見極めを誤ると、場合によっては大損失を被る可能性があるため、道路についてはある程度詳しくなったおいたほうがいいといえます。
不動産の価値を見る際には、建物だけでなく、道路付けもチェックすることが非常に重要です。特に初心者の方は注意してください。ポイントは大きく4つあります。

1つ目は「 道路の属性 」。「 公道 」か「 私道 」かということです。公道とは、国や県、市区町村など、自治体が持っている道路を指します。私道は私道( わたくしどう )と呼び、個人や法人の所有になっているもの。
公道の場合にはさほど制約はありませんが、私道の場合には、道路として役所の認定がとれているかが重要です。
またそれなりに制約があるケースもあるため、その制約の有無と内容を確認しましょう。これは不動産業者を通じて確認してもらうのが一番です。
2つ目は、「 建築基準法の取り扱いと接道要件 」。例えば公道の「 国道・県道・市区町村道 」などは基本的に問題ありませんが、前述のとおり私道の場合は必ず、道路としての認定を受けているかどうか、建て替えることが可能かどうかを、管轄の役所に聞いてみることです。
これは、市区町村役場で確認できます。見かけ上は道路であっても、あくまでも「 建築基準法上の道路 」でなければ、建て替えができなくなってしまうことがあります。
私道の建築基準法上の扱いとしてしばしばみかけるのが、「 みなし道路 」や「 但し書き道路 」。東京都では世田谷区や杉並区などに多く存在します。これらは基準法上の道路として、「 みなし道路 」という扱いで認定されているため問題はないでしょう。
3つ目。「 道路幅員は4メートル以上あるか 」。4メートルない場合はほとんどのケースで、「 42条2項道路 」という指定を受け、セットバックがあるケースもあります。

セットバックとは、道路幅の決まりを満たすために、建て替え時に敷地の境界を後退させること。この時にセットバックする基準は「 道路の中心 」ではなく「 原道の中心 」です。役所で「 原道 」がどこにあるのかを必ず確認してください。
このようなことは基本的に、宅建業法上、重要事項説明の義務の範囲内ですので、契約前の重要事項説明で、宅地建物取引主任者が説明はしてくれるはずです。
ただ、契約の前段階で4メートルないと感じているのであれば、セットバックはあるのか、あった場合どれぐらいなのかを聞いてみるといいかもしれません。
目安としては、車がギリギリすれ違えるぐらいが4メートル。現地で、メジャーなどで測っておくとよいでしょう。道路によっては幅の規定が4メートルではなく、6メートルなどになっているところもあるため注意してください。
4つ目も大きなポイント。道路に敷地が2メートル以上接しているかどうか。建築基準法には、敷地が建築基準法上の道路に2メートル以上接していなければ建物が建てられない、というルールがあります。2メートル以上接していない場合は、再建築の可否を必ず確認してください。
また、ぴったり2メートル接していても、そこからしばらく細い敷地が続いているような、いわゆる旗ざお状の敷地になっているものもよくあります。このような土地は「 敷地延長地形 」といわれ、略して「敷延(しきえん)」と呼ばれています。
この敷地延長部分が3メートルや4メートルではなく、15メートルとか20メートルなどあまりにも長い場合、条例などで2メートルの接道ではだめなケースもあるため、注意が必要です。