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床下の基礎に穴をあけたリフォーム業者

長嶋修さん_画像 長嶋修さん 第187話 著者のプロフィールを見る

2017/6/13 掲載

かつて「 リフォーム業界 」といえば、訪問販売でムダな工事をさせられたといった話が後を断たず、胡散臭いイメージが蔓延していました。

しかし、昨今は国が中古住宅・リフォーム市場に力を入れ始めたこと、リフォーム・リノベーションの将来性に多くの業界人が気付き始めたことなどから、以前に比べればだいぶ洗練されてきました。

とはいえ、中にはまだ悪質や無知に基づくおかしな工事が散見されます。今回はさくら事務所のホームインスペクション( 住宅診断 )現場の実例をいくつかご紹介します。

画像1は工事後の中古住宅。床下になぜか木材が。本来ベニヤ板を貼るところなのですが、工事を行う際にリフォーム業者さんがはがした床材をベニヤの代わりにここに貼った模様。

廃材を利用して、コストの削減を狙ったのでしょうか?



これには問題が2つ。1つは「 断熱材をはがしてしまっていること 」。下から冷気が上がってきて、冬はおそらくものすごく寒いでしょう。

2つ目は、「 このような工事内容を、オーナーが知らないこと 」。業者さんは良かれと思ってなのかもしれませんが、だとしても断熱の知識がないからこのような工事ができてしまうわけです。

画像2もやはり床下ですが、土台と建物の間になにやら木片が挟まっています。このこともオーナーはご存知ないのです。

配管の水漏れと木部の腐食を業者さんんが修繕した際、隙間があったから、やはり、良かれと思って( ? )木片を差し込んだ様子。

地盤に問題があるのか、建物構造の問題なのか、原因を調べて本格的な対処をしないと、このままでは非常に危険です。



画像3は、かつて水まわりを移動するリフォームを行った際、リフォーム業者さんが勝手にコンクリート基礎を削り取ってしまったようです。
おそらくこれもそんなに悪気はないのでしょうが、耐震性など建物の知識がないゆえにできることです。



リフォーム業( 建設業 )は、500万円未満の工事なら無許可でも請け負えます。これは、小額な大工工事を個人の大工さんが請け負うことを考慮してのことです。

リフォーム・修繕は極力コストを抑え、費用対効果を最大にしたいところですが、依頼先を間違えると今回のケースのように「 安かろう、悪かろう 」となってしまうこともあります。

どれもこれも、DIYを得意とする大家さんが見れば、鼻で笑ってしまうような工事ですが、こうした事例はいまだ多数あるのが実情です。

リフォーム業者や職人さんなどとお付き合いする場合は、大家さん仲間に評判を聞くなど、事前のリサーチが欠かせませんね。

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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

長嶋修さん

長嶋修さんながしまおさむ

不動産コンサルタント
さくら事務所 会長

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経歴
  • 不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所を設立、現会長。

    以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。

    2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。

    また、TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。

    現在、「東洋経済オンライン」、「Forbes JAPAN WEB」等で連載コラムを執筆中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及。

    主な著書に、『空き家が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』(日本経済新聞社)、『5年後に笑う不動産』(ビジネス社)等。

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