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地震対策は大丈夫?数百円からできる耐震補強

長嶋修さん_画像 第188話

健美家不動産投資コラム

1950年に建築基準法ができてからというもの、大きな地震が起きた際にその被害の度合いを勘案し、耐震設計基準は段階的に何度も見直されてきました。

まず、1981年の「 新耐震設計基準 」が一番大きな変更。ここで、在来工法、ツーバイフォー、鉄骨、RC全ての構造における耐震設計基準が大幅変更されました。

RCや鉄骨の建物を検討する場合は特に、建築確認申請年月日が1981年6月1日以降かどうかというのが大きな分かれ目というのは皆さんご存知でしょう。竣工( 完成 )年月日ではなく、確認申請の日付であることに注意が必要です。

2000年の建築基準法改正では、木造軸組工法( 在来工法 )の基準が大幅に変更されました。耐震性の観点からは、木造軸組工法はあくまでこの2000年を基準に考えましょう。

変更になった点は新築時点での地盤調査が事実上、義務化されたこと。そして金物の明確化、壁の配置にバランス計算が必要になったことです。

この変更で、一面が全面開口部になっていたり、バランスが悪い建物をつくることは難しくなりました。2000年以前の在来工法の建物を検討する場合には一度、耐震性を確認してみましょう。

また、比較的最近の新築物件でも、中には2000年の法改正内容を知らずに、昔の基準のままで施工されているものもあります。築浅の物件であっても注意が必要です。

1981年と2000年の基準の違いは、「 壁の配置 」と「 継ぎ手 」によく表れています。かつて、壁の配置については「 釣り合いよく 」といった、あいまいな表現だったものが、「 偏心率30%以内 」かつ、「 建物の外周近くに一定量の壁があること 」と明確に示されました。

継ぎ手に関しても、「 釘その他の金物を使用 」とあいまいな基準でしたが、筋交いの大きさや、柱の位置、筋交いの強さによって、使用できる金物や接合方法が具体的に指定されています。


小さな金物を止めているのはクギだけの状態


より適切な金物をビスなどでしっかり留めている状態

意外に思われるかもしれませんが、一般的に新築を建てる際に使用される金物は、流通量が多いためかなり安く、ホームセンターでも買えます。

例えば筋交い1本つけるのに必要な金物は、ホールダウン金物、筋交い金物、柱と梁の金物、アンカーボルト。筋交い金物は1個200円くらい、筋交いの両端につけるため、1本筋交いを増やせば400円くらいです。

筋交いの材料そのものも、一般の方でも1000円くらいで買えるため、1400円くらいで壁の耐震補強が可能です。

耐震補強を謳うリフォーム会社はかなり金額も高いですが、実際はそういったものを使わなくても安く補強できます。

柱と梁をとめる金物は、100円程度。アンカーボルトは新築に入れるものの場合、1本50円です。アンカーボルトは中古住宅のリフォームには使用できませんが、ケミカルアンカーという薬品で固定すれば耐震補強もできます。

次にホールダウン金物。これは2000年の改正から、使われていない建物はほとんどないでしょう。1個610円で、2.5トンまで耐えられます。これを柱の両面に使えば、5トン耐えられることになります。

新築用だと3.5トンも出ていて、両面で7トンです。リフォーム会社によるホールダウンの補強は1箇所数万円もしますが、こういった安い金物で耐震補強ができるのです。

使用する金物をどのように選べばいいかというと、3つ方法があります。簡単なものから順に説明しましょう。

一つ目は、金物の一覧表から選ぶ方法。柱の位置、上に屋根がのっているかどうかといった項目を選んでいくと、使用するべき金物がわかるようになっています。

二つ目は金物計算によって選ぶ方法。これを「 N値計算 」といいます。建物全体から、金物部分だけを計算する方法です。

最後は、建物全体の構造計算。3階建て以上の場合は構造計算が義務づけられていますが、2階建ては計算していない物件のほうが多くなっています。

できれば構造計算かN値計算をして、金物を選びましょう。こうした知識を持つ大家さんは、設計事務所やリフォーム会社と対等に渡りあえます。

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プロフィール

■ 長嶋 修さん

長嶋 修さん

不動産コンサルタント
さくら事務所 会長

長嶋修さんのブログ

不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所を設立、現会長。

以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。

2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。

また、TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。

現在、「東洋経済オンライン」、「Forbes JAPAN WEB」等で連載コラムを執筆中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及。

主な著書に、『空き家が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』(日本経済新聞社)、『5年後に笑う不動産』(ビジネス社)等。

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