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海外投資の大きなリスク「慣行の違い」に要注意!

長嶋修さん_画像 第136話

■ 地域を愛する「 ダンナ 」の存在が街の発展を左右する

以前のコラムでご紹介した、セブローターリークラブ前会長のトニーさんですが、彼の地域に対する想いと具体的な貢献に、地方分権のひとつのあり方を見て、感激して帰ってきました。


右から2番目がトニーさん。しゃべらないと日本人ぽい

日本でもかつては「 中央集権から脱却し、地方分権へ 」といった議論がありましたが、アベノミクスの文脈の中ではとにかく今は経済再生が優先され、最近あまり聞かれなくなってしまいました。

そもそも、地方分権を進めるといっても課題はたくさんあります。まずはなんといっても「 雇用 」。地方にいても仕事がなければ生活できません。この点についてトニーさんは、地元にリゾートホテルを造ることで、大きな雇用を生み出しています。

従業員へは、その給与をできるだけ貯蓄するよう奨励、彼らがマイホームを購入するとなったら、30パーセント程度の頭金の大部分を、トニーさんが出してあげます。

経済発展途上の北部で従業員が買ったその不動産価格は、値下がりせず徐々に上昇。こうして、経済のフローとストックの流れがひとつ成立します。今後は、オーガニック食材を生産する工場建設を目論んでいるようです。

※ トニーさんのホテル「 サン・レミジオ・ビーチクラブ 」
http://www.sanremigiobeachclub.com.ph/

地方分権でさらに必要なのは「 教育 」でしょう。これについて、トニーさんは子供に対しては学校建設を。大人にはビジネスマナーなどを会社で教え、どこで働いても通用する人材を育てます。

彼は、経済発展すさまじいセブ中心部において、ビジネスで大成功できたからこそ、こんなことができるのですが「 地元の皆を自分の子供のように思っている。自分を育ててくれたこの地域の人達が幸せになるのが私の喜びです 」とおっしゃっていました。ステキ。

こういった、いわゆる「 ダンナ 」のような人がいる地域は、とってもラッキーです。日本でもかつてはこうした地域もありましたが、昨今では地主さんの中には地元のことなど全然考えてない人も・・・。

東京23区内のとある駅周辺では、まわりに比べて開発が明らかに遅れているところがあるのですが、それは、周辺一帯の土地の持つ地主さんが、地域に対して無関心なためといわれています。

もちろん、ダンナに依存するこうした形態は、よくも悪くもダンナに左右されるといったリスクもはらんでいるのですが、トニーさんの例は、ひとつのあり方として素晴らしいなと思いました。

さらに進化させた地方分権のあり方については、ドイツから学ぶことができますが、これは次回のコラムでお話します。

■ なぜ通常の賃貸物件ではなく、ホテル形式を選んだか?

さて、ここからは、前回コラムの続き、海外投資の注意点です。今回は「 不動産市場の慣行の違い 」についてです。

日本でいま、賃貸物件を探すときは「 スマホやPCで物件検索サイトを 」というのが主流ですが、こうしたシステムが成立している国は、アジアにおいてまだまだ少数派。新興国不動産投資は、賃貸の客付けに非常に苦労することが多いのです。それはフィリピンも御多分に漏れず。

そもそも、日本のレインズ( 業者間の物件情報ネットワーク )といったものが存在しません。したがって、賃貸物件を探している人はアパートに貼ってある募集の看板などが頼り。各々の不動産エージェントは、自分が知る範囲の情報しか持っていませんので、あちこちに声をかけてネットワークを張りめぐらさなければなりません。

日本でもレインズができる前は、不動産屋さんがそれぞれ売り物件情報を抱えていました。そしてそれをお互いに紹介しあう「 物件情報交換会 」のような会合を開き、人脈によるネットワークで情報を集めて仕事をしていたのです。1980年代の前半になってやっと、現在のレインズの原型ができ上がりました。

こうした状況の中で、私たちが企画した投資案件はこのリスクを避けるべく「 コンドミニアムホテル 」としました。海外からの宿泊客がメイン顧客ですが、これならエクスペディアを始めとした集客ネットワークが、少なくとも先進国では確立しています。


「 レチョン 」。ブタの丸焼きです。お祝いの席などで振る舞われます。

そんなわけで、5月にはまたセブ島不動産投資ツアーを開催します。とにかく一度はセブ島を訪れていただき、現地の熱気を直接感じてみてください。沢山の人にセブ島を好きになってもらいたいなと思います。とにかく楽しいですよ。

※ セブ島不動産投資ツアー( PDF )
http://fd-toushi.com/cebutour140520.pdf


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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 長嶋 修さん

長嶋 修さん

不動産コンサルタント
さくら事務所 会長

長嶋修さんのブログ

不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所を設立、現会長。

以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。

2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。

また、TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。

現在、「東洋経済オンライン」、「Forbes JAPAN WEB」等で連載コラムを執筆中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及。

主な著書に、『空き家が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』(日本経済新聞社)、『5年後に笑う不動産』(ビジネス社)等。

【連載中のコラム】


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