こんにちは、モーガンです!3月の終わりと共に繁忙期も終わりを告げようとしています。それでも、空室がある人には諦めないでいただきたいです。
4月からの新生活に向けて土壇場まで部屋探しをしている人はいます。リフォームを少しでも早く仕上げたり、空室の営業をより一層強化したりすることで、なんとか入居申し込みをゲットして欲しいと思います。
空室が多い人は家賃を下げてでも反響を増やす検討をした方がいいかもしれませんね。というのも、例年4月中旬から6月にかけては閑散期にあたり、賃貸仲介店舗の来店客は激減してしまうからです。
この時期の入居者募集が不動産投資家にとって不利なのは言うまでもありませんが、さらに輪をかけて私が難しいと感じるのは、滞納歴がある人からの申し込みが割合として増える傾向にあることです。
SNSなどでは、一度保証会社の審査に落ちた人をなんとかして入居させるために、「 より審査基準の緩い保証会社を知らないか?」という不動産投資家の方の問いかけを良く目にします。
空室を埋めたい気持ちは痛いほどよくわかりますが、滞納歴がある人を入居させることはトラブルにもなりやすいので注意が必要です。そこで今回のコラムでは、来たる閑散期の入居者募集で注意したい点についてお話ししたいと思います。
かなり厳しい表現が多くなりますが、これから不動産投資に足を踏み入れたい人、あるいは入居者募集に悩んでいる人たちにとって、( すごく大変だった )私の経験が一つでも役に立てばと思い、生々しい話を載せさせていただきます。
ですので、これから先は心の準備ができた方だけお読みください。
大丈夫ですか?
本当に大丈夫ですか?
ではどうぞ!
■ 閑散期の入居申し込みには注意が必要
私が管理会社に勤めていた時のことですが、この時期( 4月中旬から6月 )に申し込みを受けた人の中には、入居から3ヶ月連続で滞納し、夏や秋を迎える頃には退去訴訟をしなければいけなくなるような人が一定の割合で含まれていました。
保証会社に加入していれば、入居期間中の家賃や退去訴訟費用は保証されます。しかし、家賃保証契約の内容によっては原状回復工事費用、短期解約違約金などは対象外になることがあります。
支払った仲介手数料や広告料は返金されませんし、次の入居者募集時には再度、その費用を支払わないといけません。再募集期間中の逸失家賃を含めると、家賃に換算して少なくても6ヶ月分、多い場合は12ヶ月分近くの損失になることもありました。
いくら部屋探しをしている人が少ない時期でも、「 最終的にどこか一社でも保証会社の審査を通過すれば良い、とにかく決まって欲しい 」という考えはリスクが高いことが理解していただけると思います。
■ ブラックリストに載っていても入居審査を通過してしまう理由
こういった滞納者は審査の段階で把握したいところですが、今の不動産賃貸マーケットでは、なかなか「 滞納経験のある人を完璧に見分ける 」といったことができない事情があります。
日本では一部のクレジットカード会社系列の保証会社を除いて、保証会社の滞納者データベースを保証会社間で共有する仕組みがないのです。つまり、一度ブラックリストに載っても、他の保証会社なら審査に通過することがあるという事実があります。
ブラックリストに載っている人は、なんとなく雰囲気にもそれが現れます。ですので、自社店舗への来店があれば察知できるのですが、他社からの紹介の場合はそのまま入居してまた滞納になるということがありました。
■ ブラックリストに載る人は約束を守れない場合が多い
管理会社に全て委託している不動産投資家さんの中には、「 滞納ブラックリストに載る人 」について、イメージが湧かないかもしれません。私が管理会社時代の経験から、一言で言い表すならば「 他人との約束を守れない人 」です。
私がいた不動産管理会社では滞納1ヶ月目からコミュニケーションをとりますが、そのほとんどの人は「 振り込み手続きの遅延 」や「 引き落としと勘違いしていた人 」でした。こういう人たちの滞納はすぐに解消されるので心配はいりません。
滞納2ヶ月目を迎える人になると、お金の管理にだらしない人が出てきます。「 うっかり忘れていた 」等の理由に心配を感じます。ただ、この時に厳重に注意して入金期限の約束を守ってくれるようであれば、この人たちもそこまで心配はいりません。
しかし、滞納3ヶ月目を迎える人は別です。なんせ2ヶ月目の入金約束を反故にしている人たちなので一筋縄では滞納が解消されません。こういった人の中には悪質な人が含まれています。
事情を聞くために訪問しても結構な確率ですっぽかされますし、入金約束を取り付けても無駄に終わることが多かったです。そのまま連絡が取れなくなったり、ない袖は振れないと開きなおったりする人もいました。
当時やり取りしていた保証会社各社に聞いたところ、この「 3ヶ月滞納 」を閾値として、「 相手に家賃を支払う意思がない 」と判断することが多いそうです。具体的には退去訴訟の準備に入ったり、次の審査で通過しないようにブラックリストに登録したりしていました。
つまり、保証会社の審査に落ちた人を別の保証会社でもう一度審査し直す( そして入居につなげる )ことは、自ら悪質な人を招き入れることになる可能性があるということです。
ちなみに、国籍、性別、年齢などの属性セグメントとは強い関連性はないと思います。日本人だろうと外国人だろうと、老若男女問わず、一定の割合で約束を守れない人はいるので、属性による差別的な審査はしないようにしたいところです。
ちょっと極端な例ですが、地元の有名企業に勤める役職者の人ですら、ブラックリストに載るケースもありましたから、人間はわからないものです。
■ 滞納の悪循環に陥らないためには?
滞納を続けるような入居者をアパートやマンションといった集合住宅に入居させてしまうと、お金の問題にとどまらず、共用部が荒れることがあるというリスクもあります。
滞納が長期化すると保証会社は赤などの目立つ封書をドアポストなどに挟み込んで支払いを促しますが、滞納者はそれを放置しがちです。次第に、放置された郵便物でポストがパンパンになり、散乱してしまうこともあります。
そうなると他の入居者や内見の案内に来た賃貸仲介さんの目に触れることになります。それが原因で既存入居者の退去につながったり、空室が出ても良い属性の人を紹介してもらえなくなったりと、悪循環に陥る物件も目にしてきました。
このような事態を避けるための一番の方法は、入居者審査に慎重になることです。私自身は例え空室の長期化が見込まれても、大手保証会社の審査に落ちた人はすっぱりお断りをすると決めています。
審査基準の緩い保証会社で通過させることは簡単ですが、長期的に見ると、リフォームや営業努力を頑張る方が、物件からより多くのリターンを得られるのではないかと私は考えています。
余談ですが私が実践しているバリューアップリフォームは、以下のコラムで紹介しています。
参照:賃貸仲介さんが教えてくれた!物件をバリューアップさせるリフォーム5選
モーガン的には勇気を持って書いた今回の記事ですが、嫌な気持ちになった人もいらっしゃるかもしれません。それでも、過去の大変だった経験をシェアすることで、トラブルを未然に防ぐことにつながればと思い、書かせていただきました。
国や地方自治体、不動産大手等からセーフティネットとなる住宅やサービスが提供されています。個人投資家としては、無理をしない賃貸経営というのも大切ではないでしょうか。
参考になれば幸いです。
では、また♪