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大荒れの市場と東京・神奈川のアパートで起きている現象

長嶋修さん_画像 第171話

原油安や中国経済の減速懸念を背景とした株安・円高のなか、円安や企業の設備投資、ひいては株価の押し上げを期待した日銀による、当座預金の一部に対するマイナス金利適用アナウンスに、欧米市場の株安も重なり、ここに来て株式市場、債券市場ともに大荒れ。

まあ日銀は円安を期待しているとは対外的に絶対に言いませんが、間違いなく狙っていたでしょう。いずれにせよ昨今の市場動向で、肝を冷やしている投資家も多いのではないでしょうか。

さて、日経平均は年初来15%以上も下落する中、東証REIT指数は逆に2%上昇しています。

この現象は主に「 金利低下によるREIT運用環境の改善 」とか「 配当利回りの高さ( イールドギャップの拡大 ) 」といった側面から説明されるのが一般的ですが、もう一つ大事なのは、不動産は「 現物投資 」であるといった側面です。

マイナス金利とは一言でいえば、マネーの価値毀損に他なりません。円高、債券高になっているのは短期的な、リスク回避的な動きに過ぎず、それ事態が価値を持たないペーパー資産から、不動産や金など実物資産への移行といった流れが起きている点も見逃せないのです。

とはいえ、いくら金利低下で資金調達環境が良くなりそうだからといって、それほど不動産市場にマネーが入る余地もありません。

すでに不動産業向け貸出資金は80年代のバブル期や08年のリーマンショック前を遥かに上回る水準。金融庁はこれを憂慮し、取り急ぎ地銀や信金の貸出しに対する監視を強化しているところです。

実際、首都圏の新築アパート建設に、遠方の地銀・信金が貸出を行っているケースも散見されます。おりからの相続増税の流れから、特に東京・神奈川のアパート空室率が目に見えて上昇しているといったデータもあります。



そもそも低金利というのは、人間でいえば「 低体温症 」を改善する動きであり、マイナス金利というのは「 資本主義経済市場の機能不全 」を示しているのかもしれないわけです。そうなると、政府・日銀が目指す、景気か回復を伴った「 良いインフレ 」ではなく、いわゆる「 悪いインフレ 」も視野に入ってきます。

そうした場合に不動産はどうなるかといったことは以前こちらのコラムに以前書きました。

不動産投資に「 キャピタルゲイン 」の流れは来るか?

同じ不動産株でも、中小デベロッパーなどの小型株はPBR( 株価純資産倍率 )が1倍を下回るものも散見されます。つまり現行の株価は、その会社の解散価値より低いといった状態です。明らかに売られ過ぎであり、実際の業績はそこまで悪くないのにも関わらずです。

リーマンショック前のプチバブル期と違い、こうした中小デベはマンションデベロップ事業一本槍ではなく、リノベーション、介護系事業など多角化に乗り出しているうえ、かつてのように無茶な用地仕入れをしているわけでもありません。ここにはいつ見なおしが入ってもおかしくはないでしょう。もちろん個別の銘柄はよく見極める必要があります。

最近私のところに来る相談で多いのは「金投資はどうか?」というもの。いわゆる「 有事の金 」といった認識ですね。悪くないと思います。が、金はそれ自体何も生み出すことはありませんから、保有するにも限度があるでしょう。

それから金ETF( Exchange Traded Funds )の中には、現物の裏付けのないもの、つまり実質的にペーパーにすぎないものもあるので注意してください。

株価は下値のめどが立たず、為替もいわゆる「 黒田ライン 」といわれる115円をあっさり割りこむなど、不透明な局面です。それでも、中長期的に価値を保持し続けられる不動産の条件は変わりません。落ち着いて物件探しやポートフォリオの入れ替えを検討しましょう。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 長嶋 修さん

長嶋 修さん

不動産コンサルタント
さくら事務所 会長

長嶋修さんのブログ

不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所を設立、現会長。

以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。

2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。

また、TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。

現在、「東洋経済オンライン」、「Forbes JAPAN WEB」等で連載コラムを執筆中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及。

主な著書に、『空き家が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』(日本経済新聞社)、『5年後に笑う不動産』(ビジネス社)等。

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