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大家の身を助ける建物の知識ーホームインスペクター試験の過去問紹介ー

長嶋修さん_画像 第177話

「 金融 」「 経済・社会動向 」「 税制 」「 契約など法的知識 」「 不動産市況 」「 入居者動向 」はじめ、大家さんが知っておくべき事柄は実に多岐にわたりますが、そんな中でも絶対に欠かせない項目の一つが「 建物 」に関する知識です。

私のまわりで成功している大家さんはほぼ例外なく「 建物 」について詳しい方が多いですね。新築時でも修繕時でも、工事の見積もりが出てきたとき、その価格ははたして妥当なのか、使われる予定の部材や設備は適切かなど見極めることができると強いでしょう。

とりわけ運用中に中小の修繕の必要が生じた場合、かんたんな修繕なら自分でできてしまえば、それは大きな運用コスト削減につながります。

大規模修繕の場面では、本当に今ここでそれが必要なのかとか、適切な工事の手法とか、価格の妥当性など見極められるといいですよね。これには主に建物の「 劣化 」に関する知識、建物が経年劣化してきた際の判断力が必要になります。

例えば、建物にクラック( ひび割れ )や傾き、雨漏りや水漏れ漏れのシミなどが発見されたとき、それをどう判断するのか、ということです。

劣化に詳しいと、建物の異常も後期発見できる可能性が高まり、入居者へのサービスや建物の長寿命化にもつながります。もちろん中古物件の購入可否判断にも大いに有用です。

カンタンな腕試しとして、試しに以下の問題にチャレンジしてみてください。文中に出てくる「 野地板 」( のじいた )とは写真の赤マル部分に貼ってある板のこと。



【Q】
木造住宅の屋根裏を目視したところ、野地板や天井裏などに大きな水染み跡が見られた。ただし、野地板の水染み跡は乾燥しており、天井面の水染み跡には埃が乗っていた。この場合の判断に関する次の記述のうち、最も適切なのはどれか。なお、調査当日も含め、数日間降雨が続いていたものとする。

【A】
1.施工中に付着した水染み跡であり、問題ないと判断した。
2.雨漏りが生じているため、早急に改善する必要があると判断した。
3.断熱材がなかったため、結露が生じていると判断した。
4.台風など何か特定の条件が整った場合にのみ起きている可能性が高く、継続的に発生している雨漏りではないと判断した。


さて、いかがでしょうか・・・・

正解は



4です。

簡単に解説します。まず1は、施工中のものであるかどうかの判断をするには根拠が不十分であり、完成後に生じた可能性も考えられます。

次に2は、水染み跡があっても、そこに埃が乗っていることを考えると、水が浸入してから時間が経過していることがわかり、現在も雨漏りが続いているとは考えられません。

3については、結露の可能性もまったく否定はできませんが、雨漏りなどの可能性も残ります。

最後の4は、数日間降雨が続いているにもかかわらず、野地板も天井面も水染みがないため、同じ個所で雨漏りが継続しているとは言えないことから、これが最も適切といえます。

ちなみに、この問題は実際に試験で出た過去問の一つです。というわけで、こんな知識( 主に木造 )を問うのが、大家さんや業界人に受験者の多い「 公認ホームインスペクター資格試験 」です。

90分、50問の4択で過去の合格率は20パーセント台後半。年齢、性別、学歴等に関係なく、誰でも受験できます。受験しない場合でも、テキストや過去問をお読みになるだけでもかなりお役に立つのではないかと思います。

試験は11月。ご興味のある方は是非チャレンジなさってみてください。知識は一生の宝です。

※ 2016年度 第8回JSHI公認ホームインスペクター( 住宅診断士 )資格試験要領
  ⇒https://goo.gl/3mCRVZ

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 長嶋 修さん

長嶋 修さん

不動産コンサルタント
さくら事務所 会長

長嶋修さんのブログ

不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所を設立、現会長。

以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。

2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。

また、TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。

現在、「東洋経済オンライン」、「Forbes JAPAN WEB」等で連載コラムを執筆中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及。

主な著書に、『空き家が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』(日本経済新聞社)、『5年後に笑う不動産』(ビジネス社)等。

【連載中のコラム】


【著書一例】



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