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リノベーション物件の落とし穴

長嶋修さん_画像 第182話

昨年末に上梓した「 不動産投資 成功の実践法則50 」はおかげさまで売れ行き好調のようです。昨今の不動産投資本といえば「 短期間で総資産何億! 」といったものが多かったので、一冊くらいはこうしたオーソドックスな定番本があってもいいのかなと思う次第です。

今年は、2月末締め切りの新刊はじめ数冊の出版予定があるのでがんばります。

話は変わりますが、国が「 新成長戦略 」( 2010 )年で「 中古住宅・リフォーム市場を倍増する 」( 20兆円 )として以降、多くの事業者がリフォーム・リノベーション市場へと新規参入しました。

「新築に比べて割安な中古住宅を買って、あなたの思い通りにリフォーム・リノベーション」といったセールストークを展開するようになって久しいのですが、このところ各所でトラブルが頻発しているようです。

特に新規参入組は、さしたる知識や経験がないため、リフォーム・リノベーションにありがちな、雑な工事や言った言わないのトラブルが多いようです。

さくら事務所のホームインスペクション( 住宅診断 )現場実例をいくつかご紹介します。



【 写真1 】は、床下からキノコが生えてきちゃった事例。古くなった給水管【 写真2 】からじわじわと水漏れし、床下は水浸し。せっかくリノベーション済みの中古マンションを買ったのに、内部造作をすべて解体することになってしまいました。

古いマンションではこうした金属製の給水管が使われていますが、もう築後40年も経過しているのですから、本来は給水管の交換がセオリーですが、なぜこのようなことになっているのでしょうか。

実はこの物件は、リノベーション事業者が相場の7割程度で買取り、リノベーションを施して再販売する、いわゆる「 買取再販物件 」でした。

買取再販を行う事業者は、ライバルとの猛烈な買取競争にさらされています。このときに、上下水道の配管工事分まで勘案してしまうと仕入れ値が下がり、買取ができなくなってしまうといったジレンマがあるのです。

そのため、表向きは「 全面リフォーム済み 」「 リノベーション済み 」とうたっておきながら、目に見えないこうした部分は放置してしまうわけです。

「 事業者が売り主なら保証がついているから安心 」とはとてもいえません。なぜなら、こうした物件に一般につけられている2年程度の「 瑕疵保証 」は、3年目・4年目に故障する可能性があってもついてしまうからです。

配管が古く、交換時期が来ていても、2年間は持つだろうと判断すれば、交換しないことが多いわけです。この物件は幸い2年以内に問題が発覚し保証は履行されました。

しかし、何れにせよ全面取り壊しの必要があり、入居者はいったん引越し、数カ月後にまた戻ってこなければなりません。この期間中の「 調査費用 」や「 転居・仮住まい費用 」「 引っ越し代 」は保証対象ですが、「 時間的損失 」「 精神的な損害 」等は保証されません。

このケースでは【 写真3 】のように、全面解体の上、給水管を最新のものに交換しました。



建物の問題といえば、その多くは「 雨漏り 」「 水漏れ 」などの「 水問題 」です。とりわけ隠れて見えない上下水道の配管について、リノベーション前の状態をどのように判断し、取り換え工事をしたのかしなかったのか、確認したいところです。

冒頭で言ったとおり、昨今はリノベーション事業に新規参入する事業者が増加しています。事業者によってはトラブル可能性を排除できるだけの能力や経験がないことも多く、また工事管理体制の甘い事業者は定期的に欠陥や不具合を生み出しているのが実情です。

そうしたことを防ぐには「 工事管理体制 」を確認するとよいでしょう。どんな資格を持った人が、工事現場を何回確認するのかといったことです。教科書的には、建築士や施工管理技士などの有資格者による、最低限「解体後設備配管終了時」「 完成時 」の2回は確認が必要です。

最後にひとつクイズを。

【 写真4 】は一戸建の床下ですが、。どこがおかしいか、わかりますか?




正解は「 配管の勾配 」。右側の配管は、水が一度勾配を登らないと流れません。風呂の排水逆流で気づいたところ、実は床下はこんなことになっていたのでした。なにやらトリックアートのようですね。


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プロフィール

■ 長嶋 修さん

長嶋 修さん

不動産コンサルタント
さくら事務所 会長

長嶋修さんのブログ

不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所を設立、現会長。

以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。

2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。

また、TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。

現在、「東洋経済オンライン」、「Forbes JAPAN WEB」等で連載コラムを執筆中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及。

主な著書に、『空き家が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』(日本経済新聞社)、『5年後に笑う不動産』(ビジネス社)等。

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