し、はっきり見える・聴こえる幻覚・幻聴、頭の錯乱、腰の痛み、寝返りをまともに打てずにベッドに磔、その他あれこれはもうホント充分です。

自分は死ぬ存在なのだ、自分が死ぬと世界は無くなるんだ( 自分にとって )ということがよーーく分かりました。

本業の大学教員の仕事も復活し、本書き業、不動産業も毎日できるようになってきました。体調を見つつ不動産を見にも行けるようになりました。あまり根性入れないようにしながら、楽しみながら、いろんなことをコツコツとやっています。

以前は「 ゆっくり寝るのは死んでからで十分だ! 」と豪語して毎朝4時にバカ早起きして作業をしていましたが、今回本当にゆっくり永遠に眠りそうになって、間違いであることが分かりました。

死んだら仕舞です。今は十二分に睡眠を取っています。バカでしたねえ。

■ 戸建てに買付け 路線価、固定資産税評価額、公示地価

今年に入っていくつかの物件を見てはスルーを繰り返していました。6月の土曜に喫茶店でいつものようにスマフォで不動産サイトを見ていて、これは! という630万、築38年、4LDK、約90uの戸建て、オーナーチェンジ( 賃料6万 )を見つけました。

その場でいつもお世話になっている業者さんに電話して、まだ残っているか確認。すぐに家に戻り簡単に調査。

よく知っている駅15分、大学、モール、工場団地などがあり、立地もまあまあ。ネットで調べた土地の路線価は約660万( 私道含まず )、土地の固定資産税評価額は約540万( 私道含まず )でした。

一般に路線価は実勢価格の0.8掛け、固定資産税評価額は実勢価格の0.7掛けといわれますが、実際は売ってみないとわかりません。買い手がいなければ、いくらでも値は下がります。ネットで検索して計算しますが、計算価格は目安でしかないわけです。

役所が発行する評価証明が後から送られてきましたが、固定資産税評価額は土地本体が約538万、私道持ち分が約26万、建物が約120万で、合計約684万でした。建物が意外と高い。

ちなみに路線価は私道( 位置指定道路 公的に基準法上の道路であると認めて指定したもの )には振られていません。でも固定資産税評価額の地図には私道にも振られているので、それで計算します。

固定資産税評価額が表の道路に対して私道の方が0.9倍なら、路線価も0.9倍します。この物件は私道に入って2件目でした。

近くの公示地価のポイントから、路線価で比例計算すると約770万と出ました。公示地価は不動産鑑定士2名がさまざまな方法で鑑定した土地値。公示地価は実勢価格とほぼ同じとされますが、測るポイントが限られています。

そこで路線価を使って物件の土地値を計算するわけです。たとえば物件の路線価が公示地価のポイントの0.7倍ならば、公示地価を0.7倍にするとか。路線価、固定資産税評価額、公示地価は検索すればすぐ出るので、土地を買うときは最低でも調べる必要があります

■ 屋根は瓦がいい

500万台で買えればいい買い物だと判断し、530万の買付を入れてから、車に乗って急ぎ現地へ。車に乗ってといってもボクは心停止してから車に乗ることはやめたので、嫁さんのミカコに運転してもらって。

彼女にも物件を見てもらうためにも、なるべく一緒に行ってもらいます。見る目は多い方がいいし、ミカコに不動産を実践で身に付けてほしいので。



なんでこんなに急いだかは、写真で見た建物が良かったから。ボクは建築畑に長くいるので、どうしても建物の方に反応してしまいます。瓦葺きのオーソドックスな屋根( ベランダ下のみ鉄板の瓦棒葺き )で、ベランダの鉄の手すりは細い鉄骨を密に入れている。

玄関の扉は細い格子組、雨戸のガラリも色が統一してあり、全体として現代和風。このように凝った外装とまともな工事から内部もまともではないかと想像しました( オーナーチェンジなので中は見れない )。

破風板、鼻隠し( 屋根の厚みの部分に張る板 )は傷んでいますが、もともと傷みやすい部位で、簡単に塗ったり鉄板を張ったり、取り換えたりできます。



粘土を焼いた瓦( 日本瓦、和瓦、引掛け桟瓦ともいう )は、屋根材の中で一番耐久性があると考えています。勝手に耐久性ランキングを付けると

粘土瓦 > スレート、セメント瓦、金属瓦 > 鉄板

古い瓦がそんなバカなと思われる方もいるかもしれませんが、飛鳥時代の寺院の遺跡では、瓦はよく出土されます。

仏教と共に6世紀に朝鮮半島から伝わった瓦ですが( 現存する法隆寺は焼失した後に再建されたもので飛鳥時代から少し出る可能性もある )、建物本体はほとんど残っておらず、瓦の破片などが出土されています。

粘土瓦は1400年もつということです。スレートやセメント瓦は20年も経つと水が染み込みやすく、塗った方が無難です。

ただし瓦は屋根が重くなります。地震の力は質量に比例するので、大きな力がかかってしまいます。昔のような南側を縁側として壁をほとんど作らないと、倒壊する危険が高くなるので注意が必要です。

建物で一番痛む所は屋根です。雨が当たるし、紫外線は射すし、夏冬・昼夜の温度変化も大きい。屋根の耐久性は建物の耐久性に直結します

Googleで上から見ると、街は屋根ばかりです( 当たり前ですが )。いかに屋根が雨や太陽にさらされているかわかります。また人間がいかに屋根に守られているかも分かります。

ボクはフラットルーフ( アスファルト防水、シート防水、ステンレス防水など )は、日本に向かないと思っています。フラットルーフの縁をパラペットで立ち上げて収める防水は、一度漏ると大変です。

勾配屋根ならば多少防水が切れても勝手に流れて外壁の外で樋に落ちますが、フラットルーフは内部に漏水します。さらに押さえコンクリート( 保護コンクリート )をアスファルトの上に打っている場合、漏ったらコンクリートを壊すか、その上にまた防水するかで大変なことになります。

このような漏水事故は意外と多いんです。築年が浅くても漏水することはあります。瓦だと漏っても積み直し、漆喰やシール打ちで10万程度で治ってしまいます。

瓦で漏れやすいところは、棟の端、鬼瓦と棟を押さえる瓦の接点です。次に漏れやすいのは1階の屋根が2階の壁にぶつかる部分です。ボクは何度か経験していますが、すぐに修理できます。

フラットルーフが格好いいというのは、コルビュジエらの抽象的な立体を神格化する建築教育や近代的な美学に依っています( コラム24回参照 )。

しかし大元のコルビュジエのサヴォア邸( 1931 パリ近郊 )は、雨漏りだらけで施主のサヴォアさんから非難ごうごうだったのです。恰好はいいんですけどねえ。



それでもパリの降水量は東京の約1/2ですし、湿気も東京より少ないです。日本の雨季は6月で、雨が降っていても窓を開けて風を入れたい気温で、軒、庇はあった方が自然です。壁も雨が当たりにくく、傷みにくくなります。

明治から始まる今のデザイン潮流は、日本には合っていないと思われますが、抽象的な立体の方が恰好いいと思われているなら仕方ありません。

これからはゲリラ豪雨も増えそうで、フラットルーフはますますよくないことになります。100年後には気候に合うように変わっているといいのですが。

■ 売主が業者さんの場合のメリット、ディメリット

530万で買付を入れてから現地に行き、物件を見たり近所のおばちゃんにお話しを聞いたりしているうちに、業者から着信。530ではキツイので、もう少し上なら決まりそうというので、「550ならば」と打診してもらい、その場で決定しました。

土曜に見つけ、その夕方で価格を決め、次の木曜に契約、決済、引き渡しが同時のスピード決済でした。

どうも話が早いなと思っていたら、売主さんは業者さんでした。売主が業者さんだと消費税の課税業者となり、中古でも建物価格には消費税が含まれていることになります。

契約時には土地、建物は分けて表記されます。明記されない場合も、売主サイドでは建物価格は消費税支払い時に提示することになり、売主が業者さんだと買主側の希望で建物価格を大きくしてもらうことはできません

ボクの場合は売らないことを前提に買うので、建物価格を大きくしてもらい、減価償却で節税対策をしています。後で売る場合は建物が減価されすぎ、利益が大きくなって譲渡税が大きくなるので、必ずしも建物価格を大きくするのは節税メリットになりません。

税理士さんに相談すると、契約書にある建物価格で申告できるので、建物価格を大きく書いてもらうことは問題とならない、完全に合法だそうです。これはあちこちの取引で何度もしてきましたし、相手仲介さんが他の税理士さんや税務署に相談して決めたこともあります。

業者ではない一般の方から買う場合でも、〇〇のリハウスのような仲介さんが売主サイドだと、いくら頼んでも受け付けてくれないこともあります。

今回は契約で土地、建物が分けられない場合は、土地建物の固定資産税評価額で売値を按分して土地、建物価格を決めるのが一般的です。建物を高くする可能性を残すため、売値は土地建物の合計で書いてもらいました。あとはこちらの努力でなんとかするしかありません。

売主さんが業者さんだと、有利な点もあります。宅建業者が自ら売主の場合は引き渡し時から2年間は隠れた瑕疵、たとえば雨漏り、シロアリには責任を負うという契約条項が付きます( 宅建業法40条 )

住宅の品質確保の促進等に関する法律では、瑕疵担保責任は引き渡しから10年となっていますが、それは新築住宅のみです。ボロ屋で2年の瑕疵担保補償はありがたい条項です。

今回の物件では聞いた範囲、見た感じでは雨漏り、シロアリは無いです( 隠れている )が、引き渡しから2年以内に起きれば補償してもらえます。

今回のオーナーチェンジはリースバックでした。物件所有者がローンなどを払えずに売りに出した住宅を、買主から貸して( リース )戻して( バック )もらうことです。要は売ったのに賃料を払ってそのまま住み続けること。

ちゃんと払ってもらっていたか何度か確認しましたが、まったく問題なかったと。この辺は今後のリスクです。賃貸の貸主の変更は売主業者さんに、もうすぐ来る更新は買主業者さんに(こちらは手数料半月分)お願いしてあります。

これでボクの持ち物件はアパート6棟、戸建て11棟、56世帯となりました。ここ10年くらい、バカの一つ覚えのように戸建て投資をしてきましたが、今後も20棟目指して続けていこうかと思っています。

目標のCF100万はだいぶ前に達成し、アパートの方の残債も減ってきているので、最初のように利回り命の投資ではなく、徐々に内側によりいい立地、よりいい建物を探して少し高い売値の物件を探していこうと考えています。

またリフォームは日本政策金融からのローンを充てることも行っています。償却済で入居者が入れ替わる点を狙って、ミカコに名義を移すのも考えています。なんせいつ死ぬかわからないので。

■ ユーチューブを始めました!

最近、ユーチューブを始めました。還暦ユーチューバーで、学生からは笑われていますが、ボクはいいシステムだなあと思っています。お笑いやゲーム実況だけじゃないのだから。

学生からいつもパースの描き方が分からない、断面図の描き方が分からないと基本的な事を繰り返し聞かれます。あるとき若い方のユーチューブを見ていて、あ、これをやってみよう! と思いつきました。

最初は10分ぐらいで撮っていたら、学生が長くて眠くなるとか言ってきたので、最近は5分の細切れで撮っています。すでに設計製図の授業で効果が上がっていて、パースの原理を忘れた人はここを見るようにとか指示します。

すると、イヤホンを付けてスマフォを見ながら図面を書いてくれます。帰りの電車でこれを見るように、ふた駅で見れるからと言ってなるべく見てもらってます。

不動産のマイソクで、階段の図面が書けていないのが多く見受けられます。たぶん建築の素人が書いているとは思うんですが、どこに行くのか分からない階段とか、どこにも行けない階段とか。

学生用につくった動画ですが、超初心者向けに説明しているので、不動産業者さんや投資家さんにも役に立つと思います。特に階段、パラペットや屋根の断面図あたりをご覧ください。今後CAD、3Dの実況とか構造、施工の基本事項とか、不動産投資とかも上げていこうかと。


階段の書き方

◇ミカオチャンネル→コチラ

今日のまとめとして

路線価、固定資産税評価額、公示地価はまず調べる!

粘土瓦は一般に思われているよりも良い材料!


です。皆様の建築と不動産の勉強の一助になれば幸いです。

プロフィール

■ 原田ミカオさん

原田ミカオさん

原田ミカオさんのブログ:
https://plaza.rakuten.co.jp/mikao/


■ 経歴

□1959年 東京都生まれ。

□1982年 東京大学建築学科卒業。

□1986年 同大学修士課程修了。
現在、東京家政学院大学生活デザイン学科教授。

□2004年から 不動産投資を開始。
現在、アパート6棟、戸建12棟、計57戸を所有。


■ 主な著書

  • 20世紀の住宅−空間構成の比較分析( 鹿島出版会 )
  • ルイス・カーンの空間構成 アクソメで読む20世紀の建築家たち
  • 1級建築士受験スーパー記憶術
  • 2級建築士受験スーパー記憶術
  • インテリアコーディネーター受験スーパー記憶術
  • 福祉住環境コーディネーター2級受験スーパー記憶術
  • 構造力学スーパー解法術
  • 建築士受験 建築法規スーパー解読術
  • マンガでわかる構造力学
  • マンガでわかる環境工学
  • ゼロからはじめる木造建築入門
  • ゼロからはじめるRC造建築入門
  • ゼロからはじめるS造建築入門
  • ゼロからはじめる建築の設備教室
  • ゼロからはじめる建築の法規入門
  • ゼロからはじめる建築の施工入門
  • ゼロからはじめる建築の構造入門
  • ゼロからはじめる建築の計画入門
  • など、ゼロからはじめるシリーズ全16冊( 以上、彰国社 )

など。

ページの
トップへ