• 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集
  • 収益物件 売却査定

15,690アクセス

買ってはいけない土地・建物の見分け方

長嶋修さん_画像 第185話

アパート建設用地を探す場合、まずは検討している物件の周辺を歩き、街の雰囲気や生活施設がどこにあるかなどを調べましょう。

注目したいのは、町内の掲示板や電柱の看板。ひったくりや痴漢への注意などがあれば、そうした犯罪が多いのかも。警察では、エリアごとに犯罪の発生状況をホームページ公表しているケースでもあるので、そちらも参考に。

ただ、犯罪が多そうなエリアを避ければいい、というわけではありません。どこで起こるかは確率の問題。むしろ、セキュリティ対策を意識することが重要です。



次に注目したいのが、ごみ置き場、工場、高圧電線などの嫌悪施設。これらは、はじめから納得して買えば、問題ありません。

もうひとつ、土地の周辺チェックで見逃せないのが、地盤の弱さを示す兆候。最終的には地盤調査を行わないと正確な判断はできませんが、「 水たまりができやすい場所は地盤が弱い 」ということさえ知っておけば、周辺の道路をみるだけでかなり推測できるでしょう。

たとえば、雨の翌日でも側溝に水が溜まっていたり、地盤沈下で路肩の側溝が窪んでいたりするところは、要注意。周辺の建物の基礎もチェックし、コンクリートにひび割れが多いようなら、間違いなく地盤が弱いエリアです。



地盤が弱いエリアは低地であることが多く、低地は大雨で冠水しやすいので、自治体のハザードマップも確認を。ハザードマップとは、大雨の際、川の氾濫などでどれくらい浸水するか予想したもの。近年は大雨の被害が増えているので、必須のチェックポイントです。

地盤を知るには、明治時代以降の古地図も参考になります。昔はどんな土地だったのか、どんな用途に使われていたのか、知っておけば適切な対策がとれますし、後で墓場だったなどと知ってショックを受けることもないでしょう。

古地図は、地域の図書館や役所の情報公開コーナーなどにありますし、スマホアプリでは古地図が見られるものがあります。

次は、隣地との境界。新しく造成された宅地なら測量をして境界杭をきちんと入れていますが、昔からの住宅地では境界が不明になっていることが少なくありません。

境界杭で一般的なのは、コンクリート製で赤く十字が刻まれているもの。そのほか、コンクリート製で矢印になっているもの、道路側溝の上に金属のプレートで矢印になっているものなど、いろいろあります。

中には、境界杭はあっても中心線がどこかわからなくて困るケースもあります。もし境界が不明なら、周囲の土地の所有者全員の立会いで画定することになります。都合が合わず、何日もかけ確定することも珍しくありません。



境界画定は、できるだけ早めにするほうがいいでしょう。土地を購入するなら、引き渡し前に売主側で確定してもらうこと。それも、きちんと杭を入れ、誰が見てもはっきり分かる形で行うこと。

隣地所有者との関係が良く、口頭で合意しているだけでは、将来、相続が発生して相続人との間でもめたりしかねません。境界上に杭や塀などを設置する場合、費用は原則として隣同士で折半します。

隣地との間では、建物との関係にも注意を。たとえば、都市部では、建物どうしが非常に接近していることがあります。軒がふれる寸前だったりすると、建替えするときかなり注意が必要ですし、手作業になりますから費用もかさみます。

あるいは、隣のカーポートぎりぎりに建物を建てると、冬、雪が屋根から落ちてカーポートを壊したり、車に傷をつけたりする危険が。

そもそも、隣の敷地との間隔は一定程度確保しておかないと、外壁に取り付けた給湯器や敷地内の排水枡のチェックができなくなってしまいます。

視線も重要です。隣家のバルコニーや物干し台、窓の位置によっては、覗かれる可能性があります。間取りを考える上で、一定の制約になります。

このように、隣地との関係は最初にはっきりさせておかないと、後々建物を設計するときや、さらには入居後トラブルのもとになります。

敷地のチェックで、隣地と並んで重要なのが、道路との関係。そもそも、建物を建てる大前提として、建築基準法では、敷地が幅4m以上の道路に2m以上接していなければなりません( 接道義務 )。この条件を満たしていないと、原則として建築確認が降りないのです。

ただ、建築基準法ができる前から建っている建物は、全国どこにでもあります。そうした場合、前面道路の幅が4m未満であっても役所が指定した道路であれば( 2項道路 )、建物を建てる位置を道路の中心から2m下げることを条件に、建築が認められます。

これを「 セットバック 」と呼び、広告では「 要セットバック 」「 セットバック済 」などと記載されています。セットバック部分の敷地もそれぞれの所有者のものですが、実際には道路として利用されることになります。

そして、建物の建ぺい率・容積率を計算する際、セットバックした部分は敷地面積には算入されません。

ところで、道路の道幅はどこからどこまでか、ご存知でしょうか。大都市では、ほとんどの道路にコンクリートのL字溝が設置されており、その外側の端が境界になります。L字溝がない場合も、コンクリートの路肩などの外側の端が境界です。

健美家サイト会員登録で最新コラムやニュースをチェック!

健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 長嶋 修さん

長嶋 修さん

不動産コンサルタント
さくら事務所 会長

長嶋修さんのブログ

不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所を設立、現会長。

以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。

2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。

また、TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。

現在、「東洋経済オンライン」、「Forbes JAPAN WEB」等で連載コラムを執筆中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及。

主な著書に、『空き家が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』(日本経済新聞社)、『5年後に笑う不動産』(ビジネス社)等。

【連載中のコラム】


【著書一例】



ページの
トップへ