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父の死にあたって考えたこと。さくら事務所のこれから。

長嶋修さん_画像 第172話

私が創業した「 株式会社さくら事務所 」も、この春で17周年を迎えます。これまで多くの方に協力いただいたり迷惑もかけながら、数えきれないほどのトライアンドエラーを繰り返してきました。

そんな中でも、ホームインスペクション( 住宅診断 )は33,870件( 2/29現在 )、マンション管理組合向けのコンサルティング多数、また、近年は海外事業なども手がけてきました。

実際にはまあまあ苦労したはずですが、振り返ると楽しい思い出しかありません。特に「 インスペクション 」はここに来て「 不動産取引時の説明義務化 」が決まるなど、やっと時代の流れとマッチするような感があります。

この市場はおよそ1,000億円規模とみられ今後は膨らむ一方で、より良いインスペクションのあり方を追求するフェーズに入っています。とりあえず火は着きましたので次のステージは「 さらなる認知と質の追求 」というところでしょうか。

全米に24,000人いるホームインスペクターの平均年収は1,350万円。実稼働している人だけでカウントすればもっと高いでしょう。事実1,000−2,000万円稼ぐインスペクターがあちらにはゴロゴロいます。さくら事務所にも、社長より高い報酬を得るインスペクターがいます。

老朽化マンションは増加していく一途ですから、「 マンション管理組合向けコンサル 」については今後、膨大な社会的ニーズが見込まれています。

「 海外事業 」では、新興国であるフィリピン・セブ、先進国である米国シアトルと、バランスの取れた軸足ができつつあります。

海外投資といえば「 危ない、怪しい 」といったイメージが付きまとい、事実そういった事例も散見されますが、15年くらい前までは、国内の不動産投資だって「 危ない、怪しい 」といった意見が支配的でしたし、「 地方への投資は危ない 」といった風潮を経て今に至るわけです。

要はまだ未成熟。あと5年もすると、海外投資もあたりまえのように選択肢のひとつとしてみなされるようになるでしょう。

今後、力を入れたいのが「 不動産コンサル 」です。今年から形式的には「 物件情報の囲い込み 」ができなくなりました。ただし現場ではまだ行われているケースもあるようなので、今後は罰則強化といった流れに向かうものと思われます。

そうなると、物件情報はどのエージェントでもフラットになり「 情報を隠すことで勝負 」みたいな営業は基本的にできなくなります。そうなったとき、不動産エージェントは何で勝負するのか。

それは広い意味での「 コンサルティングスキル 」です。具体的には「 共感能力 」「 提案力 」「 生活への知見 」など。問い合わせのあった物件をただ買わせるといった営業ではなく、いわば「 かかりつけのお医者さん 」のような立ち位置です。

Aさんという顧客がとあるマンションを買いたいという時、Aさんを取り巻く状況、例えば仕事やその方向性、希望するライフスタイル、親族の状況などを踏まえ、広角的に、長期的に見た場合、その買い物はほんとうに良いのかどうかわからないこともあります。時には「 買わない方がいい 」といった選択肢を提示することもあるでしょう。

不動産探しといえば日本では現在「 物件選び 」から入ります。問い合わせ先の不動産会社やエージェントは選択できません。しかし物件情報がフラット化すれば、物件選びではなくまず「 エージェント選び 」から、といったスタイルに遷移します。

会社ではなくあくまで「 個人 」を選択するのです。こうして優秀なエージェントほど力を持ち、あたかも野球やサッカー選手のように、年俸などの条件提示によるものに代わるでしょう。ものすごく高い報酬を得るエージェントが現れ、社会からも尊敬を集めます。

こうなると、そうしたエージェントになりたいと、優秀な人がこの業界に集まってきます。こうしたスパイラルを創りたい。日本の人と不動産の関係をより良くするためには、仕組みやルールを整え、優秀な人が集まってくるような仕掛けをすることです。

こうした理想的な市場の姿を目指して、さくら事務所では、不動産コンサル部門に執行役員を迎えるなどして不動産コンサル部門に力を入れ始めました。

さらには「 お金 」「 保険 」も組み合わせてアドバイスができるようにマネー部門も立ち上がっています。先には「 シンクタンク機能 」も持ちたいと思います。

そんなわけで、さくら事務所は今後「 総合不動産コンサル企業 」として生まれ変わります。「 個人向けコンサルのマッキンゼー 」を目指します。優秀な人がぞくぞくと集結するような風土・仕掛けを作り、日本の人と不動産の関係がより良くなることに寄与したいと思います。

実際には3年前に社長交代をしており、こうしたことを進めていくのは現社長の大西倫加さんです。彼女は私よりはるかに実務能力が高く、この3年で劇的に会社を改善してくれました。今後はさらにやってくれるでしょう。

先日父が他界しました。彼は、荒唐無稽とも思えた私の目標を、創業当時からずっと応援してくれていました。父のためにも、こうした理想を生涯追い続けたいと思います。

そんなわけで、生まれ変わるさくら事務所を、どうぞよろしくお願いします。



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プロフィール

■ 長嶋 修さん

長嶋 修さん

不動産コンサルタント
さくら事務所 会長

長嶋修さんのブログ

不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所を設立、現会長。

以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。

2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。

また、TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。

現在、「東洋経済オンライン」、「Forbes JAPAN WEB」等で連載コラムを執筆中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及。

主な著書に、『空き家が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』(日本経済新聞社)、『5年後に笑う不動産』(ビジネス社)等。

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