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40%の売却益を得た米国ワシントン州のコンドミニアム

長嶋修さん_画像 第184話

さくら事務所で購入した米ワシントン州のコンドミニアムを、1年足らずで売却、40%の売却益を得ました。なぜこんなことができたのか、かんたんに経緯をご説明します。

まず米国はリーマン・ショック以降の経済復調と不動産市場の回復をはたしたあと、とりわけこの数年間は不動産価格上昇にも天井感が出ていました。しかし米国と一口に言っても広く、不動産市場の温度も実際にはバラバラです。

過熱感が出ていたのはマイアミやニューヨーク、サンフランシスコなどの第一群。第二群のワシントン州シアトル、コロラド州デンバー、オレゴン州ポートランドなども価格は上昇していたものの、まだ天井とはいえず、第一群の価格頭打ち感から第二群へとマネーの波がシフトしそうなタイミングでした。

この第二群の中からシアトルを選択したのは、今後も当面はほぼ確実に上昇するであろうとの読みからです。



まず、他州に比して所得が頭一つ以上高い。マイクロソフトやアマゾン本社をはじめ、そこからスピンアウトした人材獲得を狙うIT軽企業が続々と進出、所得の高いIT系人材を結果としてシアトル周辺に囲い込む形ができています。

他にITといえばサンフランシスコが有名ですが、あちらの不動産価格はすでにシアトルよりずば抜けて高く、年収2,000万円でもまともな住宅が買えない状況です。

そのため、IT系企業で働くならサンフランシスコより、不動産も割安感があり物価も相対的に安い、しかも緑もあって暮らしやすいシアトルだよねということで、シアトルへ人材流出の流れがあったのです。

加えてシアトルは住宅の圧倒的な供給不足。まともな物件が売りに出ると2ケタのオファーが殺到することも珍しくありません。

まずは立地を選別していく中で、マイクロソフト本社に隣接するコンドミニアムを選択しました。不動産は一にも二にも立地です。マイクロソフトに何か問題が発生したら、という万一のリスクはありますが、そうでない限り立地的には安泰でしょう。



購入後はすぐに賃貸に出すことを想定、入居者はマイクロソフトで働くインド人IT技術者を想定していたのですが、結果としてシアトルに進出している某大手日系企業の社宅として借り上げられることになりました。

もう一つのポイントは、この物件は「 売れ残り 」だったことです。なぜなら「 管理状態がダメダメ 」だったからです。

日本でもよくあることですが、所有者たちがマンション管理に無関心だったため、管理会社の好き放題にやられ、適当に工事するわ修繕積立金は不足するわで、住宅ローンが使えない状態だったのです。これでは売れ残るはずです。

しかし、中身精査しようと膨大な資料を読み込むと、既に所有者たちは立ち上がり、管理会社を変更、新たな修繕計画を策定中だったのです。その具体的な中身や議事録における温度感などから、これはおそらく復活できる可能性が高いだろうと考えました。



さくら事務所では、マンション管理組合向けのコンサルティング事業を行っていますが、その経験・実績から来る読みです。「 何を買うか 」も大事ですが「 どんな条件で買うか 」も大事ですからね。

一年余り保有するうち、シアトル近郊の不動産価格は7-8%上昇、さらに、管理状態の回復で住宅ローンが使えるようになることで割安に放置される理由がなくなりました。

おそらくこのまま保有していてもまだしばらくは価格上昇を続けて行く見通しですし、10パーセント近い収益、そして何より物件価格の80パーセントを4年に渡って減価償却できるといったメリットは大きかったのですが、なぜ売ることにしたのか。

そもそもこの物件を買った理由には、海外不動産を集めた小口ファンドを検討するためのテスト的な意味があったのですが、この事業はいったん行わないこととなり、同時にさくら事務所のいくつかの国内事業をさらに膨らませるため、経営資源を集中させる必要があったためなど要因は複合的です。

あとは、タイミングとして急激な円高も収まり円安方向に流れつつあること、トランプ政権で一時的な景気不透明感があること、経済が良ければそれはそれで、中期的に利上げが複数回あるだろうこと、などの読みがあげられます。



まあ、そんなことでこの取引は大成功だったわけですが、事を進めるにあたっては、およそ一年のリサーチ期間を設けました。自信が持てるまで徹底的に調べ尽くし、その上で投資のルールを確立する必要があるためです。

そしてなんと言っても海外投資の場合、現地に信頼のおける、かつ有能なエージェントの存在が不可欠です。この点、私達にはMariko Mitsuiさんがついてくれたので、大変助かりました。

不動産売買は洗練された交渉力や調整力はじめ高度なスキルが必要です。このスキルいかんで取引の結果は雲泥の差となります。海外への投資を検討されている方は、この点をしっかりと考慮することをおすすめします。



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プロフィール

■ 長嶋 修さん

長嶋 修さん

不動産コンサルタント
さくら事務所 会長

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不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所を設立、現会長。

以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。

2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。

また、TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。

現在、「東洋経済オンライン」、「Forbes JAPAN WEB」等で連載コラムを執筆中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及。

主な著書に、『空き家が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』(日本経済新聞社)、『5年後に笑う不動産』(ビジネス社)等。

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