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スルガ銀行の問題がこれからの不動産投資業界に及ぼす影響

長嶋修さん_画像 第200話

シェアハウス融資をめぐる「 かぼちゃの馬車事件 」では、融資にまつわる各種書類が書き換えられ、本来貸してはいけない、借りてはいけない融資が行われていました。

これを受けて金融庁はスルガ銀行に対し報告徴収命令を出した後、融資担当者や経営陣の関与など融資の実態解明を急ぐ意図で、同行へ立ち入り検査に踏み切っています。

今後の焦点は、金融庁が果たして「 どの程度の処分にまで持っていくか 」です。「 責任の範囲は現場の融資担当者まで 」だとして業務改善命令程度で終わるのか、「 経営者の責任問題 」に踏み込むのかなどです。

同時にスルガ銀行は、スルガ銀行が事前に報告書を見ることができない、いわゆる「 日弁連方式 」を執り行う第三者委員会に内部調査をゆだねており、8月には報告書が提出される予定です。

こうした事態を受けて「 不動産投資バブルが崩壊 」といった論調が一部で見受けられますが、この件そのものの影響は限定的でしょう。

2012年の民主党から自民党への政権交代以降、ほぼ一本調子で上げてきた不動産投資市場ですが、そのなかでも行き過ぎた一部融資にメスが入るという程度で、むしろ早期健全化が図られてよかったのではないかと思います。

「 行き過ぎた融資 」とはこの「 かぼちゃの馬車事件 」にまつわる、スマートデイズのシェアハウス融資のほかにも数件ありますが、いわゆる「 三為業者 」も鳴りを潜めました。

「 三為 」( さんため )とは「 第三者のためにする契約 」のことで、つまりは「 中間省略登記を通じた買取再販業者 」のこと。彼らは投資物件を安く買い取り、たっぷり利益を載せつつ登記費用は節約、融資はスルガ銀行をあてるといったビジネスモデルです。

この世界も「 スルガ銀行ありき 」のビジネスモデルでしたが、事件を受けてこうした手法も使えなくなったようです。

こうした流れを受けて、やや心配なこともあります。というのも、複数の金融機関が過剰反応して、思い切り融資の窓を引き締めていることです。

例えば、かつては評価額の70パーセントまで出していたところが50パーセントになったり、築古物件には一切貸さないうえ、そこから生まれている収益も一切評価しない、といった具合です。

いかにも思考停止的な判断ですが、実際にこのような動きが広がれば、予想以上に不動産投資市場は冷え込むかもしれません。

もう一つの心配は「 金融庁の動き 」。スルガ銀行に関しては、かぼちゃの馬車事件以外の融資も調べていくことになるのは既定路線のようですが、これがスルガ銀行にとどまらず、他金融機関へと波及していく場合です。

もし他金融機関で同様の案件が見つかるということになると、不動産投資に対する融資はかなり厳しいものになるでしょう。

とはいえこうした判断は日本経済・景気を大きく左右しかねないものでもあるため、やや政治判断的な色彩を帯びる可能性がありますので、金融庁がどの程度で鞘を納めるのかに注目したいところです。

一方でこのような事態は、それほど融資を必要としない人、現金買いができる人などにとっては大きな追い風になる可能性があります。

融資の窓が閉じれば競争相手は減り、不動産価格も下がります。金融庁の動向、市場動向を見極めながらチャンスを探ってください。

最後に。これから不動産投資をお考えの方へ。かぼちゃの馬車物件を買って苦しんでいる人は一般に高年収で、属性の高い方が多いようです。金融機関にお勤めの方や弁護士の方もいます。

そうした方たちがなぜこのような事態に遭遇してしまうのか。その答えは簡単で「 勉強不足 」です。

頭がいいとか属性が高いというのと、不動産リテラシーがあるというのは、全く別物。少なくとも不動産投資関連本を100冊は読んでから行動を起こすことをお勧めします。

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プロフィール

■ 長嶋 修さん

長嶋 修さん

不動産コンサルタント
さくら事務所 会長

長嶋修さんのブログ

不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所を設立、現会長。

以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。

2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。

また、TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。

現在、「東洋経済オンライン」、「Forbes JAPAN WEB」等で連載コラムを執筆中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及。

主な著書に、『空き家が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』(日本経済新聞社)、『5年後に笑う不動産』(ビジネス社)等。

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