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ボロ物件投資の落とし穴。実際の相談例。

長嶋修さん_画像 第183話

築古物件を割安に買って一定のリフォームをして賃貸運用する、いわゆる「 ボロ物件投資 」を志向する大家さんが、このところ目に見えて増加しているようです。

確かに、小資金で高収益をあげるには最適な手法の一つですからね。一方でボロ物件投資では「 こんなはずじゃなかった! 」といった間違いやトラブルが発生する確率が高いことに留意する必要があります。

今回は、さくら事務所に寄せられた相談事例の中から、ボロ物件投資の注意点をいくつかお知らせします。まずは「 土地面積 」の勘違いについてです。




上の写真は、法務局で取れる「 地積測量図 」です。

少し見にくいですが、このうち、@( 地番 743-2 )の土地に建つボロ物件を買うとき、地積測量図に書かれている土地面積109.09平米( 32.99坪 )を鵜呑みにすると「 最悪は更地で売れるな 」といった算段が狂うということです。

なぜならこの土地は「 残地 」( ざんち )だから。残置とは「 まとまった土地を測量したうち、残りの土地 」のことです。@の土地は全体から引き算しているだけで実際には測量してないというわけです。

かつての測量というものはかなりいいかげんなものも多く、かなりの誤差が出るケースがあります。この土地を実際に測量してみると95平米( 28.73坪 )しかありませんでした。4.26坪減ってしまいましたねw

比較的地価の高いところでは結構なマイナスです。こうした事態を防ぐためには、登記簿上の面積に基づく「 公簿売買 」ではなく、土地の売買価格を平米単価( または坪単価 )で決めておき、売買価格は測量後に確定させる「 実測売買 」で契約することです。

測量費は売主・買主どちらの負担でも構いません。そうでなければ、こうした事態が起こり得ることを覚悟して買うかですね。

次に水道配管。役所や水道局など管轄官庁にいくと、以下のような「 水道台帳図 」が閲覧できます。




ここでまず確認するのは「 配管の口径 」。古い物件だと口径13ミリが主流ですが、昨今では20ミリ以上が常識です。13ミリでは、浴室とキッチンを同時に使用した場合、水の出が悪くなるレベルであることは理解しておいてください。

次に「 配管の材質 」。やはり古いものは金属系であるのが主流です。金属はもちろん錆びますので、いつかは赤水が出る可能性を考慮してください。

そもそも30年以上も経った配管は、そろそろ交換時期です。ボロ物件で最も問題なるのが「 上下水道配管の不具合 」、つまり水漏れです。

配管の漏水は個所を特定するのがなかなか難しく、時間もコストもかかることが多いものです。大家さんからさくら事務所へ最も相談が多いのがこれ。隠れて見えないだけにやっかいですね。

配管の交換コストは数十万。敷地から遠いところに配管が埋まっていたりする場合、国道沿いなどの場合はもっとかかります。私道なら工事の前に所有者の許可が必要ですね。

次に以下のような「 擁壁 」( ようへき )。



2m以上の擁壁は工作物の扱いになり、建て替えの際には擁壁部分も含め、改めて建築確認が必要です。造り替えが必要な場合は、基本構造をRC( 鉄筋コンクリート )で指定されることが一般的です。

古い住宅地などでよく使われている大谷石、間知石などの擁壁の場合、建て替えの際には全て壊してやり直すことも視野に入れる必要がありますが、もちろん結構なコストになります。

2mを超える既存の擁壁は行政に確認してみましょう。建築系か都市計画系の窓口に行くと、当時の「 開発登録簿 」を見せてもらえます。

上記のように、ボロ物件投資には、様々な注意点があります。当初の収支計算が狂ってしまわないように、購入前に、最低限の調査を行うことを心がけましょう。

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プロフィール

■ 長嶋 修さん

長嶋 修さん

不動産コンサルタント
さくら事務所 会長

長嶋修さんのブログ

不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所を設立、現会長。

以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。

2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。

また、TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。

現在、「東洋経済オンライン」、「Forbes JAPAN WEB」等で連載コラムを執筆中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及。

主な著書に、『空き家が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』(日本経済新聞社)、『5年後に笑う不動産』(ビジネス社)等。

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